SYSホールディングスのIPO評価分析、初値予想とおすすめ証券会社

様々なITシステムの営業提案・開発・保守整備まで一貫してグループ内で行える中規模システム企業グループSYSホールディングス(3988)がJASDAQスタンダードに上場することが決まりました。

想定価格は2560円

BB期間は2017年6月14日から6月20日

仮条件は6月12日

公開価格は6月21日

上場日は6月30日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

1991年に創業を開始したシステム会社 エスワイシステムが成長して、グループ企業を再編成して出来たのが、今回上場するSYSホールディングスです。

創業から10年以上経っているだけあってSYSホールディングスの事業の継続性・安定性は抜群です。

グループ企業のメンツ見ると名古屋のシステム会社5社とジャカルタの1社、そして、中国の企業2社と提携しています。

このことから拠点を名古屋としている企業が多いことから、名古屋を中心とした開発受注をしつつ、開発の実務はアジアに一部委託しているのかな?と思いました。

創業から時が経っているので、これから大きく成長していく成長企業では無く、毎年安定して利益を上げていく成熟企業でしょう。

IPOの案件として見ると、有価証券報告書の中でチラッとビックデータやVRの提供といった次世代技術との関わりを示唆しているので多少人気は出るでしょう。

そして、売出し規模は小規模でしっかりとロックアップも掛かっているので手堅く初値は上昇すると予測できます。

大きくは有りませんが、そこそこのリターンが得られる案件だと判断できるので参加して良いでしょう。

そこで、今回のおすすめ指数は70です。

それでは、次項以降ではSYSホールディングスのIPO情報を解説していきます。

是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

SYSホールディングスの事業内容

SYSホールディングスの事業内容は「ITシステム開発(グローバル製造業、社会情報インフラ、モバイル)およびITソリューション・サービスの提供を中核とする総合情報サービス事業」と有価証券報告書に記載されています。

SYSホールディングスの主要事業は自動車などの製造業を主なクライアントとするITシステム開発と、様々なインフラを制御するITソリューション・サービスです。

取引先にはトヨタ自動車や富士通といった大企業を相手にしており、システム開発の上流工程を担っています。

更に、近年スマートフォンなどのモバイル端末を利用したシステム開発や、ビックデータやVRを活用したシステムの開発も行っており時代の変化に伴う事業展開も行っています。

また、SYSホールディングスは未経験の人材採用を進めており人材不足と言われているIT業界の人材育成にも力を入れています。

SYSホールディングスの財務情報

売上

2014年7月 単体 232,348,000円
2015年7月 単体 243,909,000円
連結 3,704,817,000円
2016年7月 単体 360,916,000円
連結 3,755,019,000円
2017年1月 連結 1,933,645,000円

経常利益

2014年7月 単体 86,310,000円
2015年7月 単体 43,842,000円
連結 62,098,000円
2016年7月 単体 189,881,000円
連結 173,895,000円
2017年1月 連結 102,030,000円

純利益

2014年7月 単体 20,044,000円
2015年7月 単体 △43,356,000円
連結 37,373,000円
2016年7月 単体 154,513,000円
連結 144,263,000円
2017年1月 連結 84,225,000円

財務諸表を見ると成熟企業なだけあり売上は頭打ち感が出ています。

連結決済が始まって2年しか経っていないので過去の財務データがありませんが、創業から10年以上経っているので問題は無いです。

財務諸表からは、良くも悪くも成熟企業だと判断できます。

日本取引所グループに公開されているSYSホールディングスの有価証券報告書

SYSホールディングスのIPOは買いなのか?見送りなのか?

SYSホールディングスのIPOは買いです。

財務諸表から売上の頭打ち感は出ていますが、売出し規模は小規模で、しっかりとロックアップが掛かっていますので需給関係から初値は上昇するでしょう。

公開価格を割るような案件では無いと判断できますので、参加して良い案件です。

買い要因

・小規模の売出し規模

・ロックアップの状況良好

見送り要因

・売上の頭打ち感有り

SYSホールディングスの関連銘柄

SYSホールディングスの関連銘柄は、同社の中核企業システムリサーチ(3771)と、主要顧客となる富士通システムウエストの親会社富士通(6702)と、トヨタコミュニケーションシステムの親会社トヨタ自動車(7203)です。

システムリサーチはSYSホールディングスの中核企業だけあり、同社の影響はSYSホールディングスの株価に直結します。

また、主要顧客となる2社の親会社富士通(6702)とトヨタ自動車(7203)に経営上の問題が起これば、その影響はSYSホールディングスの株価に影響を与えます。

因みに過去の有価証券報告書によると同社の主要顧客第3位は東芝(6502)でした、、、今後の東芝(6502)の問題が同社の売上にも多少なりとも影響を与えていくことになり、そのインパクトは来年以降の決済で明らかになるでしょう。

SYSホールディングス 初値予想は?

SYSホールディングスの初値は需要関係で高まり公開価格から+50%前後になると予測します。

仮に公開価格が想定価格の2560円になったとしたら、初値は3840円辺りになるでしょう。

セカンダリーが狙えるか?

今回のSYSホールディングスの案件ではセカンダリーを狙えます。

上場直後は需給関係から初値が上昇するでしょうが、数日経てば取引数の低下に伴い下落していくでしょう。

しかし、SYSホールディングスは本来安定した実力を持つ企業ですので、いずれ株価は徐々に上がっていくと予測されます。

その為、下落時に押し目買いして、じっくり株価が上がるのを待つのは有効な投資戦略です。

主幹事情報

SYSホールディングスのIPO主幹事は東海東京証券です。

流石名古屋を中心として事業を展開しているだけあり、地元の証券会社を主幹事にしています。

副幹事は、野村証券、安藤証券、エース証券、SBI証券、SMBC日興証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、東海東京証券、SBI証券、SMBC日興証券、安藤証券です。

今回の参加オススメ証券会社は、当選数が多く一部公平抽選方式を採用している東海東京証券と、口座の数が少なく公平抽選方式を用意している安藤証券です。

まとめ

SYSホールディングスはリターンが期待できる良案件ですので、私はSBI証券SMBC日興証券の2社から参加します。

実はシステムリサーチは私の本業で取引関係があるので、今回の上場は感慨深い物があります。

そもそも世の中インターネットを通して手軽に投資できるのは良いのですが、その代わり多くの投資家は自分のお金が企業に渡って使われていることを実感していないのでは無いでしょうか?

身近な企業に投資をして株主総会に参加して、投資の意味を実感する機会を持つことは、投資の意味を理解実感できる良い経験となるので、もし経験が無いのでしたら、是非トライされることをオススメします。

きっと良い意味で投資の見方が変わると思いますよ。