グレイステクノロジーのIPO株は堅実に公募価格を上回ると予想

企業に必須となるマニュアルを低コストで提供するクラウド型のマニュアルシステムメーカーのグレイステクノロジー(6541)が東証マザーズに上場します。

想定価格は3010円

BB期間は2016年12月5日から12月9日

仮条件は12月3日に3000円〜3100円に決定

公開価格は12月12日

上場日は12月21日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

主幹事は東海東京証券です。

副幹事でおすすめはSBI証券安藤証券です。

特に安藤証券は口座開設数も少なく、応募者も少ないので、実はIPO狙い目の証券会社になっていますので、資金に余裕があるなら応募しておきましょう。

参考:安藤証券のIPOは応募者が少なく狙い目か?【本気でIPOに当選したいならおすすめの証券会社】

グレイステクノロジーら、企業向けにありとあらゆる種類のデジタルマニュアルを提供している企業です。このグレイステクノロジーの事業内容を見るまでは、WordやPDFでマニュアルは充分事足りるので必要性が乏しいのではないか?と考えていましたが、それは大きな間違いでした。

WordやPDFはMicrosoftやAdobeのライセンス商品であり、現段階では無料で観覧することはできますが本格的に作成や修正を行うには、継続してライセンスの取得が必要になります。

そのため、頻繁にマニュアルを作るとなると結構なライセンス料金が掛かるようです。そこで、このグレイステクノロジーのe-manualの出番です。このシステムで作成されるマニュアルはウェブ上でライセンスの必要なく開けるXML方式で作成されます。

つまり、このシステムでマニュアルを、作成すれば、企業はMicrosoftやAdobeのライセンス料金から解放されるという寸法のようです。

なかなか目の付け所が良いですね。

IPOとして見ると、グレイステクノロジーの公開価格は昨年実績から計算するとPER14倍程度の高めに設定されています。しかし、公開規模が小規模なので大株主のロックアップが外れる公開価格+50%辺りまでは問題なく上昇するでしょう。

手堅くリターンを得られる案件だと考えられるので、今回のおすすめ指数は80です。

それでは以下ではグレイステクノロジーのIPOに関わる情報を解説していきます。

貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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グレイステクノロジーの事業内容

グレイステクノロジーの事業内容は「産業機械を中心とした各種マニュアルの作成・管理・運用をおこなう基幹システム「e-manual」の提供、クラウドサービス運営およびマニュアルの企画・制作・翻訳」と有価証券報告書に記載されています。

グレイステクノロジーは自社のクラウド型のマニュアルシステム「e-manual」によって事業を展開しています。

「e-manual」でできること

・Webでマニュアルの作成・編集

・マニュアルのネット配信、必要に応じて製本印刷可能

e-manualはクラウド型で販売されており、企業はIDとPASSを購入してWebからログインしてe-manualを利用する形を取っています。クラウド上でデータを管理することでシステムのアップデートや何か問題が起こった際にも迅速に対応できます。そして、システムをクラウド上で握っていれば仮に不正利用されても、グレイステクノロジー側でブロックや規制できるので、海賊版の発生も防げます。

勿論、e-manualの使用に伴うユーザーサポートもグレイステクノロジーは用意しています。また、顧客の要望に応じてe-manualをカスタマイズしたオリジナルシステムの提供も行っています。

システム販売は海賊版との戦いの歴史

WindowsXPやWindows Officeは一時期本物よりも海賊版の方が普及しているという嘘のような本当の状況に陥っていました。

これは企業からすると堪りません。お金と時間と苦労を注ぎ込んでようやく完成した製品をパパッとコピーされたのでは商売にならないからです。

企業側はこの問題を解決する為に初めはコピーされないコピーガード技術を磨きました。しかし、コピー技術を進化させてもコピーガード技術も進化して、、、と、まさにイタチごっこになってしまいました。

そして、その戦いは今も続いています。

昨今、そんな状態から脱却する為に、賢明な企業はコピー技術でソフトを守ることを諦めて、クラウド型のシステムでソフトやシステムを提供するようになりました。費用は掛かりますが、その方がシステムを自分の手元で管理できるので海賊版を防ぐことができ採算性は高くなります。

