日本の中古車をニュージーランドに輸出するという国際取引を生業とするオプティマスグループ(9268)が東証二部に上場します。
想定価格は1710円
BB期間は2017年12月8日から12月14日
仮条件は12月7日
公開価格は12月15日
上場日は12月26日です。
仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。
今回上場するオプティマスグループは、日程的にほぼ間違いなく今年最後のIPOになる企業です。
同社は自動車関税0のニュージーランドに自動車が有り余っている日本から状態の良い中古車を調達して現地ディーラーに卸しています。
日本では車検・税金などの関係で定期的に自動車を買い換える人が多く諸外国から見ると、まだまだ使える自動車が割安に市場に流れています。
この点を上手く付いたビジネスです!
日本の自動車サイクルとニュージーランドの関税の仕組みが変わらない限り、同社のビジネスモデルは継続して利益を上げ続けられるので、これは非常に魅力的なビジネスモデルです。
但し、同社をIPO案件として見ると厳しい案件です。
売り出し規模が大きい上に東証二部という不人気市場、更には自動車輸出というIPOでは不人気な業種、これは初値が公開価格を割ることも充分あり得そうです。
今年最後のIPOということで参加したくなる気持ちは分かりますが見送っておいた方が良いでしょう。
今回のおすすめ指数は30です。
それでは、次項ではオプティマスグループのIPO情報を解説していきます。
是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。
目次
オプティマスグループの事業内容
オプティマスグループの事業内容は「海外自動車ディーラー向け中古自動車輸出にかかわる自動車総合サービス事業」と有価証券報告書に記載されています。
オプティマスグループの主な事業は、グループ会社の中古車買付の日貿が日本で中古車をオークションで購入、その中古車を検疫検査(自社検査)を経て、ニュージーランドへ輸出して現地のディーラーへ販売するという物です。
同社は自社検査で検疫・輸出検査が行なえるので、自社の中古車のみならず、他国に輸出する他業者の検査も引き受けて利益を獲得しています。
また、同社は中古車販売をキッカケにニュージーランドの現地ディーラーと太いパイプを持っているようで、このパイプを活かしてニュージーランドの自動車ローン事業にも参入しており、今回のIPOで得た資金を使って、この分野の強化を図る予定です。
そして、有価証券報告書を見ると同社の固定資産は日本とニュージーランドで約同規模です。この事実が示すように同社は日本企業というよりも日本とニュージーランドのダブル国籍企業と見ることができます。
一言で同社を説明するのなら、安いところで買って高いところで売るを日本とニュージーランドで行なっている面白い企業!と言えるでしょう。
オプティマスグループの財務情報
売上
2016年3月 30,420,116,000円
2017年3月 27,092,505,000円
2017年9月 12,897,969,000円
経常利益
2016年3月 1,433,116,000円
2017年3月 1,944,974,000円
2017年9月 971,993,000円
純利益
2016年3月 921,558,000円
2017年3月 1,367,532,000円
2017年9月 633,766,000円
業績は横ばいですが利益面では上昇しています。自己資本比率も4割代で財務基盤は硬そうです。
日本取引所グループに公開されているオプティマスグループの有価証券報告書
オプティマスグループのIPOは買いなのか?見送りなのか?
オプティマスグループのIPOは見送りです。
ビジネスモデルには好感を感じますが、IPO投資として見るとリターンは厳しそうです。
業種・需給・上場市場・業績面でIPOにとって不利な条件が揃っています。
ロックアップの条件は期間で掛かっているので良いのですが、そもそもの売り出し規模が大きいので余り意味がありません。
唯一逆転があるとすれば今年最後のIPOということで、勢いによる買いが入る可能性が考えられます。
ただ、そんな不確かなものを期待してら買いに入るのは相当リスキーなので見送るのが手堅いでしょう。
買い要因
・ロックアップ◯
・今年最後のIPO
見送り要因
・売り出し規模大規模
・上場先は東証二部
・業績頭打ち感あり
・中古車自動車輸出というIPO不人気業種
オプティマスグループの関連銘柄
ニュージーランドを中心に事業展開するオプティマスグループの関連銘柄は有価証券報告書からは読み取れませんでした。
しかし、ニュージーランドの現地中古車販売店CHEAP CARS LIMITEDが同社最大の顧客であり非上場企業ながら同社の動向はオプティマスグループの株価に影響を与えそうです。
また、それ以上に日本の自動車サイクル・ニュージーランドの経済・関税の変化がオプティマスグループの株価に影響を与えるでしょう。
オプティマスグループの初値予想は?
オプティマスグループの初値は上昇する要素が乏しく残念ながら公開価格を割って公開価格-10%辺りになると予想します。
仮に公開価格が想定価格の1710円に決まったとしたら、初値は1539円辺りになるでしょう。また、今年最後のIPOということで市場の勢いに乗って謎の買いが入って若干の+リターンになる可能性も0ではありません。
ただ、これに賭けるのは合理性が無く本当の賭けになります。
セカンダリーが狙えるか?
オプティマスグループの案件でセカンダリーは難しいでしょう。
同社の利益の鍵を握っているのはニュージーランド経済です。
ニュージーランド経済が上昇すれば同社の提供する中古車需要も上昇し業績を拡大させることができます。ニュージーランドは大変良い国で、のどかで世界遺産も多く犯罪率が日本より低い世界的に見ても安心安全な国です。
ただ、経済的に見ると目立った産業がある訳でもなく、国土も決して大きくはありません。
私にはニュージーランド経済が今後飛躍的に拡大していくとは考えられないので、オプティマスグループの業績も横ばいが続くだろうから、将来の株価上昇を狙うセカンダリーで保有するのは辞めた方が良いという結論に達しました。
主幹事情報
オプティマスグループのIPO主幹事は野村証券です。
副幹事はみずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、カブドットコム証券、SMBC日興証券、SBI証券、いちよし証券です。
今回のIPOでは、みずほ証券、カブドットコム証券、SMBC日興証券、SBI証券からネット応募することができます。
今回の参加オススメ証券会社は、開設口座数が比較的少なくてIPOを公平な抽選システムで配分しているカブドットコム証券です。
まとめ
いよいよ今年最後のIPOを迎えましたね。
最後は最高の案件で迎えたかったのですが、現実はこんなもんですね。
私が思うに今年最後のリターンが期待できる案件はABホテルの案件だと思います。
その為、私は今回のオプティマスグループのIPOではSBI証券からのみIPOチャレンジポイント狙いで参加します。
このIPOチャレンジポイントに関しても色々思うところはありますが、とりあえず当面はコツコツ貯めていきます。