夜勤専従勤務体験談

夜勤専従看護師のはどんな仕事をするの?給与や勤務形態、メリットデメリットについて

はじめまして。看護師歴15年の田中と申します。

 

経験科目は内科、外科、泌尿器科、皮膚科、健診センターです。

 

いまは看護師の仕事をしながら、医療ライターとして皆さんに看護師の情報を提供するため、執筆活動をしています。

 

そして私は看護学生の頃に夜勤専従看護師をしていました。

 

今回はその『夜勤専従看護師』のことを書かせていただきます。

 

夜勤専従看護師とは、夜勤のみを専門として働く看護師のことをいいます。

 

今は介護、子育て、病気などざまざまな理由で、夜勤ができる看護師が減少傾向にあります。

 

ですので、夜勤専従看護師は医療業界にとって必要な働き方なのです。

 

夜勤専従看護師になったきっかけ

私が夜勤専従看護師として働いていたのは、看護学生の頃でした。

 

私が通っていた正看護師の専門学校は、昼間に勉強するのではなくて、夕方から勉強する看護専門学校でした。

 

学生はみんな准看護師の資格をすでに取得していたので、空いてる時間の昼間や夜中は、病院やクリニックで勤務して働いていました。

 

ほとんどの学生は昼間の勤務でしたが、私は昼間はゆっくりと休すみ、夕方学校で勉強してその後にクリニックへ行き、夜勤専従看護師として働いていました。

 

私がクリニックの夜勤専従看護師になれたのは、もともとこのクリニックで昼間働いていたからです。

 

ほんとうは昼間の勤務だったのですが、夜勤ができる看護師が不足していました。(育休中や産休のスタッフがいたので)

 

そのため、看護師長さんから「夜勤専従になってくれないかしら?」とお願いされて夜勤専従看護師となりました。

 

私の勤務していたクリニックは、2交代制でしたが、私は学校が終了するのが21時だったので、それまではペアの先輩看護師が1人で業務をこなしてくれていました。

 

給与はかなり良くなりました。夜勤1回につき15000円で、12回くらいはやっていてその他にも各種手当(交通費や資格手当、残業手当など)がついて、月の給与は19万くらいでした。

 

「え、少なくない?」と思われるかもしれませんが、看護学生の給与は平均で15万くらいだったので、私としては夜勤専従看護師をやっててよかったです。

 

かなり稼げました。今夜勤12回なんて到底できません……。やれたのは若くて気力があって、体力があったからですね。

 

今現在では看護師の夜勤の負担を減らそうとしている職場が多いので、1人で12回も夜勤をやる職場はないと思います。

 

多くても10回ぐらいでしょうか。その職場によるので何とも言えないですが。

 

今でも夜勤専従看護師の看護学生はいるみたいですよ。

 

夜勤専従看護師になるためにはどうすればいいの?

私が夜勤専従看護師となったのは、働いていた勤務先で夜勤ができるスタッフが少ないことから、看護師長さんからスカウトされてのことでした。

 

通常はハローワークや看護師転職サイト会社、求人誌でも求人を募集しています。

 

実際に看護師の同期が副業で、他の勤務先で夜勤専従看護師として働いています。(月に4回くらいと言っていました。)

 

本業の勤務先で、副業が禁止されていなければ、ほかの職場で夜勤専従看護師として働けるみたいなので、もし夜勤専従看護師求人に興味があればと問い合わせしてみてくださいね。回数も交渉次第で調節してくれますよ。

 

くれぐれも内緒で副業をしようとしないでくださいね。

 

夜勤専従看護師の給与は?昇進は?

