★これを読めば全部分かる!リートIPO投資の大事なところを全部まとめました!
近年、リートのIPOが行われる回数も増えてきており、気になっている方も多いのではないでしょうか?リートのIPOも株式のIPO同様、しっかりと事前情報を確認し見極めて参加すれば、高い確率でリターンを獲得することができます。
そして、この記事では、そんなリートIPOに投資する際に確認するべき、大事なところを全部解説していきます。これを読めば、貴方の目でリートIPOを見極めることができるようになるでしょう。
目次
そもそもリートとは?
リートとは不動産投資信託のことです。元は、アメリカの不動産投資信託「Real Estate Investment Trust」から来ていて、その頭文字を取りREITと呼ばれるようになりました。
そして、それが日本の不動産投資信託にも流用され、日本のJAPANのJが着いて、日本の不動産投資信託のことをJREITと呼ぶようになりました。
ここで、リートと呼ぶのは、日本の不動産投資信託JREITのことです。
リートの特徴、仕組みについて
リートは不動産に投資するので、株式とは異なる値動きや特徴があります。ここでは、そんなリートの仕組みと特徴について解説していきます。
貴方がビルやタワーマンションに投資して家賃収益を得たい!
と、思っても、実際にビルやタワーマンションを所有するには、莫大なお金が必要になり、余程のお金持ちでも無ければ実現は難しいでしょう。
でも、リートに投資すれば、それが簡単に実現できます。
リートの仕組み
①リート投資法人の権利を沢山の人が購入します
②リート投資法人は集まったお金で物件を購入します
③リート投資法人は購入した物件の家賃収入を得ます
④リート投資法人は経費などを引いた利益を、リート投資法人の権利を持つ人々に分配します
これがリートの仕組みです。
リートのメリット
簡単にまとめると、リートはみんなでお金を出し合って物件を購入し運営し家賃収入を得るシステムです。このシステムの利点は、1人1人が莫大な資金が無くても、ビルやタワーマンションといった規模の大きな物件に投資することができる!ということです。
また、リートは法律で収益の90%を分配すると、法人税が免除されると定められているので、ほぼ全てのリート投資法人は収益の90%以上を分配金として権利者に分配します。
つまり、法律の仕組みとして、リート投資法人は高い利回りを支払うことが定められているので、株式よりも高利回りを期待できます。そして、リートは市場で取り引きされています。
現物の不動産は、直ぐに売ったり買ったりすることが難しく、流動性のリスクを持ちますが、リートは市場で売買ができるので、現物不動産のような流動性リスクを抱えることがありません。
少ない資金で参加でき、高い分配金、高い流動性を確保しているリートは有効な投資方法です。
リートのデメリット
リートは優れた投資方法ですが、投資対象が不動産故に株式とは違う価格変動リスクを抱えています。
例えば、金利の上昇下降、地価の上昇下降、不動産価格の上昇急落といった不動産市場に影響を与える局面では、激しく値が動きます。
そして、リートは投資対象が異なるので、株式や債券とは違う値動きします。その点を活かして、株式、債券、リートを組み合わせて分散投資し、リスクを低減させる投資方法もあります。
リートIPOで確認すべき5つのポイント
ここからは、リートIPOを見極める際に、確認すべき5つのポイントを解説さていきます。ここで紹介した5つのポイントを抑えてIPOの参加を検討すれば、大きく損失を被ることはないでしょう。
確認ポイント① スポンサー企業、サポート企業の確認
リートIPOでスポンサー企業、サポート企業は、とても大事です。
何故なら、リートの収益の源泉である不動産の調達はスポンサー企業とサポート企業に掛かっているからです。
どのリート投資法人も収益性の良く、割安な不動産を求めています。しかし、現実的にそういった不動産を購入するには激しい競争があり、とても難しいのです。
そこで、スポンサー企業やサポート企業の出番です。リート投資法人のスポンサー企業やサポート企業は、そのリート投資法人に優先的に不動産を販売することが有価証券報告書に記載されています。
つまり、有力なスポンサー企業やサポート企業がバックに付いているリート投資法人は、激しい競走に加わらずとも、魅力的な不動産をスポンサー企業やサポート企業から購入することができるのです。
そのため、リートIPOを見極める際には、そのリート投資法人のスポンサー企業やサポート企業が、どのような企業なのか必ず確認しましょう。
また、リート投資法人によっては、スポンサー企業やサポート企業が外国資本の企業である場合もあります。
その場合の多くは、外国資本の企業は資金を提供し多少口出しをするくらいで、不動産の選定は、もう一方の企業が行っていることが多いので、サポート企業の方に重きを置いて検討した方が良いでしょう。
確認ポイント② 投資方針の確認
リート投資法人は、最初に投資方針を選定します。この投資方針は、とても大事です。
リート投資法人は投資する種類の不動産によって、安定性、収益性が異なります。
不動産の種類の組み入れ比率は?どんな種類の不動産を、どんな場合で追加で購入するのか?
