老舗企業船場が上場!IPO株は魅力なく見送りか

アジアを股にかけて空間プロデュースを行う老舗企業の船場(6540)が東証2部に上場します。

想定価格は1290円

BB期間は2016年12月1日から12月7日

仮条件は11月30日に1200円〜1290円に決定

公開価格は12月8日

上場日は12月19日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

今回上場するのは、長年の実績を持つ空間プロデュース企業船場です。

完全に成熟企業です。これから先の大きな成長は見込み辛いので、じっくり長期保有してゆっくり利益を得る銘柄でしょう。

そのため、IPOとして見ると魅力は乏しいです。

注目度の低い東証2部市場への上場であると同時に売出し規模も大き目です。ハッキリ言うと、初値で売り抜けて利益を出すことはできないと予想します。

そのため、今回のおすすめ指数は20です。

それでは、船場の情報をまとめて紹介していきます是非、IPOの参加の是非に役立てて下さい。

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船場の事業内容

船場の事業内容は「商業施設の企画、設計、監理、施工」と有価証券報告書に記載されています。

船場は商業施設に関わる企画立案から設計、施行、完成後の管理に至るまで、商業施設の全てを請け負っています。これどけのことができるのは、50年以上経営を続けてきたノウハウが蓄積されているからでしょう。

近年では、日本のみならずアジア圏に子会社となる現地法人を立ち上げて国内外で事業を展開しています。船場の強みは船場会と呼ばれる全国1000社以上の協力会社の存在です。

船場会とは船場の施行を請け負う施行会社達です。船場の目的とする商業施設を高いレベルで実現でき全国に存在することから船場は日本全国のどこでもレベルの高い施行が行える体制を構築しています。

そして、船場の施行は大型商業施設ばかりではなく専門店のプロデュースも多く手掛けています。大規模な開発から小規模の開発まで、幅広く事業を展開しています。

船場の売上の大きな部分をイオンが占めていますが、その他の企業からの売上の規模も大きいので1社に依存するようなこともなくリスクマネジメントは進んでいるように見えます。

イオンの失速は空間プロデュース企業へどう影響するか?

今や日本の各地みならずアジアを始めとして諸外国にも進出しているイオンですが、その業績は芳しくありません。

前回の決算で大幅な赤字であることが判明し大きく株価を落としました。内訳を見ると、金融で大きく稼ぎながらも他の部門や新規出店に伴う出金によって赤字に転落しているようです。

イオンの今後の展開はイオン経営陣しか分かりませんが、今回上場する船場のよつな空間プロデュース企業と呼ばれる店舗改装企業はイオンの出店に伴う恩恵を大きく受けて業績を拡大させてきました。

今後のイオンの経営方針の展開によるって出店ペースが失速した時には、その影響を大きく受けるのは、船場のような空間プロデュース企業でしょう。つまり、良くも悪くも多くの空間プロデュース企業の業績は、巨大営業圏を敷くイオンの意向に左右されるでしょう。

船場の財務情報

売上
2011年12月 20,169,021,000円
2012年12月 19,586,753,000円
2013年12月 20,099,877,000円
2014年12月 単体 20,991,989,000円
連結 24,595,851,000円
2015年12月 単体 26,817,271,000円
連結 30,732,301,000円
2016年9月 連結 20,192,689,000円

経常利益
2011年12月 915,267,000円
2012年12月 891,504,000円
2013年12月 863,967,000円
2014年12月 単体 666,392,000円
連結 1,057,469,000円
2015年12月 単体 1,649,373,000円
連結 2,062,058,000円
2016年9月 連結 1,275,279,000円

純利益
2011年12月 844,750,000円
2012年12月 786,497,000円
2013年12月 ▲2,318,386,000円
2014年12月 単体 291,092,000円
連結 543,178,000円
2015年12月 単体 1,370,705,000円
連結 1,572,858,000円
2016年9月 連結 734,024,000円

売上は順調に拡大しています。この規模の売上で拡大を続けるのは素直に凄いと思います。

事業基盤が構築されていると推察できます。利益は2013年は企業買収を行い大きく特損が出て一時的に大きく損失を出しています。現段階の自己資本比率が36%なのは、その時の損失が今も残っているからでしょう。

そして、買収後に事業を再編成して次年度から連結決算に移行したようです。その甲斐あってか昨年からは利益も拡大しております。

財務諸表からは特損による影響は残りますが、そこから着実に脱却して利益体質が向上していることが伺えます。この規模で売上も拡大を続けているので、腰を据えて持つタイプの企業だと思います。

私が思うに、IPO投資向けではなく長期保有に向いている銘柄ですね。

日本取引所グループに公開されている船場の有価証券報告書

船場のIPOは買いなのか?見送りなのか?

船場のIPOは見送りです。

上場後早期に売り抜けるIPO投資として見ると、注目度の低い東証2部市場で売出し規模約31億円は大き過ぎます。加えて注目度の高い自動運転銘柄ZMPと同日上場です。目立った特徴が無い船場は大きく影響を受けて初値は抑えられるでしょう。

IPO投資てして参加するなら見送り、長期保有するのなら上場後のセカンダリーでの参加をオススメします。

買い要因

  • 堅牢な業績

見送り要因

  • ZMPと同日上場
  • 東証2部
  • 上場規模大き目

船場の関連銘柄

船場の関連銘柄は、主な顧客となるイオン(8267)です。船場は、かなりの売上をイオンから頂いているので、イオンの業績の上下による空間プロデュース事業の予算変更が、船場の業績にも影響を与えます。

船場 初値予想は?

船場の初値は公開価格から-10%辺りで落ち着くと予想します。

仮に想定価格の1290円で公開されたとしたら、初値は1161円辺りになるでしょう。

主幹事情報

船場のIPO主幹事は野村証券です。

副幹事は、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、松井証券、いちよし証券、安藤証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、みずほ証券安藤証券松井証券です。三菱UFJモルガンスタンレー証券が幹事の中に入っているので、後から三菱UFJグループのカブドットコム証券からも応募できる可能性があります。

まとめ

船場は一言で言えば、堅牢な老舗企業です。

今後の爆発的な業績の拡大は望めませんが、安定した利益を上げ続けると予想します。長期保有には悪く無い銘柄だと思います。

しかし、IPO投資という観点から見ると魅力は乏しくなります。上場日がZMPと同日ですし、売出し規模などの条件も良くはありません。

そのため、初値は公開価格を下回ると予想できます。私は今回の船場のIPOは見送ります。

IPOとして参加しても利益を上げることが難しいと思ったからです。IPO投資家の方には、同日に上場するZMPに資金を集中させて参加することをオススメします。

参考:ZMPのIPO株は狙い目!投資家から評価が高く初値は高騰すると予想

上場後株価分析を書きました。
船場の上場後株価分析 ~IPOは見送りで正解でした~