森トラスト・ホテルリート投資法人が東証リート市場に上場!リートIPO評価分析

日本有数の巨大ディベロッパー森トラストが2つ目のリート投資法人を東証リート市場に上場させることが決まりました。

既に上場している森トラスト総合リート投資法人(8961)はオフィスビル・商業施設・ホテル・大規模住宅などの幅広い物件に投資を行う投資法人でしたが、今回上場する森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)は名前の通りホテルに特化したリートです。

想定価格は158000円

BB期間は2017年1月23日から1月26日

仮条件は1月20日

公開価格は1月27日

上場日は2月7日です。

仮条件や追加の情報は日本取引所グループのホームページ内のリート市場のページで確認できます。株式IPOとは違うページに掲載されているので気をつけて下さい。

この案件は、泣く子も黙る日本有数のディベロッパー森トラストのホテルリートIPOです。

初期保有ポートフォリオを見渡すと、世界に名だたる有名ブランドホテル物件で構成されており、日本人のみならず日本が国を挙げて誘致している外国人観光客の利用も期待できます。

昨年の実績から見るとポートフォリオのNOI利回りは4%を超えており物件の構成内容は悪くないと判断できます。但し、リートの売出し元は全て森トラストからの持ち出しで、今回の上場で100%売出します。

その関係で公開規模は大きくなり初値は抑えられます。

また、最近のリートIPOの初値はことごとく公開価格を下回っています。現在も東証リート市場の調子は軟調で勢いはありません。この点も今回のIPOに影響を与えるでしょう。

全ての事情を総合的に判断すると、私は今回のIPOは公開価格付近で初値は落ち着くと予想します。

そのため、今回のおすすめ指数は40です。

それでは、次項以降では森トラスト・ホテルリート投資法人の情報を解説していきます。貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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森トラスト・ホテルリート投資法人の投資方針

基本理念:森トラストグループの長年培われてきた開発力及びホテル運営・マネジメント力に支えられる優良なアセット、すなわち「Trust Quality」が産み出す「Trust Value」を共有する魅力的なホテルアセットに対し重点的に投資することで、 中長期にわたって、安定収益の確保と運用資産の着実な成長を図り、投資主価値の最大化を目指すことを基本理念としています。

投資方針:森トラストの「Trust Quality」が産み出す「Trust Value」を共有するホテルアセットへの集中投資

基本理念と投資方針を要約すると「森トラストの開発した資産価値の高いホテルに投資して長い期間安定収益を得る」ということです。

これは将来的にも森トラストのホテル物件を中心に投資を行っていくということだと判断できます。

ポートフォリオ構成方針

ポートフォリオの基本方針としては「資産性」「安定性」「成長性」を兼ね備えた運用を念頭に、新たなホテルや旅館などの取得に際しては、地域・資産価値・耐震性・収益性・ポートフォリオ全体のバランスを総合的に考慮してリスクを抑えながら慎重に進めていきます。

また、現段階で海外物件に対する投資は予定していないようです。

基本理念・投資方針・ポートフォリオ構成方針を総合的にまとめると、このリートは「森トラストが運営する国内の高価格帯のブランドホテルに集中投資を行う投資法人」だと考えられます。

森トラスト・ホテルリート投資法人の初期ポートフォリオと指標

シャングリ・ラ ホテル 東京

世界的ブランドホテル「シャングリ・ラ ホテル」の日本初進出ホテルです。東京駅のすぐ側の丸の内に建っており立地は抜群、超高級路線を歩んでおり50㎡を超える客室を200室用意しています。

資産価値 42000百万円

コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション

東京駅から徒歩4分という好立地に位置する、高級ホテルマリオットのブランドホテルです。ファミリーからビジネス客まで幅広い層の利用を想定した高〜中価格帯のホテルです。

資産価値 13800百万円

コートヤードバイ・マリオット新大阪ステーション

新大阪駅側という好立地に位置する、高級ホテルマリオットのブランドホテルです。ファミリーからビジネス客まで幅広い層の利用を想定した高〜中価格帯のホテルです。

資産価値 17600百万円

ホテルサンルートプラザ新宿

外国人観光客が多く宿泊し、多くの沿線が交錯する主要駅新宿のすぐ側に建っている、森トラストとJTBが共同開発したホテルです。

パーティー・宿泊・食事と幅広いシーンに利用できる多機能型ホテルです。

資産価値 28600百万円

森トラスト・ホテルリート投資法人の初期ポートフォリオの物件は、全て森トラストから購入します。それぞれのホテルは、既に安定収益を上げているブランド価値の高いホテルですので資産価値は安定しています。

現段階でのポートフォリオのNOI利回りは4.3%悪くない数値です。

ただ、物件の7割以上が東京を中心とした関東に集中しているので、地震などの大震災が関東を襲うと物件と収益体制に大きな打撃を受けると予想されます。

日本取引所グループに公開されている森トラスト・ホテルリート投資法人の有価証券報告書

森トラスト・ホテルリート投資法人のIPOは買いなのか?見送りなのか?

森トラスト・ホテルリート投資法人のIPOは見送りです。上場規模が大きいので上場後大きく値上がるのが難しく、値上がったとしても公開価格を少し上回る程度になるでしょう。

このIPOは短期間で売り抜けるIPO投資では無く、長期的に保有して利益を得るバイ&ホールド投資戦略を取る方に向いている案件でしょう。

買い要因

  • ポートフォリオの内容は良い
  • 天下の森トラストがバックボーン

見送り要因

  • 東証リート市場が軟調推移
  • 売出し規模が大きいので短期で利益を出すのは難しい

森トラスト・ホテルリート投資法人の関連銘柄

森トラスト・ホテルリート投資法人の関連銘柄は、森トラストホールディングス(3286)です。

森トラストホールディングスは、親会社であり物件取得先であり運営者であり、全ての面で深い関係性を持ちます。森トラストホールディングスに何か大きな問題が起これば、その問題はホテルリート投資法人にも大きな影響を与えます。

森トラスト・ホテルリート投資法人 初値予想は?

森トラスト・ホテルリート投資法人の初値は、公開価格から-10%〜+10%辺りになると予想します。仮に想定価格の158000円で公開されたとしたら、初値は142200円〜173800円辺りになるでしょう。

主幹事情報

森トラスト・ホテルリート投資法人のIPO主幹事は野村証券です。

副幹事は、SMBC日興証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、みずほ証券カブドットコム証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、SMBC日興証券みずほ証券カブドットコム証券です。

当選を狙うなら主幹事で当選本数の多い野村証券からの応募をオススメします。また、副幹事の中からは公平な抽選を行い口座数の少ないカブドットコム証券がオススメです。

まとめ

IPO投資として見ると、この森トラスト・ホテルリート投資法人の案件はリターンを獲得できるのか怪しい案件ですので、私は参加を見送ります。

ポートフォリオの内容は豪華絢爛で需要の高いホテル群ですので、長期的にホテルに投資したい方に向いている銘柄だと思います。

私はこういったブランドホテルは、特別な時にしか利用しないので馴染みがありませんが、同社のホテルのファンの方は応援の意味合いを込めて購入するのも良いと思います。

リートIPOについては
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