自分が生きている間に自分のお墓や仏壇を買っておくだけで、単純に相続税が節税できます。
「生きている間にお墓を買うなんて縁起が悪い」と言う人がいるそうですが、縁起どうこうの話ではありません。
相続税を負担するのは、残された家族です。
生前にお墓や仏壇を購入することは「家族に喜ばれる相続税対策」として今では定番となっております。
このページでは、生前にお墓や仏壇を購入することで節税ができる仕組みと、その注意点について紹介していきます。
相続税の仕組み~ほとんど全ての財産に課税される~
相続税は、亡くなった人から引き継いだほとんど全ての財産について課税され、財産を引き継いだ人が払う税金です。
現金や預金、不動産だけではなく家庭用の家具や絵画・宝石なども含まれるため、亡くなる前に贅沢して高額な物を買ったとしても、その買った財産に相続税がかかってしまうため全く節税にはなりません。
しかし、例外的に相続税がかからない財産(非課税財産)が存在するのです。
お墓と仏壇には相続税がかからない
相続税法上、お墓(墓地、墓石)と仏壇は例外的に相続税がかからない財産とされています。
現金で持っていたら相続税がかかりますが、墓地や墓石、仏壇を持っていても相続税がかからないのです。
親が亡くなった後に子どもがお墓や仏壇を買っても税法上なんら優遇はありませんので、結果として生前にお墓や仏壇を購入することは、
お墓・仏壇の購入費用 × 相続税率(10%~55%)
だけ節税となります。
通常お墓の購入に数百万円はかかりますので、生前に購入するというだけでかなりの節税になりますね。
近年「終活」という言葉が流行っておりますが、自分の気に入ったお墓を購入し残された家族に余計な負担をかけないという点からも、お墓や仏壇は生前に買っておくことがおススメです。
また、お墓や仏壇を生前に購入するデメリットが存在しないというのも面白い点です。どっちにしろお墓や仏壇を買うのでしたら、是非生きているうちに買いましょう。
お墓や仏壇を生前に購入する際の注意点
お墓や仏壇を生前に購入しておくことは、残された家族に負担をかけることなく、さらに節税もできる効果的な相続税対策であることを説明しました。
実際にこれから購入されるという方は、是非以下の注意点だけを認識していてください。
ローンで買っても節税にならない
お墓や仏壇を生前に購入する場合は、一括で購入するのがベストです。
なぜなら、相続が発生時(死亡時)に未払いが残っていると、その債務を相続人に引き継がせることになり、しかもその債務は相続財産から控除できないことになっているため、結果的になんら節税にはならないからです。
お墓は子どもと相談して購入すること
実際にお墓を管理していくのは子どもです。お墓が遠方にあれば管理するのも大変でしょうし、お布施が高額なお寺もあります。
「家族が喜ぶ相続税対策」とするためには、家族としっかり相談をしたうえで、自分が気に入るお墓を購入すべきといえます。
あまりにも高すぎるお墓や仏壇~純金の仏像等~
お墓と仏壇は、基本的に金額が高額であっても相続税がかかりません。(非課税財産)
ただし純金の仏像を購入しているなど、明らかに相続税逃れと思われる高額なものや、投資として購入していると判断されれば、非課税と認められない場合もあります。金額がいくら以上という基準はないので、社会通念に基づいて判断されることとなります。(純金の仏像が絶対にダメということではありません。)
最後に~気に入るお墓を安心して購入しよう~
これまで相続税の「節税」のためにお墓や仏壇を生前に購入することを紹介してきましたが、せっかく生前に購入するのなら、自分が本当に気に入るものを選びましょう。
「終活」という言葉が流行っており、最近はデザインや石材にこだわって自分の気に入るお墓づくりをされる方が増えてきています。
また、墓石店によってはお墓が気に入らければ返金保証をしてくれる場合もあります。
お墓については誰しもが初心者ですから、伝統ある墓石店に相談し安心して終活をされることがおススメです。
まとめ~お墓や仏壇を生前に購入する相続税対策~
以上、お墓や仏壇を生前に購入することによる相続税対策を紹介しました。単純にリスクなく節税できますので、ぜひご検討ください。
改めてポイントをまとめると、、
- ほとんどの財産に相続税がかかるが「お墓と仏壇」にはかからない
- お墓や仏壇は生前に買うことで相続税の節税になる
- 死後に買っても全く節税にはならない
- 節税額 = お墓・仏壇の購入費用 × 相続税率(10%~55%)
- お墓や仏壇の購入はローンではなく一括で購入するべし
- お墓の購入は子どもと相談するべし
- 相続税逃れや投資を目的として高すぎるものを買うのはNG
- 生前に購入するなら本当に気に入るものを購入しよう
このサイトでは「相続税対策は出来るだけ早くから実施するべき」ということを1つのテーマにしております。
「まだまだ元気だし、家族で縁起でもないこと話すのはよそう。」と言って、なんら相続税対策を実施していないケースが非常に多いです。
元気なうちから家族で相続について話し合い、自分の家族に適した効果的な相続税対策を実施していただけれたらと思います。
以上、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。