看護師の夜勤専従のメリットはやはり給与が高いことですよね。給与についてはその勤先によって違いはありますが、月給制ではなくて1回につきいくら出るかという形が多いようです。いまは2交代で平均で30000円前後と高額です。(看護学生であれば、もう少し安くなるかもしれません。)

 

もし、夜勤を月に10回したとしたら、他の各種手当を足しても月に300,000円以上にはなりますね。これはかなり魅力的です。

 

昇進についてですが、これはあまり期待できないようです。

 

なぜならば、夜勤専従看護師の求人はほとんどがアルバイトや非常勤での雇用形態になってしまうからです。

 

昇進を第一に考えているのであれば、正社員として勤務したほうが良いと思います。

 

正社員でなければ福利厚生も手厚くありません。

 

正社員がもらっているボーナスが無くて、産休、育児休暇が十分な期間がとれないこともあります。

 

しかし、交渉次第では夜勤専従看護師でも、正社員になれるかもしれないので、職場に交渉してみてもいいかもしれませんね。

 

夜勤ができる人材は貴重なので勤務先も手放したくはないはずです。

 

夜勤専従看護師の業務について

夜勤専従看護師の業務を紹介します。(2交代の場合)

 

16:00〜日勤帯から申し送りを受ける、カルテチェックする。
16:30〜内服薬や点滴薬の準備や確認をする。
17:30〜配膳をする。
18:00〜食事介助や経管栄養の注入をする。
18:30〜食後の投薬、点滴の交換、体位変換、おむつ交換、吸引、医療機器の管理などをする。
20:30〜夜間の看護記録をつける。
21:00〜消灯後は定期的に巡回をする。
0:00〜時間で体位変換、吸引、おむつ交換をする。
(何もなければ交代で休憩、仮眠をする。)
6:00〜朝の検温をしながら、必要な検査(採血など)をする。
6:30〜朝の看護記録をつける。
7:30〜朝の配膳、食事介助、経管栄養、投薬を行う。
8:30〜日勤帯へ申し送りをする。
(勤務後、業務が残っていれば残業します。)

 

この他、ルーティン業務以外にも必要時に処置や点滴、ナースコールの対応や急変時の対応などをします。

 

夜間に徘徊する患者さん、不穏状態になる患者さん、何回もナースコールで看護師を呼ぶ患者さん……。

 

昼間とは違い様々な患者さんがいます。急に入院がはいることもあります。その時には入院の準備をして、患者さんや家族への説明や対応もしなければなりません。

 

夜勤は施設によりますが、スタッフが看護師2人(+助手さん1名の場合もあります。)がほとんどです。落ち着いている慢性期では看護師1人の職場もあります。

 

ですので、ある程度一通りの看護業務ができる看護師でなければ、夜勤専従看護師は務まりません。何もできなくて患者さんの病状が悪化してしまった…では大変ですよね。おそらく施設によっては求人に、臨床経験何年以上という条件が書かれているはずです。

 

体力もかなり必要です。1人で体位変換やおむつ交換もするので、かなりの体力がいります。

 

<向いていない人>
・身体が弱くて体力や気力がない人。
・臨床経験が浅くて看護業務に自信がない人。
・責任感がない人。
・自分でアセスメントができない人。
・急変時にすぐに対応ができない人。

 

ちなみに私が夜勤専従看護師として働いていた時には、かならず先輩看護師がペアで夜勤をしてくれていました。

 

やはり、資格があって看護業務の経験があったとしても、看護学生ですからね。

 

その点はきちんと配慮してもらっていました。何かあった時には、先輩看護師を必ず呼ぶように指導されていました。

 

夜勤は2交代と3交代がありそれぞれ時間が違います。

 

2交代であれば、16:00〜9:00までの勤務です。カルテチェックがあるので、15:00には出勤します。

 

3交代は、準夜が16:00〜0:00、深夜は0:00〜9:00くらいまでです。必ずカルテチェックをするので、職場には遅くても30分前には入らなくてはいけませんね。

 

もちろん早く来たからと言って、その時間分の時給が出るわけではありません。みんな仕事を効率良くこなすために早目に出社します。

 

夜勤専従看護師は、病院やクリニックだけではなく、介護施設でも役割があります。そのときには看護師は1人で判断し適切な処置をしなければなりません。看護師としての経験やスキルが求められます。

 

夜勤専従看護師はどんな人が働いているの?メリットは?

