SERIOホールディングスのIPO評価分析 ~堅実に初値は上がると予想~

保育事業と人材紹介を生業とするSERIOホールディングス(6567) が東証マザーズに上場することが決まりました。

想定価格は1780円

BB期間は2018年2月14日から2月20日

仮条件は2月13日

公開価格は2月21日

上場日は3月2日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

今回上場するSERIOホールディングスは小学校の放課後に児童を預かる放課後保育事業、認可保育園の運営という安定性の高い保育事業、そして、子を持つ母に就業支援を!をコンセプトとした人材紹介事業を行なっています。

前半の保育事業関連は市を相手にした安定性の高い事業で社会的意義も大きな事業です。

ただ、人材紹介事業では子を持つ母がどうこうという立派なコンセプトを掲げていますが、有価証券報告書を見る限り実体は常に人材不足の警備会社にスポット派遣しているだけなので、他社の派遣事業と比較して特筆すべき何かをしているわけではありません。

近年女性の就業支援が社会問題となっているので、そこと関連を持たせようと狙っているのかもしれませんね。

見せ方が上手い企業だと感じました。

IPO案件として見てみると、売り出し規模は中規模で事業の人気も低調ですがロックアップ条件は良く株式市場は好調に推移していることから多少のリターンが期待できると予想します。

今回のおすすめ指数は60です。

今回は株式市場が好調でなければ公募割れもある案件だと思っています。何らかの理由で株式市場が怪しくなってきたら参加は見送ることをオススメします。

それでは、SERIOホールディングスのIPO情報を解説していきます。

是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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SERIOホールディングスの事業内容

SERIOホールディングスの事業内容は

「子育て中の女性の就労をサポートする就労支援事業、学童クラブを運営する放課後事業および認可保育園を運営する保育事業をおこなう子会社の経営管理およびそれに関連する業務」

と有価証券報告書に記載されています。

SERIOホールディングスの主な事業は就業支援事業・保育事業・放課後保育事業の3つです。

就業支援事業

SERIOホールディングスは「sacaso」という名前のブランドで就業支援事業(派遣事業)
を行なっています。

東京・名古屋・大阪・広島に支店を置き広範囲に渡って展開しています。

女性・お母さんの就業支援をコンセプトに幅広い事業社に向けて就業支援を行なっています。

保育事業

SERIOホールディングスはトレジャーキッズブランドで許認可保育園を6箇所、エンジェルキッズブランドで小規模許認可保育園を8箇所運営しています。

放課後保育事

SERIOホールディングスは形態や実務内容は地域によって多少違いますが大阪・東京・愛知の学校や公的施設といった134の施設運営を引き受け子供の放課後保育事業を展開しています。

保育事業・放課後保育事業では地元となる大阪を中心に事業を展開しながら東京・愛知といった大都市圏でも着実に新たな施設を獲得していっています。

派遣事業から大きくなった企業なだけに人材獲得手段を心得ているのが同社の大きな強味になっているのだと推察できます。

SERIOホールディングスの財務情報

売上

2013年5月 単体 1,255,564,000円
2014年5月 単体 1,358,281,000円
2015年5月 単体 2,117,241,000円
2016年5月 単体 2,978,318,000円
連結 3,010,809,000円
2017年5月 単体 243,944,000円
連結 4,065,748,000円

経常利益

2013年5月 単体 60,495,000円
2014年5月 単体 10,679,000円
2015年5月 単体 51,436,000円
2016年5月 単体 40,164,000円
連結 42,234,000円
2017年5月 単体 18,793,000円
連結 43,439,000円

純利益

2013年5月 単体 37,636,000円
2014年5月 単体 9,664,000円
2015年5月 単体 34,766,000円
2016年5月 単体 34,237,000円
連結 35,113,000円
2017年5月 単体 13,845,000円
連結 27,751,000円

売上は恐ろしい勢いで順調に拡大していますが利益面ではヨコヨコの推移を続けており強気な投資姿勢が垣間見えます。

⇒日本取引所グループに公開されているSERIOホールディングスの有価証券報告書

SERIOホールディングスのIPOは買いなのか?見送りなのか?

SERIOホールディングスのIPOは買いです。

今回のIPOは売り出し規模も大きく業種の人気も低いので、普段の株式市場であれば公募割れもあり得る案件ですが、現在の株式市場は絶好調で多少の懸念なら吹き飛ばしてしまいます。

現在の株式市場の調子が維持されるのならという限定ではありますが買いで入って良いでしょう。

但し、もし何らかの理由で株式市場の調子が悪化したら欲を出さずに見送ることをオススメします。

買い要因

  • 90日の期間 ロックアップ
  • 絶好調の株式市場

見送り要因

  • 売り出し規模中規模
  • 不人気業種
  • 株式市場の調子が悪化

SERIOホールディングスの関連銘柄

SERIOホールディングスの関連銘柄はアルソックのブランド名でお馴染みの綜合警備保障株式会社(2331)です。

SERIOホールディングスの就業支援事業(派遣事業)の主力派遣先がアルソックです。売上に占める割合も高いのでアルソックの好不調の波がSERIOホールディングスの株価に影響を与えるでしょう。

SERIOホールディングスの初値予想は?

SERIOホールディングスの初値は株式市場の勢いに乗って公開価格+20%〜30%辺りになると予想しました。

仮に公開価格が想定価格の1780円に決まったとしたら、初値は2136円〜2314円辺りになるでしょう。

会社の本質に株価が伴っていないので私は上場後数日で大きく値を下げると思います。

当選したら速やかに売却するのが良いでしょう。

セカンダリーが狙えるか?

SERIOホールディングスでセカンダリーは狙えません。

放課後保育や保育事業は家庭教師のトライを始めとして数多くの大小企業が新規参入を進めている競争の激しい業界です。

これからの人材の獲得競争に伴う採用費の高騰・案件の入札数の増加に伴う利益率の低減などを鑑みると、今後も継続した成長を続けていくの容易いことではないでしょう。

また、就業支援という名の派遣事業も本質としては他社と同様の事業性であり特段有利とも受け取れません。

将来的に国から女性就業支援企業として何らかの指定や認定を受けるといったスペシャルサプライズでも出ない限り将来的に株価が高騰するとは考えられないので同社のセカンダリー投資はオススメしません。

主幹事情報

SERIOホールディングスIPO主幹事は野村証券です。

副幹事は岡三証券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、SBI証券、エース証券です。

今回のIPOでネットから参加できるのは大和証券みずほ証券SMBC日興証券SBI証券です。

この中から今回の参加オススメ証券会社を選ぶなら…IPOの公平抽選を行っている大和証券とSMBC日興証券、そして、参加することでIPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券の3社です。

また、後から岡三証券グループの岡三オンライン証券からもIPOの取り扱いが始まる可能性があります。

もし岡三オンライン証券から参加出来るようになったらの、前述のオススメ証券会社をすっ飛ばして岡三オンライン証券から参加するのが1番オススメになります。

参考:ネットで噂の岡三オンライン証券のIPO裏技当選法について考えてみた

まとめ

今回上場するSERIOホールディングスからは子供・女性といった近年話題のテーマを感じます。

株式市場が好調な時にはテーマに惹かれて思わぬ買いが入るかもしれないですね。

私は大和証券SMBC日興証券SBI証券の3社から!そして、岡三オンライン証券から参戦できるようになったら岡三オンライン証券も含めた4社から参加します。

その時まで好調な株式市場が継続してくれると良いのですが…期待を胸にブックビルディングを待ちます。