夜勤看護師が病気にならないための健康維持、管理方法について
前回の記事で夜勤専従看護師の健康への悪影響について書きました。
夜勤専従看護師になると、サーカディアンリズム(概日リズム)に抗って勤務するため、体内時計が乱れ体調不良を生じやすくなります。
そのため、自身の健康管理も夜勤専従看護師としての大事な仕事の一つと言えるでしょう。夜勤業務は特に少ない人数でシフトが組まれていることが多く、施設によっては当日勤務が自分一人という場合もあると思います。
体調不良で休んでしまうと、他の勤務者や施設や患者さんに多大な迷惑がかかってしまうため、日々健康管理に気を付けて不測の事態を避けたいものです。どのように体調管理していけばよいかということについてお話ししたいと思います。
便秘の対応方法
食物繊維の多い食生活に変更したり、乳酸菌を含む食品を多く取り入れたりと食習慣を改善します。また朝に白湯を飲んだり、便秘改善効果の高いお茶を飲んだりすると効果的です。便秘がひどい場合は受診して必要に応じて緩下剤を処方してもらい頓服で内服したりします。夜勤後にゆっくりお風呂につかって、全身の血行を促進することも効果的です。
肌トラブルへの対応方法
起床時と入浴後の保湿はもちろんですが、夜勤中も隙間を見て継続的に保湿をすることが効果的です。夕方からの勤務のため、あえて夜勤の日はノーメイクだったりナチュラルメイクで働いている看護師もいます。
また出勤時はメイクしてきて仮眠時に一旦メイクオフして、また朝方メイクをし直すという人もいます。男性看護師もきちんと洗顔と保湿をして、皮脂のケアを行うとよいでしょう。食生活を改善して、なるべくバランスよく摂取しビタミン不足にならないように気を付けることも必要です。夜勤後はしっかり睡眠を取ったり、お風呂にゆっくり入ったり、お金をかけてエステに行くもの夜勤専従ならではの対策だと思います。
頭痛への対応方法
夜勤では不規則な生活のため、体にストレスがかかります。そのストレスなどのため自律神経が乱れます。自律神経は血管の収縮と拡張をコントロールしているため、乱れると脳血管が神経を圧迫して片頭痛を招くといわれています。
片頭痛は睡眠不足だけでなく、寝だめなどによる長時間の睡眠でも起こります。そのため夜勤後は時間を決めて良質な睡眠習慣を身に着けることが大切です。また長時間寝続けたりせず、適度に太陽を浴びるのもメラトニンを生成させるために大切なことです。
不眠への対応方法
カフェインを上手に併用したり、遮光カーテンを使って暗くして熟睡できる環境を整えることも大切です。人によっては夜勤中に仮眠して夜勤明けにはそのままジムに行って適度な運動をして、夜ぐっすり眠るという睡眠習慣を確立させている人もいました。あまりに不眠が続くようであると、受診して専門医に相談してみることも一つの手です。
目の疲れへの対応方法
電子カルテやブルーライトの影響で目が疲れた時は、入眠前にアイマスクで温めるなどして目の血行を良くしてあげることが効果的です。眠るときもできるだけ、夜間に近いように明かりを消して寝るといいでしょう。
健康診断は年2回!
労働安全衛生法では夜勤を1か月あたり4回以上行う職員に対して、特定業務従事者の健康診断として6か月以内毎に1回の健康診断の実施が法律上義務付けられています。
健康診断を受けることで、自身の健康状態を客観的に診断することができますし、異常の早期発見にもつながります。勤務先で健康診断をきちんと年2回行われているか確認することも自身の健康を守るために必要なことです。
もし行われていなければ、法違反の可能性もあるので(違法と知らずに勤務先も把握していない可能性もあり)、きちんと勤務先に確認してみることが大事です。
もしそのような健康診断の体制がきちんと取られていない勤務先であれば、自身の健康を守るため、転職も視野に入れて健康管理を優先したほうがよいでしょう。
このように、夜勤専従看護師として長く働いていくためには、自身が健康志向を高めて自分の体や健康についてしっかりと考える必要があります。高い給料とり、長いお休みより、一番大切なのは自分が健やかに働ける場所かどうかです。
しっかりとセルフケアを行い、夜勤専従として長期間働いている人もたくさんいます。しかし少しでも無理を感じたら夜勤専従として働くことを辞めるということも、健康を守るために大切なことかもしれません。
