日本で最初のカーボン0企業で有り、不動産分野では有名ないちごグループがクリーンインフラ分野に特化した、いちごグリーンインフラ投資法人(9282)を東証インフラ市場へ上場させます。(※東証リート市場ではありません)
想定価格は100,000円
BB期間は2016年11月14日から11月18日
上場日は12月1日です。
仮条件は95,000〜100,000円
公開価格は11月21日に決まります。
仮条件や追加情報は日本取引所グループの東証リートの中の東証インフラ市場のページから確認することができます。
今回のいちごグリーンインフラ投資法人は、インフラとは書かれていますが、メガソーラー企業です。メガソーラーは日本としても、今後電力割合を上昇させていくことが予定されている分野ですので、安定した収益が期待できます。
また、いちごグリーンインフラ投資法人が投資するメガソーラーは、電力売電契約が成立した後の物件を選定して投資しているので、投資的な危うさは低いと言えます。
そのため、長期的に見れば安定収益が得られそうな案件ですが、ただIPO投資として見るとリターンは難しい案件です。東日本大震災の後はメガソーラーや新電力の人気は高まりましたが、その人気も最近は落ち着いてきているので初値の上昇は厳しいでしょう。
長期保有狙いの買いが限定的に入るとは思いますが、高いリターンは難しいと予想します。
その辺りを考慮して
今回の参加お勧め指数は40です。
次項以降では、長期保有に適している、いちごグリーンインフラ投資法人の詳細な解説を進めていきます。貴方のIPOの参加の検討に役立てて下さい。
目次
いちごグリーンインフラ投資法人の親会社、不動産大手いちごグループとは?
いちごグリーンインフラ投資法人を解説する前に、親会社である「いちごグループ(2337)」のことを紹介します。
いちごグループは年商約500億円の大手不動産企業です。よくある収益性の高い分野の不動産とは別にメガソーラーなどのクリーンエネルギー分野に大きく投資していることが特徴です。
いちごグループは、クリーンエネルギー分野には相当力を入れているようで、クリーンエネルギーを専門に扱ういちごECOエナジー株式会社を設立して推進しています。
また、既にいちごグループはオフィス不動産に投資する「いちごオフィスリート投資法人(8975)」やホテル不動産に投資する「いちごホテルリート投資法人(3463)」を設定しており、RETEに対する取り組みも行っています。
不動産に関わる関連企業をグループ内で網羅しているので、グループの力は安定しており、今後も安定運営して行くでしょう。
いちごグリーンインフラ投資法人の投資方針
- いちごグループの理念に基づくアセットマネジメント事業
- 追加価値を創造する心築事業
- クリーンエネルギー事業
この3つを軸としたビジネスモデルを最大限活用して、主として、再生可能エネルギー発電設備等の特定資産への投資を行う。と、有価証券報告書に記載されています。
初期ポートフォリオを見る限り、主としても何も投資先はメガソーラーしかないので、このいちごグリーンインフラ投資法人の将来性はメガソーラーに掛かっています。
メガソーラーの将来性
メガソーラーの将来性はどうなのか?というと、メガソーラーの未来は当面は明るいと言えます。
日本はメガソーラーの電力割合を国策として定めて推進していますし、メガソーラーの耐久性も高いので長期的に安定した収益を上げられると考えられます。
しかし、メガソーラーに懸念がない訳ではありません。まず、懸念されるのが新規の契約での電力買い取り価格が、年々減少していることです。
これは国が考える以上に太陽光発電を設置する人が多かったのと、それほど費用に見合った発電量を得られなかった事が原因です。現在稼動しているメガソーラーは買い取り価格が何十年先まで据え置かれるので良いですが、将来的に電力買い取り価格の契約の更新の際には買い取り価格の値下げは避けられないでしょう。
また、ソーラーパネルの電力効率の劇的な上昇も懸念事項です。
近年ソーラーパネルの電力効率は劇的な勢いで増えています。このペースでソーラーパネルの電力効率が上昇すれば、既存のメガソーラーは時代遅れの産物になり、ソーラーパネルの交換も視野に入れた追加投資が必要になる可能性もあります。
この交換時期は、何十年も先のことではあるのですが、いずれはその日がやってくるでしょう。