私のように看護学生が空いている時間を利用して、夜勤専従看護師として働いていることもありますが、ほかの理由で夜勤専従看護師をしている人もいます。メリットを交えて紹介していきましょう。

 

子育て中のママナース

意外かもしれませんが、お子さんがいるママナースが夜勤専従で働いていることがあります。話を聞いてみると、日中お子さんが保育園や幼稚園、小学校に行っている間にゆっくり休んで、夜間は旦那さんや親御さんにお子さんをお願いして勤務先に向かうそうです。家事もできるし、学校の行事に必ず出席することができるので、仕事を休む必要がありません。出産直後や赤ちゃんがいれば難しいですが、お子さんがある程度大きくなればいいかもしれませんね。その代わり周りの家族の協力が必要になります。

 

プライベートを優先している看護師

夜勤専従看護師であれば、働き次第で平日に連休をとることが可能です。旅行に行きたい方やライブに行きたい人、ゆっくり習い事、ジム通い、買い物やランチをしたい人など……日勤勤務の看護師であればなかなか平日に有休をとるには難しいですが、夜勤専従看護師であれば夜勤明けや有休をうまく利用してプライベートを楽しむことができます。
お給料もそこそこもらえるのでいいですね。

 

私が働いていたクリニックには、定年後の看護師さんが夜勤専従として何か月か働いていました。60歳は超えていましたが経験豊富で、体力もあり頼もしかったです。年齢は関係がないですね。本人の精神力や気力があるかないかだと思います。

 

これは私が実際に働いてて感じたメリットですが、夜勤専従看護師で働いてる期間は人間関係がほんとに楽でした。働いていたクリニックでは看護師長や主任は夜勤をしていなかったので、会うことも少なくて緊張することもないし、怒られることもなかったですし……。

 

職場の社員旅行や飲み会にも率先して夜勤をしていたので、お金を使うこともなく、気を使うこともなくとても良かったです。人間関係のいざこざに巻き込まれることもありませんでした。

 

私が夜勤専従看護師として働いていた時の体験談

私が夜勤専従看護師として働いている時の話ですが、一番困ったことは、先輩看護師が休憩に入った途端に、急変の患者さんが出ることです。

 

クリニックの決まりとしては、急変時には必ずもう一人も呼ぶことと決まっていましたが、もし先輩が仮眠中だったら……と考えると、申し訳ないなと思っていました。(でも患者さんのことを第一に考えて呼びました)あとは、ナースコールが一気に何件もなった時には、かなり焦りましたね。

 

もちろん本当に具合が悪くてナースコールを鳴らす患者さんもいますが、たださみしくて構ってほしくて鳴らす患者さんもいるので……。この見極めがかなり重要になってきます。一瞬で優先順位を付けて動かなければならないので、とっさの判断力が求められます。

 

さみしくて構ってほしい患者さんには、業務が何もない落ち着いた時に、話し相手になることもあります。

 

夜間急に不安になって眠れないという患者さんの気持ちを楽にしてあげることも、看護師の重要な役割だと思っています。話しても眠れないというときには、医師の指示で眠剤を処方してもらうこともあります。

 

連休で何日か休んでからの、夜勤だと「えっ、この患者さん誰?」と全く知らない患者さんが一気にたくさん入院していることがあります。

 

カルテから情報取集をするのがとても大変だったということがありました。ペアの先輩看護師さんが患者さんの事を知っているので気持ち的には少し楽ですけどね。最低でも病名やこれまでの経過を理解していないと急変時対応できないです。

 

夜間は昼間とは状況が違って、患者さんが不穏状態になりやすいです。特にご高齢に患者さんが入院した時には要注意ですね。環境の変化にとても弱いので。

 

徘徊や転倒には注意するのはもちろんのこと、点滴やバルーンの自己抜去が多かったです。巡回時に病室に行ってみてみると、自己抜去により腕もベットも血だらけだった……。ということがありました。あれは本当に焦ります。

 

これから、夜勤専従看護師を検討している人へアドバイス

 

いかがだったでしょうか。

 

夜勤専従看護師はメリットとデメリットがあります。

 

給与が良く、プライベートを優先できるといった所はいいかもしれませんが、責任も大きく、なにより看護師としての臨床経験やスキル、急変時の対応、体力、アセスメント能力が求められます。

 

求められる能力や、責任をしっかりと考えたうえで夜勤専従看護師を検討してみてくださいね。

 

⇒夜勤専従看護師への転職 〜業務内容は?給料は高い?正社員も可能?〜

このエントリーをはてなブックマークに追加  

 
TOP 給料 転職 業務解説 健康管理