中小企業向けに大規模なITコンサルティングを展開しているライトアップ(6580)が東証マザーズに上場する事が決定しました。
想定価格は2570円
BB期間は6月6日から6月12日
仮条件は6月4日
公開価格は6月13日
上場日は6月22日です。
仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。
今回上場するライトアップは中小企業向けにITや士業を活用して事業問題の解決を計るコンサルティングを行なっています。
最近同社の様な中小企業に対してITによる業務効率化をサポートする企業がIPOでもポツポツ出てきています。
これはITの活用をサポートしてくれる誰かを世の多くの企業が求めているということなのでしょうね。
そう思えば今後も安定して事業を継続できそうです。
では、見方を変えてIPO投資としてライトアップを見ていきます。
そこそこ大きな売り出し規模ですがロックアップは満遍なく掛かっています。
また、業績は好調で業務内容では苦しいですがクラウドと関連があると全力でアピールしているので多少なりともクラウド関連狙いの投資家から人気を集めるでしょう。
総合的に見てロックアップが外れるまでは問題なく株価が上昇してリターンが確保できる案件だと判断しました。
参加をオススメします。
ただ、驚く程のリターンは狙えないことから今回のおすすめ指数は65です。
それではライトアップのIPO情報を解説していきます。
是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。
目次
ライトアップの事業内容
ライトアップの事業内容は「コンサルティング・研修サービスの提供、ITツールなどの商材の卸売り、Webコンテンツ制作」と有価証券報告書に記載されています。
ライトアップでは企業向けにJエンジンと名付けた独自の経営改善サービスを提供しています。
これがライトアップのビジネスの入り口になっています。
このJエンジンでは中小企業の経営のネックとなる「業務のIT化」「人材の採用・研修」「営業支援・販促ツール」「資金手段(士業活用)」の4つの分野での問題解決の手段が提示され必要となるサービスに対してコンサルティングを申し込めます。
このコンサルティングサービスがライトアップの収益の柱です。
コンサルティング単価は約30万円と安くは無いのですがJエンジンの会員登録は既に5500千社を超えており、このサービスに高いニーズがある事が伺えます。
ライトアップでは会員を増やすためにウェブでの集客と各地での講習会を積極的に展開して顧客となる会員の掘り起こしを進めています。
今時講習会?と思ったのですがウェブ集客よりも講習会の方が集客効果は高いようなので講習会も侮れないですね。
また、ライトアップでは共同仕入(開発)ネットワーク、通称JDネットというサービスを行っています。
このサービスではライトアップが提供している経営支援ソフトの販売権利を購入してもらい、更にソフトの販売に伴うマージンもライトアップが受け取ります。
このサービスが活用されればライトアップはITツールの開発に掛かる費用を低減できる上にツールの拡散も行えます。
今のご時世ITツールの開発は継続していかなければならない問題ですからこのような継続して開発費を圧縮できるサービスがあるのは素晴らしい仕組みだと思います。
ライトアップの財務情報
売上
2013年3月 758,181,000円
2014年3月 748,538,000円
2015年3月 939,525,000円
2016年3月 990,225,000円
2017年3月 1,368,722,000円
2017年12月 1,143,512,000円
経常利益
2013年3月 △20,789,000円
2014年3月 △156,009,000円
2015年3月 96,267,000円
2016年3月 106,924,000円
2017年3月 289,938,000円
2017年12月 266,850,000円
純利益
2013年3月 △101,945,000円
2014年3月 △156,230,000円
2015年3月 56,984,000円
2016年3月 82,667,000円
2017年3月 191,657,000円
2017年12月 188,162,000円
年々売上を順調に拡大を継続しながら利益を少しづつ延ばしてきていましたが、昨年度から何が起こったのか?爆発的に利益を延ばしてきました。
この利用の延びが継続するのなら早い段階での市場変更も可能です。
自己資本比率は5割を超えており財務の面で不安な点は見当たりません。
⇒日本取引所グループに公開されているライトアップの有価証券報告書
ライトアップのIPOは買いなのか?見送りなのか?
ライトアップのIPOは買いです。
売り出し規模は大きめの20億円ですが、事業内容でクラウド関連と全力でアピールされているのでクラウド狙いの投資家からの買いを期待できますしロックアップの条件も悪くありません。好調な業績も相まって幅広い層から支持を集めるでしょう。
公開価格を割る安価ではないので迷わず参加して良い案件です。
但し、大株主にズラッとベンチャーキャピタルが揃っているのでロックアップが外れてからの上値は限定されそうです。その為IPOならではの爆発的な利益は狙えません。
買い要因
- 売り出し規模 中
- ロックアップ条件 良
- 業績好調
- クラウド関連銘柄
見送り要因
- 爆発的な利益は望めない
ライトアップの関連銘柄
ライトアップの関連銘柄は元親会社のネット広告大手のオプトホールディングス(2389)です。
今回のIPOに伴い売り出しオプトホールディングスはライトアップの株式の過半数を売りに出しますが大株主第2位として依然として強い影響を保有しています。
同社の動向がライトアップの株価にも影響を与えることは間違いないでしょう。
ライトアップの初値予想は?
ライトアップのIPOでは好調な業績・人気のクラウド関連事業に惹かれて多くの買いが期待できるので需給関係が変わる大株主のロックアップが外れる公開価格+50%までは問題なく上昇し、その辺りで初値が決まると予想します。
仮に公開価格が想定価格の2570円に決まったとしたら、初値は3855円辺りになるでしょう。
セカンダリーが狙えるか?
ライトアップならセカンダリーも狙えます。
今後日本では就業人口の減少に伴い中小企業のITの導入が加速していくことが予想されています。
これから更にライトアップにとって有利な市場環境に変わっていくことから、今後更なる業績拡大が見込めます。
また、同社の開発を他社と共同で行うという開発費を分散化する戦略も顧客ニーズを汲み取りながら有用な物が安価に開発できると考えられます。
市場環境・開発の仕組みから将来的な業績の拡大が期待できるのでセカンダリー狙いとして今の内に買って保有しても良いと思います。
主幹事情報
ライトアップのIPO主幹事はSBI証券です。
副幹事はSMBC日興証券、マネックス証券、岩井コスモ証券、松井証券、エース証券、東洋証券、藍澤証券、水戸証券です。
今回のIPOでネットから参加できるのはSBI証券、SMBC日興証券、マネックス証券、岩井コスモ証券、松井証券の5社です。
今回の幹事団の中で参加をオススメする証券会社は取り扱い本数が多くIPOチャレンジポイントでの当選が期待できるSBI証券、副幹事からは口座数が少ないのでライバルが比較的少なくなる岩井コスモ証券と松井証券です。


まとめ
今回上場するライトアップは中小企業に向けてITの導入を凄い勢いで進めているようです。
既にITを導入している企業と導入していない企業では業務負担に大きな差がついていきているのですが、今後更にITツールが優れてくれば差はもっともっと広がっていき、もはや過去のやり方に拘っている企業は存続できなくなっていくのではないかと感じています。
資本主義社会の自然な淘汰の流れだとは思いますが変化の早さに恐ろしさも感じます。
さて、私は今回のライトアップの案件ではSBI証券、SMBC日興証券、マネックス証券、松井証券の4社から応募して当選を狙っていきます。
ライトアップは連日のIPOの中では比較的人気が薄くなると予想されるので、ここで思い切ってIPOチャレンジポイントを使って手堅く当選を狙うこともできそうですが、出来ることなら目の覚めるようなリターンが爆発する案件で使いたいという思いもあります。
いざ、ある程度IPOチャレンジポイントが貯まると使い所に困りますね(笑)