とは言っても、どちらの懸念事項も何十年も先のことなので、現段階でメガソーラーに関して過度に不安を感じるこたは無いでしょう。
いちごグリーンインフラ投資法人の初期ポートフォリオと指標
いちごグリーンインフラ投資法人は、日本各地のメガソーラーを、いちごグループから約100億円で買い取りポートフォリオを構築します。取得したメガソーラーの資産評価額は合計88億円〜118億円です。
取得額と資産評価額に幅があるな、、、と思いましたが、同グループ内での売買なので、ぼったくられていることは無いと思います。
地域割合
北海道34.6%
関東4.9%
中部5.2%
四国15.9%
九州5.2%
沖縄34.2%
電力買い取り業者
北海道電力34.6%
東京電力エナジーパートナー4.9%
中部電力5.2%
四国電力15.9%
九州電力5.2%
沖縄電力34.2%
稼動年数
稼動3年以上 4.9%
稼動2年以上、3年未満26.0%
稼動1年以上2年未満69.2%
ソーラーパネルメーカー割合
東芝25.6%
Yingli Green EnergyHolding Co. Ltd.52.8%
JAソーラー・ジャパン16.4%
ジンコソーラージャパン5.2%
理論総パネル発電量
25,831.64KW
昨年実績による電力販売による営業収益118.6億円です。
いちごグリーンインフラ投資法人の有価証券報告書には不動産投資の利回り目安となるNOI利回りが記載されていません。これは、メガソーラーの利益が天候に左右される為だと思います。
不安に思うかもしれませんが、昨年は充分利益を上げているので大きな心配は無いでしょう。メガソーラーの地域も分散されているので、震災や予期せぬトラブルのリスク分散もできていると判断できます。
分散された投資地域とパネルメーカー、そして高い営業利益を総合すると、いちごグリーンインフラ投資法人のメガソーラーの事業は良い内容だと言えます。
⇒日本取引所グループに公開されたのいちごグリーンインフラ投資法人の有価証券報告書
いちごグリーンインフラ投資法人のIPOは買いなのか?見送りなのか?
いちごグリーンインフラ投資法人のIPOは見送りです。IPOとして見るとリターンは期待できません。しかし、長期保有して、じっくり利益を得るのなら投資する選択もありだと思います。そのため、保有したい方は、IPOには参加せず上場後のセカンダリーで購入するのが良いでしょう。
いちごグリーンインフラ投資法人の関連銘柄
いちごグリーンインフラ投資法人の関連銘柄は、親会社であるいちごグループ(2337)です。
いちごグリーンインフラ投資法人は、いちごグループの関連会社を活用して運営しているので、もし、何らかの理由でいちごグループが傾くような事があれば、株価は大きく値下がるでしょう。
そして、いちごグリーンインフラ投資法人の業績は、良くも悪くも親会社のいちごグループの業績に大きな影響を与えます。
いちごグリーンインフラ投資法人 初値予想は?
いちごグリーンインフラ投資法人の初値は、−5%〜0%辺りで落ち着いくと予想します。仮に想定価格の100,000円で公開されたとすると、初値は95,000円〜100,000円になるでしょう。
すっかりクリーンエネルギーの人気が下火になってしまったので、企業内容は悪くは無いのですが、この辺りの初値に落ち着くと思います。
主幹事情報
のIPO主幹事はみずほ証券です。
副幹事は大和証券、SBI証券、野村証券、SMBC日興証券です。
この中でネットから応募できる証券会社は、SMBC日興証券、SBI証券、みずほ証券です。
まとめ
自国のエネルギー資源に乏しい日本では、エネルギー問題は永遠のテーマです。そのため、メガソーラーなどの新エネルギーの需要は今後も安定して存在するでしょう。
そして、その分野に投資したいと考えている人もいるでしょう。今回上場するいちごグリーンインフラ投資法人は、そんな人々の意を得た銘柄です。
IPOとして見るとリターンは難しいですが、長期的に保有して利益を得たいと考えたい方には向いている案件だと思います。私は、長期保有して、じっくり利益を待てる程の余裕資金が無いので、、、今回は参加を見送ります。
いちごグリーンインフラ投資法人を分析していて、企業の価値と市場での価格は別物だな、と感じました。
上場後株価分析を書きました。
⇒いちごグリーンインフラ投資法人の上場後株価分析
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