システムサポートのIPO評価分析 ~初値高騰期待大の銘柄~

企業向けにクラウドを活用したシステム導入を提供しているシステムサポート(4396)が東証マザーズに上場することが決まりました。

想定価格は1650円

BB期間は7月18日から7月24日

仮条件は7月13日

公開価格は7月25日

上場日は8月2日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

人気のクラウド関連企業が出てきました。

同社はクラウドを活用したシステムと会社の資産を視認ができるようになるERPシステムの導入・保守を生業としており社名の通り企業のシステムをサポートしています。

一昔前なら「クラウド」「ERP」の言葉に新規性を感じ未来の技術だなと感じていましたが、ここ最近は同様の企業が頻繁にIPOしてきているので、もう私は目新しさを感じなくなってきてしまいました(笑)

ですが、まだまだIPO市場ではクラウド・ERPの人気は高いです。

しかも、今回の案件では売り出し規模も小さく大株主に満遍なくロックアップが掛かっています。

これは初値が期待できそうです!

今回のおすすめ指数は80です。

それではシステムサポートのIPO情報を解説していきます。

是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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システムサポートの事業内容

システムサポートの事業内容は

「ITシステム開発、データベース(Oracle)やクラウド(AWS/Azure)の移行・基盤構築、ERP(SAP)の導入・運用保守、データセンター運営、自社パッケージソフトの開発・販売」

と有価証券報告書に記載されています。

システムサポートはソリューション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業の3つの事業を柱に事業を展開しています。

ソリューション事業

顧客の要望に応じて新規開発ソフトウェアの作成からクラウド・ERP・データサーバー管理などを絡めたシステム関連をまとめて構築・導入しトータルコーディネート行います。

この事業での同社の強味は自社内で全て行えるということでしょう。

そこらの弱小ソフトウェア会社では真似できない、社内人員のレベルの高さを感じます。

アウトソーシング事業

この事業ではソリューション事業を通じて導入したシステムの保守や導入企業の社員への教育、その他にもデータサーバーレンタルなどを行なっています。

プロダクト事業

なんとシステムサポートでは自社内でオリジナルソフトを開発、提供、販売、要望に応じたカスタマイズを行っています。

同社が開発提供しているソフト

建て役者®
建築業向け工事情報管理システム

MOS
モバイル受発注システム

T-File®
医用画像ファイリングシステム

SHIFTEE®
クラウド型シフト管理システム

ザッと見た所、同社はソリューション事業をコアとして展開しアフタフォローや保守をアウトソーシング事業で行い、ソリューション事業・アウトソーシング事業で培った技術や顧客ニーズを元にプロダクト事業で独自ソフトウェアを開発していくというスタイルのようです。

システムサポートは事業の根幹となるソフトウェアに関する技術力が相当高いと推察できます。

システムサポートの財務情報

売上

2013年6月 単体 5,141,351,000円
2014年6月 単体 5,635,666,000円
2015年6月 単体 6,001,895,000円
2016年6月 単体 5,892,583,000円
連結 8,112,579,000円
2017年6月 単体 6,509,743,000円
連結 8,865,362,000円
2018年3月 連結 7,339,768,000円

経常利益

2013年6月 単体 60,845,000円
2014年6月 単体 100,361,000円
2015年6月 単体 △175,225,000円
2016年6月 単体 138,848,000円
連結 181,039,000円
2017年6月 単体 181,863,000円
連結 254,789,000円
2018年3月 連結 382,529,000円

純利益

2013年6月 単体 33,049,000円
2014年6月 単体 13,370,000円
2015年6月 単体 △398,983,000円
2016年6月 単体 128,462,000円
連結 152,988,000円
2017年6月 単体 65,545,000円
連結 214,118,000円
2018年3月 連結 193,156,000円

売上は順調に拡大傾向で推移しています。

利益面で2015年にグループ化の費用負担の為か一旦大きく落ち込んでいますが、その後は大きく飛躍しています。

自己資本比率約48%と安定感は高い上にROEは驚異の80%です。

財務面で不安な点は見られません。

日本取引所グループに公開されているシステムサポートの有価証券報告書

システムサポートのIPOは買いなのか?見送りなのか?

システムサポートのIPOは買いです。

売り出し規模は12億円と小規模で大株主にはしっかりとロックアップが掛かっているので需給面は充分絞れています。

更に業績好調で何よりクラウド・ERPという人気ワードも絡んでいるので大きな買いも期待できます。

初値は大きく上昇すると予想できるので積極的な参加をオススメします。

因みに同日にイボキンが上場しますがシステムサポートの方が優良案件ですので、システムサポートの案件には殆ど影響は無いでしょう。

買い要因

  • 売り出し規模 小
  • ロックアップ条件優良
  • 業績好調
  • クラウド・ERPとIPOで人気の業種

見送り要因

  • 特になし

システムサポートの関連銘柄

システムサポートの関連銘柄は同社の稼ぎ頭でもあるERPソフトの提供を受けている日本オラクル(4716)です。

システムサポートはクラウドや自社ソフトと複数の事業に売上を分散させていますが、利益の柱となっているERP事業はオラクルのソフトを中心に事業展開を行なっておりオラクルのソフトや事業に何らかの問題が起こればタダでは済まないでしょう。

システムサポートの初値予想は?

システムサポートのIPOは需給・業績・人気の三拍子が揃っているので初値は大きく上昇すると考えられます。

大株主のロックアップが公開価格+1.5倍で外れるので、そこからの売り圧力の程度によって初値は変わってきますが、私が思うに初日から積極的に売ってくるとは考えづらいので希望も込めて初値は公開価格+80%辺りになると予想します。

仮に公開価格が想定価格の1650円に決まったとしたら、初値は2970円辺りになるでしょう。

セカンダリーが狙えるか?

私はシステムサポートでセカンダリーを狙うのは難しいと思います。

一昔前ならクラウド・ERPを扱う企業なら将来性は期待できる!と言えましたが、ここまで同業が増えるとそう簡単には行かないでしょう。

クラウド・ERPだけでなく追加価値が求められるでしょう。

正直私には同社が他のクラウド・ERPを扱う企業と比較して秀でているポイントを見出すことはできませんでした。

確信が持てない以上セカンダリー投資としてオススメはできません。

主幹事情報

システムサポートのIPO主幹事は大和証券、副幹事は野村証券、今村証券、SBI証券です。

その中でネットから参加できる証券会社は大和証券野村証券SBI証券の3社です。

今回の幹事団の中で参加をオススメする証券会社は主幹事で取り扱い本数が多く公平抽選枠を用意している大和証券と参加する事でIPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券の2社です。

IPOの当選確率を上げる方法 ~IPOにおすすめの証券会社SBI証券のメリット~

今回は幹事になっている証券会社の数が少ないので1社辺りの当選本数が多めになっているので期待が高まりますね。

まとめ

今回のシステムサポートのIPOはリターンが期待できる良案件です。

私は当選を狙って大和証券SBI証券の2社から参加します。

熱い夏になることを祈っています。

さて、世の中は米中の貿易戦争、イギリスのEU離脱の大詰め、北朝鮮の動向など不安な空気が漂っています。

こんな中でも株式はのらりくらりとしながらもドカンと下がることもなく安定に推移しています。

そろそろ何かが来そうだなと勝手に思っています。

何かが起こる前にリスク資産の把握は今のうちに済ませておくことをオススメします。