といった、リート投資法人の根幹となる不動産の購入や資産比率が投資方針を読むことで確認できます。そのため、リートIPOを見極める際には、必ず投資方針を確認しましょう。
投資不動産の種類の特徴
次に不動産のそれぞれの種類ごとの特徴を見ていきましょう。
➢住宅型リート
住宅型リートは、人が住むマンションなどの住宅に投資します。住宅への投資なので、景気に影響され難い安定した収益が期待できます。しかし、物件の所在エリアには注意が必要です。人口減が続く日本では、人口が都市部に集中しています。今後その傾向は更に加速すると予想されます
住宅型リートを選定する際には、その点を踏まえて投資方針を読み解くことが大切です。
➢商業型リート
商業型リートは、ショッピングモールや沢山のテナントが入れる複合施設などの商業施設に投資します。法人を対象とすること、長い不動産寿命により、長期的に安定した収益が期待できます。
ただ、長期的に安定した収益を得るためには、人気の物件であり続ける必要があります。月日が経っても人を集客できるのか?その見込みが持てるのか?商業型リートに投資する際には、その点を考慮して、投資方針を読み解くことが大切です。
➢物流型リート
物件型リートは倉庫、物流拠点不動産といった物流施設に投資します。物流は日本の根幹にかかわる事業ですのでなくなることはありません。
そのため、高い稼働率、安定した利回りが期待できます。しかし、物件単体の単価が高く、一旦企業が離れてしまうと、新しく企業を誘致することが難しい場合もあります。
優良な物流型リートを見極めるには、保有する物件にどのような企業が入っているのか?どんな使われ方をしているのか?を確認し、持続性を判断することが大切です。
➢ホテル型リート
ホテル型リートは、ホテルに投資をします。
リートホテル型のリート投資法人は、実際にホテルを経営運営している訳ではありません。所有しているホテルをホテル運営企業に貸し出し、その賃料収入を得ています。そのため、ホテルの立地と魅力が非常に重要です。
長い期間安定して利益を生み出せられるホテルを所有しているのか?将来の新しいホテルはどんな基準で選定するのか?という点を考慮して、ホテル型リートの投資方針を読み解くことが大切です。
➢オフィス型リート
オフィス型リートは、企業が入居するオフィスに投資します。企業は長くオフィスを使ってくれる傾向にあるので、長期的に安定した収益を期待できます。
但し、オフィス型も住宅型と同じように立地が大切です。
都心や大きは地方都市の中心部といった、高い需要が見込まれる地に物件を所有しているのか?今後の新しく所有する物件でも、高い需要が見込まれる立地に投資するのか?しないのなら、その方針は納得できるものなのか?といった点を考慮して、投資方針を読み解くことが大切です。
➢ヘルスケア型
ヘルスケア型リートは、医療施設や介護施設といったヘルスケア関連施設に投資します。今後更に高齢化社会が進む日本では、ヘルスケア関連の施設への需要が高まることが期待されます。
こういった施設は上手く運営が続けば、地域社会に溶け込みなくてはならない施設に成長します。そのような施設になれば、自ずと安定した収益を得ることができます。
但し、ヘルスケア関連施設と一言で言っても、その範囲は幅広いです。投資方針を読み解く際には、ヘルスケア関連施設のどのような施設に投資するのか?そして、どのような形で収益を上げていくのか?といった点を、しっかりと確認することが大切です。
➢総合型リート
総合型リートは、今まで解説してきた、住宅型、商業型、物流型、ホテル型、オフィス型、ヘルスケア型を、それぞれ独自の投資方針に基づいて投資割合を決めて投資します。
分からないから全部お任せで!という方や、このリート投資法人なら全て任せられる!という方には、総合型がオススメです。
総合型リートを見極める際には、組入れる割合、将来の方向性を投資方針から読み解くことが大切です。
➢特殊な投資方針を持つリート投資法人
稀に、ここで紹介した種類以外の不動産に投資するリート投資法人があります。
例えば、最近では大江戸温泉リート投資法人がそうです。
⇒大江戸温泉リート投資法人のIPOは買いか?堅実に公開価格を上回ると予想
大江戸温泉リート投資法人は、温泉施設や温泉関連施設に投資する投資方針を掲げています。これは日本のみならず、世界を見渡しても例を見ない投資方針です。
そして、リートIPOでは、こういった特殊性を持つリート投資法人の、初値は高騰することが多いのです。
勿論、この特殊性だけでなく他の要素も考慮して総合的に検討する必要があるのですが、特殊性を持つリートIPOは高騰し易いということは覚えておいて下さい。
確認ポイント③ NOI利回りの確認
不動産を貸し出して利益を得るという事業モデルのリートでは、利回りがとても大切です。利回りが貴方の利益の源泉であり、利回りがあるからこそ、そのリート投資法人を購入したいと思う方もいるのです。
つまり、安定した高い利回りを実現しているリート投資法人に投資する、ということが大切です。東証リート市場の状況にも寄りますが、目安としては償却後NOI利回り5%以上は高い利回りだと判断できます。
➢NOI利回りとは?
