電子基盤に特化した独自の事業展開によって業界を圧巻しているピーバンドットコム(3559)が東証マザーズに上場します。
想定価格は1550円
BB期間は2017年2月21日から2月27日
仮条件は2月17日
公開価格は2月28日
上場日は3月9日です。
仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。
今回上場ピーバンドットコムは試作品や個人が必要とする少数のオリジナル電子基盤をメイン商材としていて、受注後に提携企業に基盤を外注して顧客に納品するスタイルのビジネスモデルです。
これは『自社で工場を持たずに製造は外注に任せて、顧客の窓口サポートに徹する!』という、グローバル社会の現代に合った事業モデルで良い所に目を付けたと思います。
、IPO諸条件を見ても売出し規模も少なく大株主に対するロックアップも良好です。
業種としてIPOの人気は低いですが、諸条件が良好ですので、公募割れすることもなく初値が上昇すると予想します。
今回のおすすめ指数は70です。
それでは、ピーバンドットコムの事業内容やIPO諸条件に関して解説を進めていきます。是非、IPO参加の検討に役立てて下さい。
目次
ピーバンドットコムの事業内容
ピーバンドットコムの事業内容は「プリント基板のEコマース事業の運営」と有価証券報告書に記載されています。
ピーバンドットコムはウェブサイト『P板.com』を運営しており、顧客はこのサイトから電子基盤を発注、その後工場から顧客に電子基盤が配送されます。
簡単に言うとこれだけなのですが、驚くべきはそのレベルの高さです。
このビジネスの肝は『P板.com』の利便性の高さです。
顧客がP板.comから電子基盤の発注を行うと、その時点で見積もりと納期予定が表示されます。
通常小ロット製品は大量生産によるコストダウンができないので高価格になりがちですが、ピーバンドットコムでは小ロット製品でも低価格で提供できるように独自の基盤作成工法を採用すると共に、国内外の多くの工場と提携しています。
しかも、電子基盤の作成自体は発注後は2〜3日で完了するというのですから、ちゃんとした物が安くて早い!を実現していることになります。
また、顧客から発注された基盤設計図はピーバンドットコムの自社内でチェックしてから工場に通すチェック体制を整えています。
そして、小ロットで高品質低価格が実現したことで、企業の研究所からの発注・個人の趣味・試作品の試験など、幅広い顧客層から発注され、驚くべきことに新規顧客の約4割が既存顧客からの紹介による物だと有価証券報告書に記載されているので、利用者の顧客満足度は相当高いと推察できます。
そして、現状に満足すらことなくピーバンドットコムでは、国内外での新規の工場の開拓も進めており、さらなる単納期・低価格を追求しています。
また、国内の電子基盤の必要性を高める為の活動や企画展にも積極的に参加して将来の顧客の拡大にも力を入れています。
・Eコマースとは?
ピーバンドットコムの事業内容にEコマース事業と書かれています。
そして、近年多くの企業の有価証券報告書などでもEコマースと出てきます。
でも、Eコマースってなんなんでしょうか?突然活用され始めた新しい何か?なのか?と思っている方もいるかもしれませんが、実はEコマースとはインターネットを通じて顧客とやり取りを行う取引方法のことです。
つまり、皆さんよくご存知の方法の言い方が変わっただけなんです。
例えばパソコンで発注手配するのもEコマースですし、アプリから商品を購入するのもEコマースです。呼び方が変わっただけで、聞き手の受け取り方が変わるのは不思議な物ですね。
ピーバンドットコムの財務情報
売上
2012年3月 1,200,532,000円
2013年3月 1,287,229,000円
2014年3月 1,515,553,000円
2015年3月 1,684,295,000円
2016年3月 1,717,051,000円
2016年12月 1,324,520,000円
経常利益
2012年3月 77,031,000円
2013年3月 61,327,000円
2014年3月 84,560,000円
2015年3月 70,584,000円
2016年3月 67,948,000円
2016年12月 164,656,000円
純利益
2012年3月 60,447,000円
2013年3月 41,656,000円
2014年3月 51,029,000円
2015年3月 48,804,000円
2016年3月 61,563,000円
2016年12月 108,169,000円
業績は堅調に推移しています。
売上規模も順調に拡大していますし、利益も着実に積み重ねています。
財務諸表からは、派手さは無いが硬い企業だと判断できます。
⇒日本取引所グループに公開されているピーバンドットコムの有価証券報告書
ピーバンドットコムのIPOは買いなのか?見送りなのか?
ピーバンドットコムのIPOは買いです。
業績は堅調な上に売出し規模も小規模で大株主へのロックアップも万全です。工業製品の基盤という地味な業種はIPOでは不人気ですが、それを乗り越えて初値は上昇するでしょう。
問題なく参加して良い案件です。
買い要因
- 小型の売出し規模
- ロックアップの掛かりが良い
- 堅調な業績
見送り要因
- 基盤事業はIPOでは不人気
ピーバンドットコムの関連銘柄
有価証券報告書からピーバンドットコムの関連銘柄は、これといって見当たりませんでした。
これはピーバンドットコムの顧客が大量の小口客で構成されているので突出した売上先が存在しないのと、電子基盤の外注の発注先が国内外の工場に複数分散されていて1社に依存していないからだと考えられます。
つまり、ピーバンドットコムは良くも悪くも他の企業から大きな影響を受け辛い企業なのだと言えます。
ピーバンドットコム 初値予想は?
上場後ピーバンドットコムは、需給の関係で株価は上昇、その後大株主のロックアップが外れてからは売りに押される展開になると予想されます。
そのような展開から初値は公開価格から+25%辺りで落ち着くと予想します。仮に想定価格の1550円で公開されたとしたら、初値は1937円辺りになるでしょう。
主幹事情報
ピーバンドットコムのIPO主幹事はSBI証券です。
副幹事は、SMBC日興証券、松井証券、マネックス証券、岩井コスモ証券、藍澤証券、エース証券、極東証券、東洋証券です。
この中でネットからIPOに参加できるのは、SBI証券、SMBC日興証券、松井証券、マネックス証券、岩井コスモ証券です。
幹事団の中でオススメの証券会社は、主幹事で当選本数が多くIPOチャレンジポイントを活用しての当選が期待できるSBI証券と、副幹事の中では口座数が少なく公平な抽選方式を用意している岩井コスモ証券と松井証券です。
参考:IPOの当選確率を上げる方法 ~IPOにおすすめの証券会社SBI証券のメリット~
まとめ
ピーバンドットコムはリターンが期待できる良い案件です。
参加を推奨します。
今回はSBI証券が主幹事でIPO当選本数も多いです。
今回のようなSBI証券が主幹事の時にIPOチャレンジポイントを利用して参加すれば、SBI証券が副幹事の時よりも少ないIPOチャレンジポイントで当選できます。
ピーバンドットコムはIPOとしては見込みリターンが少ないのでIPOチャレンジポイントを使うべきか悩みますが、SBI証券が主幹事の時に使うのがBestな選択でしょう。
IPOおすすめ記事⇒IPOが全く当たらないので当選するためのコツを大和証券さんに聞いてみました。