今後この流れは加速していき、多くのシステムがクラウド型の提供スタイルになると予想されています。

グレイステクノロジーの財務情報

売上
2012年3月 518,398,000円
2013年3月 672,393,000円
2014年3月 579,511,000円
2015年3月 620,267000円
2016年3月 726,473,000円
2016年9月 435,146,000円

経常利益
2012年3月 518,398,000円
2013年3月 672,393,000円
2014年3月 579,511,000円
2015年3月 620,267000円
2016年3月 726,473,000円
2016年9月 435,146,000円

純利益
2012年3月 518,398,000円
2013年3月 672,393,000円
2014年3月 579,511,000円
2015年3月 620,267000円
2016年3月 726,473,000円
2016年9月 435,146,000円

財務諸表からは年々売上が順調に拡大していることを伺えます。しかし、売上が拡大しているにも関わらず、利益はヨコヨコ推移が続いています。

この利益推移を見て成長性が乏しいなと感じるか、利益が安定していると感じるか、、、見る人によって判断は変わってくるでしょう。

私の感想としては、安定した利益を稼げる硬い企業なのだと判断しました。自己資本比率が30%代で少し低いと感じますが、それ以外で特に大きな懸念は財務諸表からは感じませんでした。

日本取引所グループに公開されているグレイステクノロジーの有価証券報告書

グレイステクノロジーのIPOは買いなのか?見送りなのか?

グレイステクノロジーのIPOは買いです。

マニュアルという事業の必須パーツに対して、クラウド型のマニュアルシステムの導入してコスト削減を行うグレイステクノロジーのビジネスモデルは魅力的でしょう。

そのビジネスモデルはIPOでも人気を集めるでしょう。大株主のロックアップが外れる公開価格+50%までは、問題なく上昇するIPOだと予想します。

買い要因

  • クラウド型のIPOの人気業種
  • 堅実な財務

見送り要因

グレイステクノロジーの関連銘柄

グレイステクノロジーの関連銘柄は、ロボットFAメーカーのファナック(6954)です。

グレイステクノロジーはファナックに大口のマニュアル提供を行っており、ファナックのマニュアルの発行の動向によって業績に影響を受けます。ただ、グレイステクノロジーの売上に対してファナックの占める割合は過度に大きくは無いので、その影響は限定的でしょう。

グレイステクノロジー 初値予想は?

グレイステクノロジーの初値は、大株主のロックアップが外れる公開価格から+50%あたりになると予想します。仮に想定価格の3010円で公開されたとしたら、初値は4515円辺りになるでしょう。

グレイステクノロジーのIPOは、売出し規模自体は小規模ですが、大株主にはベンチャーキャピタルが多数存在するので、ロックアップが外れてからの売り圧力は相当な物だと思います。

そこからの上値は重いでしょう。

主幹事情報

グレイステクノロジーのIPO主幹事は東海東京証券です。

副幹事は、SBI証券、岡三証券、むさし証券、エース証券、安藤証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、東海東京証券SBI証券安藤証券です。

幹事団に岡三証券が入っているので、もしかしたら後から、岡三証券のグループ会社、岡三オンライン証券から応募できるかもしれません。

まとめ

グレイステクノロジーの大株主にはSBI系のベンチャーキャピタルが多数存在します。にも関わらず、主幹事がSBI証券ではないのは大人の事情なのでしょうか?

この点が摩訶不思議ではありますが公開されている情報を見る限り、手堅くリターンを得られる案件だと考えられので、私はSBI証券安藤証券から参加します。

運良く当選したら大株主のロックアップが外れる公開価格+50%辺りで、ササっと売り抜けるつもりです。

上述しましたが、安藤証券は応募者が少ないという点からも面白いので、資金に余裕がある方はぜひ申し込んでみてください。

参考:安藤証券のIPOは応募者が少なく狙い目か?【本気でIPOに当選したいならおすすめの証券会社】

上場後株価分析を書きました。
グレイステクノロジー上場後株価分析 ~高値圏での買いは控えたい~