一般的にリートはNOI利回りで評価されます。
NOI利回りは
賃料収入-管理費用=収益金(NOI)
収益金÷不動産価格=NOI利回り
で算出される、不動産価格から見た純利益の利回りです。
そして、NOI利回りの横には償却後NOI利回りという項目も出てきます。
この償却後NOI利回りは
賃料収入-管理費用=収益金(NOI)
純利益(NOI)-減価償却費=償却後純利益
償却後純利益÷不動産価格=償却後NOI利回り
で算出され、減価償却費も組み込んだ不動産価格から見た純利益の利回りになるので、より現実的な利回りとなります。
このNOI利回りと償却後NOI利回りは、そのリート投資法人の利益率と見ることもできる、重要な指標なので、必ず確認しましょう。
確認ポイント④ 借入比率(LTV)の確認
リート投資法人は、資金を銀行より借り入れて不動産に投資しています。この借り入れ比率をリートではLTV(ローンバリューレシオの略です)として表示されます。
➢LTVの計算例
総資産100億円のリートで借入金が50億円の場合
LTVは
借入金50億円÷総資産100億円×100=50%
と算出されます。
LTVは、そのリートの借入比率であり、この値が高い程、多くの借入金で運営されているリスクの高いリート投資法人だと判断できます。
因みに、東証リートの平均LTVは50%です。特別な理由なく、LTVが60%を超えているリート投資法人はリスクが高いので避けた方が良いでしょう。
殆どのリートでは投資方針の中でLTVの比率の上限を明記しています。リートIPOでは、まだ運用初期の段階なので、それ程LTVは高くはないと思いますが、将来的に怪しい雲行きにならないように、上限値は確認しておきましょう。
また、運用途中のリートを購入する際には、必ずこのLTVを確認した方が良いです。また、LTVと合わせて、借入金の利息も公開されていることもあります。分かるなら、この借入金の利息も確認しておいた方が良いでしょう。
借入金の利息は、そのリートの信頼性を映し出します。底利息は信頼性が高く、高利息は信頼性が低いと判断できます。リートIPOの際には、LTVや利息も確認し、そのリートの信頼性を確認しておきましょう。
確認ポイント⑤ 公開規模
株式IPOと同じように、リートIPOでも公開規模が大きくなれば、需要が追い付かず、公開価格を初値が下回る確率が高くなり、逆に公開規模が小さければ、需要が上回り公開価格を初値が上回る確率が高くなります。
東証リート市場の目安としては、500億円以上は大型案件、300億円は中型案件、100億円以下は小型案件と判断できます。
確実なリターンを求めるなら、余程期待できるリートIPO以外では大型案件は避けた方が良いでしょう。公開規模はリターンに直結する要素です。そのため、リートIPOでは必ず公開規模を確認しましょう。
リートIPOを取扱っているおすすめ証券会社 当選確率をアップさせるには
リートIPOを狙える証券会社は、SMBC日興証券、SBI証券、大和証券、みずほ証券、野村証券です。
この中で、私がオススメする証券会社は、SMBC日興証券とSBI証券です。
この2社は、応募資金の量に比例して投票数が増えるIPO抽選方式ではなく、いくら応募資金を増やしても関係ない一人一票性のIPO抽選方式を採用しているので、投資資金が1000万円以下の普通の一般人は、この2社から応募した方が良いでしょう。
当選確率をアップさせる点については通常のIPOと基本は同じです。
参考:IPO投資の当選確率を上げる方法 ~おすすめの証券会社SBI証券のIPOチャレンジポイントとは~
この2社は、一人一票のIPO抽選方式の証券会社だからといって、リートIPOの取り扱いが少ないということもないので、この2社から応募すれば、充分優良なリートIPOを狙うことができます。
まとめ
リートは資金が少なくても手軽に不動産に投資することができる優秀な投資方法です。また、近年の低金利を背景に注目度も上がっています。そして、注目度も上がれば、自ずと参加すふ企業も増え、これから優良なリート投資法人も増えてくるでしょう。
一見、株式と異なる用語や指標が多いので、何となく避けていた方もいたと思いますが、この記事を参考にリートIPOを選んで頂ければ、大きな失敗はしないでしょう。
是非、この記事を機に株式IPOだけでなく、リートIPOにも挑戦してみて下さい。
リートIPOの申込みは以下より
⇒リートIPOならSMBC日興証券
はじめまして。リートIPO投資の基本で「借入比率(LVT)」とありますが、LVTではなく「LTV」ではないでしょうか?Loan to Valueでは?
気になったもので、老婆心ながら・・・
JAPAN-REAT.COM
http://www.japan-reit.com/yougo/LTV
野村証券
https://www.nomura.co.jp/terms/english/other/A02931.html
大谷様
ご指摘いただき誠にありがとうございますm(__)m