さくら総合リート投資法人のリートIPOの評価、今回は買いは見送りか。

オーストラリアの大手不動産投資法人ガリレオと、日本のビル管理大手の日本管財がタッグを組み設立した、さくら総合リート投資法人(3473)の東証リートへの上場が決まりました。

さくら総合リートという名前からも分かるように、投資物件を限定せず、総合的に良い物件を組み込んで投資していく方針を掲げています。

上場時の想定価格は100,000円

BB期間は2016年9月1日から9月5日、上場日は9月8日です。

正直な所、リート法人として目立った特徴も無く、ガリレオと日本管財がバックについていますが、最近の東証リート市場は軟調で、直近のリートIPOも公募割れの厳しい状況が続いています。

その辺りを考慮して、私は今回のさくら総合リート投資法人へのIPO参加は見送ります。

けれども、特徴が無いというのは、裏返せば安定しているとも取れます。そして、ガリレオや日本管財のサポートがあるならば、今後の上昇が期待できる!とお考えの方は、参加した方が良いでしょう。

私の参加オススメ指数は30です。

仮条件や追加の正確な情報は、決まり次第、日本取引所グループのホームページで確認できます。

また、さくら総合リート投資法人のIPO主幹事はSMBC日興証券です。

リートIPO受付中 SMBC日興証券

ここまでは私の見解です。

私の見解だけで判断せずに、事項以降で解説していく、さくら総合リート投資法人の詳しい内容を見て、自分の目と頭で事業内容や指標を、しっかりと把握してから、参加の是非を決めて下さい。

この記事を読んで、参加の検討を進めて頂ければ幸いです。

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さくら総合リート投資法人の背景

さくら総合リート投資法人は、オーストラリアの大手不動産投資法人ガリレオと、東証一部上場企業であり日本のビル管理大手の日本管財がスポンサーとなって設立するリート投資法人です。

ガリレオ

ここまで読んできて、このリート法人はオーストラリアの不動産投資法人のガリレオが出資し、日本管財が主に物件の選定などをするのかな?

と思うかもしれませんが、実は既にガリレオはオーストラリアのリート市場で日本不動産に特化したリート法人を設立しており、日本国内に590億もの資産を有しています。

つまり、日本不動産に関してガリレオはスペシャリストです。

そもそも、オーストリアのリートの歴史は古く、1970年代には既にリートに関する法律が制定さていて、現在も活発に取り引きされています。その歴史から、日本よりも格段に規模もシステム面でも、リートに関しては一歩も二歩もオーストリアの方が優れています。

そして、その優れたリート市場に育まれ、オーストリアには大きな不動産投資法人が、いくつもありガリレオもその中の1つです。そして、オーストリアから日本に投資するよりも、日本法人として日本に投資した方が税制上も、物件の選定でと有利なため、今回のリート法人設立に乗り出して来たのだと考えられます。

また、実はガリレオ以外にも、ブコック・アンド・ブラウン・ジャパン・トラストや、ルビコン・ジャパン・トラストといったオーストリアの不動産投資法人がスポンサーとなって設立されたリート法人が近年日本で増えてきています。

もしかしたら、これから暫くの間はオーストリアの不動産投資法人が日本に乗り込んでくる流れが続くかもしれないですね。

日本管財

日本管財は日本のビル管理業で1番早く上場した企業で有り、その歴史と実績は盤石です。今後の大きな事業の拡大は難しいですが、今後も安定した収益を上げ続けるでしょう。

ほどよい株価、高い自己資産比率、素敵な株主優待を兼ね備えているので、私も1単元保有しています。この2つの企業がサポートする、今回のさくら総合リート投資法人は安定した収益が期待できます。

さくら総合リート投資法人の投資方針

さくら総合リート投資法人の投資方針は、様々な用途の物件、エリアを対象にして独自の投資基準に基づき投資を行い、中長期的に収益の維持・向上を目的とし、安定的かつ健全な財務基盤を構築すること方針として掲げています。

