夜勤はドラマチック!?死ぬほど忙しかった夜勤体験談
夜勤専従として働いていると、様々な夜勤と遭遇します。ある日はとても落ち着いていてゆっくりナースステーションで同僚と雑談出来たりする穏やか夜勤。ある日は日勤からのバタバタとした流れを引き継いで、翌日までバタバタで終わってしまう夜勤。
ある日は朝方に突然の急変にあたり、穏やか夜勤が一瞬で一変する夜勤…。出勤してみないとその日がどんな夜勤になるか分からないという点、急変にあたるかどうか運しだいという点で、夜勤はある意味ドラマチックな勤務でもあります。
一番思い出に残ったのは、死ぬほど忙しかった夜勤
人間の記憶というものは都合がよく、スタッフとゆっくりナースステーションでお喋り出来た楽しい夜勤の記憶はすぐに薄れますが、死ぬほど忙しかった日の地獄のような夜勤は鮮明に覚えています。
振り返ってみて一番思い出に残った夜勤も、ドラマみたいと思うほど立て続けにイベントが起きたICUでの夜勤です。
10床のICUで夜勤は5人勤務でした。
(2:1の看護配置で)夜勤開始時には呼吸器を装着していたりCHDFを回していたりする重症な患者さんが6人在室していました。
そして当日は心臓外科の予定手術が4件あり、日勤帯でOPEが終わらず夜勤帯での4人全員OPE受けでした。開心術後の患者さんは他の術後の患者さんよりも点滴が多くシリンジポンプも4,5台ついている場合が多いですし、抜管もせず人工呼吸器のままあがって来ます。
また、スワンガンツカテーテルや一時的ペースメーカーがついていたり、ドレーンも3本入っていたりと挿入物が多くモニタリングも多く必要になり管理がより高度になります。術中に循環が悪くなったりすると、IABPやPCPSが挿入されて帰室する場合もあります。開心術後の患者さんを受ける時は、人手も必要であり業務量も多いのでかなり忙しくなります。
心外術後4件+再手術
予想通り術後の患者さんが勤務開始後からバタバタと立て続けに帰室して呼吸と循環が落ち着くまでずっとモニタリングの必要がありました。
バイタルサインのチェック、血液ガスの採取、ドレーン、尿量のチェック、点滴作成と吸引、体位変換と息つく暇もなかったのに、その内の一人が出血が多く循環が安定せず、輸血をしましたが、結局深夜に再手術になりました。
再手術になるだけで手術チェックリストの作成、家族への連絡、同意、手術室スタッフとの連絡などに追われ慌てて手術出しの準備をしていました。
CPR+ステルベン
すると隣の病棟の循環器科の患者さんが急変して心臓マッサージをしながらICUに運ばれてきました。
しかし、満床だったため急遽一番落ち着いている人を夜中に一般病棟に転棟してもらうことに。患者さんの荷物やカルテやら真夜中の大移動です。
出来事は重なるものでずっと集中治療を行ってきた患者さんが時を同じくその日亡くなりました。
4人の心外のOPE受けと、輸血祭りと手術出し、一方で緊迫した蘇生、もう一方でステルベンで家族や葬儀屋さんに連絡、その他の患者さんを1年生にフォローしながら任せて、リーダー業務である管理日誌は白紙、転棟連絡や緊急手術の調整も傍ら、心臓マッサージ、挿管など急変への対応、管理の夜勤師長と他の病棟の応援に来た看護師も巻き込んで水一滴も飲む暇もないくらい忙しい夜勤を送りました。
いつインシデントが起こってもおかしくない状況でしたが、その日はインシデントが何も起こらなかったことだけが今思えば奇跡でした。
日勤のスタッフが出勤してきて現れた瞬間、彼らが仏にように思えました。引き継ぎが終わって残った記録などで、昼過ぎまでみんなで残業でしたが、夜勤を乗り切った戦友のようななんとも言えない団結を感じたものです。
日頃のコミュニケーションが大事
夜勤専従をして数々の夜勤をこなしていると、そんな同時多発事故が起こることも珍しくありません。
日ごろスタッフや医師とどのようなコミュニケーションを図って、信頼関係を築いているかもそんな劇的な夜勤を乗り越えるための大切な要素であると思います。
