カチタスのIPO評価分析 ~初値はそれほど上昇せずセカンダリーが狙い目か~

中古不動産を活用して業績をのばしているカチタス(8919)が東証一部もしくは二部に上場します。

想定価格は1640円

BB期間は2017年11月27日から12月1日

仮条件は11月27日

公開価格は12月4日

上場日は12月12日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

今回の上場は「中古不動産を買い取って再生して転売する」という既成概念をぶち壊すビジネスモデルを全国で展開しているカチタスという企業です。

カチタスは、一戸建てを平均単価1300万円代で購入できる!という圧倒的な低価格を武器にシェアを広げています。

この値段ですから地価の高い地域よりも地方都市で攻勢を掛けているようです。業績も好調でビジネスモデルも面白いので、今後ウォッチして行きたい銘柄です。

さて、IPO投資という視点で見ると、今回の案件は大変悩ましい案件です。

カチタスは既に全国展開している程々に大きな企業ですので、売り出し規模も大きく上場先は東証一部もしくは二部です。

業績が好調ですので、私は多分東証一部だろうなと思っています。

売り出し規模は大き目です。

けれども、ロックアップは全ての大株主に期間で掛かっており条件は良く、ビジネスモデル・業績も魅力的です。

この辺りの事を色々と考えた結果、私は規模を超える買いが入り公開価格を初値は超えるだろうと予想しました。

悩ましい案件ですが参加で良いでしょう。

規模が大きくリターンが低くなると考えられるので、今回のおすすめ指数は60です。

無理に参加しなくても良い水準です。

それでは、次項ではカチタスのIPO情報を解説していきます。

是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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カチタスの事業内容

カチタスの事業内容は

「戸建の空き家を中心に買い取り、リフォームにより再生して販売する中古住宅再生事業」

と有価証券報告書に記載されています。

カチタスは中古不動産を主に個人から自社で査定を行い買取、その不動産をリフォームして追加価値を創出して販売しています。

買取査定には自社査定スタフッフとリフォーム工務店、白蟻業者も立ち会い、顧客からの透明性の高い査定と共に採算性を確保した買取を実施しています。

また、カチタスの依頼するリフォーム材料を自社で一括大量購入するスタイルを取っていて、材料の単価を安価に購入できると共にリフォーム業者にとっては材料を用意しなくても良くなるので施工料金も安く抑えることができています。

更に、カチタスは過去4万件を超える施工実績を持ち、その実績を社内標準仕様書として明文化してノウハウや品質向上を徹底しています。

そうして仕入て復活した不動産は、自社サイト・販売店、提携不動産販売店を経由して販売しています。カチタスでは、不動産を安価に仕入れて利益を乗せても安価に販売できる、ビジネスモデルが完成されています。

不動産は何千万もするという常識を撃ち壊す目から鱗のビジネスモデルです。

カチタスの財務情報

売上

2013年3月 単体 34,858,000,000円
2014年3月 単体 39,716,000,000円
2015年3月 単体 38,638,000,000円
2016年3月 単体 39,337,000,000円
連結 39,337,000,000円
2017年3月 単体 45,206,000,000円
連結 61,829,000,000円
2017年9月 連結 33,482,000,000円

経常利益

2013年3月 単体 658,000,000円
2014年3月 単体 1,430,000,000円
2015年3月 単体 1,246,000,000円
2016年3月 単体 3,462,000,000円
連結 3,340,000,000円
2017年3月 単体 5,092,000,000円
連結 4,807,000,000円
2017年9月 連結 3,341,000,000円

純利益

2013年3月 単体 △658,000,000円
2014年3月 単体 944,000,000円
2015年3月 単体 778,000,000円
2016年3月 単体 2,119,000,000円
連結 1,996,000,000円
2017年3月 単体 3,587,000,000円
連結 3,494,000,000円
2017年9月 連結 2,224,000,000円

業績は力強い伸びを見せています。それだけ、このビジネスモデルが世間で求められているという事なのでしょうか?

不動産業ながらも自己比率も高く財務基盤は硬いです。

ここからの業績拡大も期待できるので、今後が楽しみな銘柄です。

⇒日本取引所グループに公開されているカチタスの有価証券報告書

カチタスのIPOは買いなのか?見送りなのか?

悩ましい所ではありますが、カチタスのIPOは買いです。

業績は好調ですし、このビジネスモデルは日本の抱える空き家問題の解決の糸口になる可能性も秘めているので、将来性も期待できます。

ロックアップも満遍なく期間で掛かっているので、売り出し規模は大きいですがリターンを確保できると踏みました。

参加で良いでしょう。

買い要因

  • 業績良好
  • 将来性は期待できる
  • ロックアップの条件良

見送り要因

  • 売り出し規模は大き目

カチタスの関連銘柄

カチタスの関連銘柄は、筆頭株主になっている(株)ニトリホールディングスです。

ニトリホールディングスはカチタスの株式の31%を保有していて、カチタスに大きな影響力を持っています。直接の商取引は無いようですが、ニトリホールディングスが苦しくなれば関節的に何らかの影響を受ける可能性があります。

それ以外では、物件の販売先も購入元も個人顧客が大半を占めていて、施工も全国各地の小売店に分散依頼しているので、カチタスの株価に影響を与えるような関連銘柄は見当たりませでした。

カチタスの初値予想は?

カチタスは、売り出し規模は大き目ですが魅力的な業績・ビジネスモデルを背景に買いが入り、公開価格から+25%辺りまで上昇すると予想します。

仮に公開価格が想定価格の1640円に決まったとしたら、初値は2050円辺りになるでしょう。

セカンダリーが狙えるか?

カチタスの案件はセカンダリーが狙えます。

というか、どちらかと言えばIPO投資としてよりもセカンダリー投資として狙った方が良いくらいです。

カチタスは日本の抱える空き家問題を解決できるビジネスモデルを展開していて、それに業績も好調で将来性は大いに期待できます。

今後日本の空き家問題がクローズアップされてきた時に、カチタスが注目される可能性は高く、その時に売り抜けば大きな利益を獲得できるでしょう。

私はタイミングを見てセカンダリーを狙うつもりです。

主幹事情報

カチタスのIPO主幹事は大和証券です。

その他の幹事は岩井コスモ証券カブドットコム証券岡三オンライン証券SMBC日興証券SBI証券マネックス証券です。

今回のIPOでは、全ての幹事証券会社からネット応募することができます。

その中でも、今回の参加オススメ証券会社は、主幹事で当選本数が多く公平抽選を行っている大和証券と、比較的口座数が少なてライバルが少なく公平抽選システムを採用している岡三オンライン証券とカブドットコム証券です。

参考:IPO完全抽選証券会社を一覧で紹介【資金力関係なく当選できるおすすめ口座】

また、余裕があればIPOに参加する事でIPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券からも参加しておきましょう。

まとめ

近年世間ではメルカリなどのリユース事業が目立ってきた中で、住宅事業にもリユースを進めてきたカチタスは良い所に目をつけたと思います。

価値を+する

でカチタスという社名は、なかなかグッドなネーミングです。

私はSMBC日興証券SBI証券から参加します。もし、外れてもセカンダリー狙いでタイミングを計って100株保有するつもりです。

因みに、カチタスは以前名証セントックスにやすらぎ(8919)という社名で上場していました。

今回は同じ銘柄コードで復活上場です。

当時と今では業績も強固になり、規模も市場も数段大きくなりました。差し詰め、とびきり強くなって返ってき!という所です。

今後に期待しています。