今回のCS放送の番組紹介は、時代劇専門チャンネルから「素浪人月影兵庫」を取り上げてみたいと思います。
この番組、「アッ!聞いた事ある!」とお思いの方も多いのではないでしょうか?
もう放送終了からゆうに50年近い年月が経っている作品なのですが、平成になってもいまだに根強いファンを確保しているのですから、いやはや驚くばかりです。
それでは今も尚、多くのファンを虜にする「素浪人月影兵庫」。
早速紹介して参りましょう。
(時代劇専門チャンネルからの抜粋です)
「素浪人月影兵庫」の簡単な概略
「素浪人 月影兵庫」は本格的な娯楽思考の時代劇です。初放送は今を遡る53年前、1965年10月の事です。
まず最初の第1シーズンとして翌年の1966年4月まで26話を放送しています。
そして、第2シーズンとして半年おいて1967年の1月から1968年の12月まで、全104話の放送となりました。
放送局は「テレビ朝日」。毎週土曜日の夜8時からやっていました。
主演は時代劇スターとしてお馴染みの「近衛十四朗」。そして共演が「品川隆二」というなかなかの豪華版です。
以上が「素浪人 月影兵庫」の簡単な概略となります。
「素浪人月影兵庫」の魅力について
「素浪人月影兵庫」の魅力を一言で語る事は出来ません。とにかく「面白い」事に間違いはないのですが、魅力が多過ぎてなかなか簡単に言い尽せません。
なので取りあえず、思い当たる部分を当時の子供心の記憶と交差させながら書いていきたいと思います。
近衛十四朗の簡単な概略
主役の「月影兵庫」を演じたのは、昭和世代の方ならばほぼご存じのはず、あの剣豪スターとして名をはせた「近衛十四朗」さんです。
近衛十四朗は既に1977年、63歳でこの世を去られています。
今の時代でみたら63歳で他界というのは早過ぎる死だと惜しまれます。
近衛十四朗がもう一つ存在感を発揮するのは俳優「松方弘樹」や「目黒祐樹」の父親である、という事もあるでしょう。
まあ、そのあたりは置いといて、近衛十四朗が月影兵庫役で如何なくその魅力を発揮した逸話をいくつか紹介致しましょう。
近衛十四朗は当時、既に映画界において剣豪においては右に出るものがないくらいの人気を博していました。
それが映画業界の斜陽によってテレビドラマに進出されたのですが、本物の役者さんにとって部隊が映画になろうがテレビであろうが関係ないようですね。
石原裕次郎にしろ、勝新太郎にしろ、ほんもののエンターテインメントというのはいかにして「魅せるか」という部分をきちんとわきまえている、という事でしょう。
あの剣豪大スターにそこまでやらせるか!
「素浪人 月影兵庫」の魅力は「そこまでやらせるか!」ということです。
あの人気者で大スターだった近衛十四朗。「素浪人 月影兵庫」の役柄は硬軟取り混ぜた見るものを飽きさせない演技力が如何なく発揮されました。
普段はりりしく颯爽としたところがいかにも「カッコいい」と思わせるのですが、口を開くと結構、気取らず、妙に人間くさい部分を醸し出しています。
その真骨頂と言えるのが「焼津の半次」役で共演された「品川隆二」との漫才を思わせるような滑稽な掛け合いです。
月影兵庫は何でも時の老中、松平伊豆守の甥という設定だったのですが、そんな重苦しい雰囲気を微塵も感じさせない垢ぬけた話の分かる「ヒーロー」としてのカッコいい部分と半次や飲み屋の親父と掛け合う時の子供のようなだらしなさとが妙にタイアップされていて、その部分が見ている私たちを毎回、テレビに釘付けにしてくれていた大きな要因だったのです。
とにかく月影兵庫の口の軽妙さは慌て者の半次を遥かに凌駕していました。
それが気に食わない半次はいつも「旦那」(役中の月影兵庫の事をこう呼んでいた)と言い争いをするのですが結局最後は「このバカたれめが!」と言われてしまって降参となります。
そして第2シリーズとなり方からは月影兵庫の設定もどんどんコミカルさを増していきました。
これは次に放送された「素浪人 花山大吉」を彷彿させるくらいの勢いを持っていました。
そして月影兵庫が猫に弱い、という設定もこの時から始まっています。ちなみに半次がクモに弱いというのもこの時からです。
それらのシーン子供心に毎回、楽しみしながら見ていたのを覚えています。
当時はテレビを見て思いっきり笑える定番のシーンって、そんなになかったように思えます。
だからこそ、月影兵庫を毎週、欠かさず見ていたのでしょう。
まとめ 「月影兵庫」から「花山大吉」へ
今回はCS放送で現在放映中の「素浪人 月影兵庫」について、その魅力を語って参りました。
ではもう一度簡単に振り返りますと
- 「素浪人 月影兵庫」とは?…1965年に初めて放送された近衛十四朗主役の時代劇です。
- 「素浪人 月影兵庫」の魅力について…剣豪スター「近衛十四朗」の魅力と作品におけるカッコよさとコメディさとの何ともいえない組み合わせの絶妙さです。
という事でした。
まあ、「素浪人 月影兵庫」の設定はこのあと放送される「素浪人 花山大吉」においてほぼ完成します。
近衛十四朗はますます「そこまでやるか!」というくらい下品な演技も見せてくれます。
それでも役者としての一本筋の通ったところは逆にぶれることなく発揮されています。さすがに昭和の映画スターは桁が違う、というところを思う存分、味わせてくれる次第なのです。
この「素浪人 月影兵庫」。劇中に大量の放送禁止用語や差別的発言が出てきます。よって現代においてはもはや地上波で放送することはほぼあり得ないでしょう。お金を払って視聴するCS放送だからこそ楽しめる一品といえるでしょう。
放送は第1シリーズで一旦、終了するようで。是非とも近いうちに第シリーズもやってほしいですね。
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