また、取得した物件の用途変更にも積極的に取り組み、物件の資産価値向上も進めていくそうです。

・用途別投資比率(取得価格ベース)

オフィスビル 30~60%
商業施設        30~60%
住宅                10~30%
その他の施設  0~20%

・エリア別投資比率

首都圏              50%
地方主要都市  40%
その他              10%

負債比率(LVT)は60%を上限に設定しています。

良くも悪くも、普通の総合型リート法人の投資方針です。

さくら総合リート投資法人の初期ポートフォリオと指標

さくら総合リート投資法人の初期ポートフォリオは、ガリレオの日本投資法人ガリレオジャパントラストから譲り受ける18の物件からスタートします。

内訳は

オフィスビル7棟
住宅4棟
商業施設4棟
工場2棟
スポーツクラブ施設1棟

平均稼働率 98.2%

取得額            573.6億円

鑑定評価額  582.58億円

平均鑑定NOI利回      5.5%

償却後鑑定NOI利回  4.6%

初期ポートフォリオと指標から、さくら総合リート投資法人は、定着率の高い物件を多く所有、その全てで高い稼働率、そして、ぼちぼちな利回り、ということが読み取れます。

このポートフォリオなら、投資方針通り、中長期的に安定した収益を維持できます。

⇒日本取引所グループから公開されたさくら総合リート投資法人の不動産投資信託証券の発行者等の運用体制等に関する報告書

さくら総合リート投資法人の関連銘柄

日本管財(9728)

さくら総合リート投資法人の所有する物件は、日本管財が管理運営を請負予定です。そのため、さくら総合リート投資法人が物件の所有数を増やすことで、日本管財の業績にも良い影響を与えます。

しかし、現段階では日本管財に与える影響は軽微でしょう。ただ、今後拡大していけば日本管財に与える影響は比例して大きくなっていきます。

さくら総合リート投資法人のIPOは買いなのか?見送りなのか?

さくら総合リート投資法人のIPOは見送りです。

ガリレオ、日本管財という大企業がスポンサーとして付いていますが、リート法人としての、売りとなる特別な何かをさくら総合リート投資法人からは読み取れませんでした。

現在の落ち込みつつある東証リート市場では、特別な何かが無ければリターンを期待するのは難しいでしょう。

買い要因

  • ガリレオ、日本管財のサポートが期待できる
  • 中長期的に安定した収益が期待できる

見送り要因

  • このリート法人にしかない、という特徴が無い
  • 最近の東証リート市場が落ち込んでいる

主幹事情報 さくら総合リート投資法人のリートIPOの取扱証券会社について

さくら総合リート投資法人のIPO主幹事はSMBC日興証券です。

その他の引き受け金融機関は、みずほ証券と大和証券です。

今回ネットから購入の応募ができるのは、SMBC日興証券と大和証券です。

まとめ

良くも悪くも、さくら総合リート投資法人は普通の総合型リート法人です。

こういった中長期的に安定収益が期待できる総合型リートも東証リート市場が盛り上がっていれば、多少のリターンが期待できますが、軟調な現在の東証リート市場では難しいでしょう。

そのため、IPOとしては参加しない方が良いです。

しかし、もし、中長期的に収益を得るために購入するということなら、堅実な投資方針とポートフォリオを持つさくら総合リート投資法人を購入するのも有りです。

その際には、IPOを見送り、上場後の値下りを横目に85000円前後で購入するのが良いでしょう。

この85000円は、私が投資するならその金額でいく!という金額ですので参考にしてみて下さい。もし、貴方が上場後の値下がりを期待して狙っていくのなら、事前に購入しても良いな、と思える金額を決めておくことをお勧めします。

リートIPO投資の基本、買い方、当選確率アップの方法など全てのノウハウを書きました。

予想通り初値は公開価格を下回りました。2016年10月19日追記

さくらリート投資法人の上場後の株価分析を書きました。参考にしてください。
さくら総合リート投資法人の初値は予想通り公開価格を下回る。今後の株価予想

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