定期保険特約付き終身保険はなぜ評判が悪いのか?貯蓄型だと勘違いしている人が続出

定期保険特約付き終身保険は、特に日本生命や第一生命などの国内生保の主力商品でありながら、保険の専門家からかなり叩かれている保険でもあります。定期保険特約付き終身保険の何がどのように良くないのか、わかりやすく解説します。

定期保険特約付き終身保険とはどのような保険か

定期保険特約付き終身保険(以下、定期付終身保険)は、主契約が終身保険で、それに特約として定期保険が付加された保険のことを言います。

終身保険は、一生涯の保障があり、一定期間経過後解約をすると、解約返戻金が戻ってくる貯蓄性のある保険です。

定期保険は、保険期間が10年、20年、あるいは60歳というようにあらかじめ決まっている保険で、途中解約しても保険期間が満了してもお金は戻ってこない、いわゆる「掛け捨て」の保険です。この特徴が正反対の2つの保険が組み合わさった保険が、定期付終身保険というわけです。

定期付終身保険の問題点、デメリット

定期付終身保険の問題点は、販売者側の不十分な説明や誤解を招く説明により、契約者が自分が加入した保険について、以下のような勘違いをしていることです。

1. 貯蓄型だと勘違いしている

定期付終身保険の契約者に「今加入している保険は、貯蓄型ですか、掛け捨て型ですか」と質問すると、ほとんどの人が「貯蓄型です」と答えます。

実際には、支払っている保険料の8割~9割が掛け捨て部分に充当されているケースが多いのですが、契約者は貯蓄型だと思っています。

これは、提案される際に提示される保険設計書に、解約返戻金の金額に加えて、配当金の金額も記載されていて、それらを合算するとそこそこの金額に見えるのが、勘違いをする原因だと思われます。

配当金は「もらえるのをあてにはできず、もらえたらラッキー」程度のものであるにもかかわらず、保険設計書に金額が例示されているため、もらえるものだと勘違いしがちです。

2. 契約時の保障額が一生続くと勘違いしている

前項同様、「今加入している保険の保障額は、いつまで続きますか」と質問すると、ほとんどの人が「一生続きます」と答えます。

理由は、加入する際、この保険は終身保険だと言われていることや、保険証券の「主契約」欄に「終身」と書かれていることが勘違いを生む原因です。終身保険が主契約であることには間違いはないのですが、ほとんどの定期付終身保険は、終身保険部分が薄く、定期保険特約部分が厚い構造になっています。

たとえば、終身保険が200万円で定期保険特約が1800万円といったイメージです。契約時はたしかに2000万円の保障がありますが、定期保険特約の保険期間が満了すれば、保障額は一気に200万円に下がってしまいます。これを理解している契約者が少ないことが問題です。

3. 定期保険特約が自動更新されると、保険料が上がる

定期付終身保険に付加されている定期保険特約の多くは、更新型です。更新型の定期保険特約は保険期間満了時に保険会社に何も言わないと自動的に更新され、そのたびに保険料が上がります。

例えば、30歳で加入した定期付終身保険の定期保険特約が10年満了で保険金額は1000万円だとします。契約時の月払保険料は2,900円ですが、10年後(40歳時)自動更新すると3,800円、20年後(50歳時)自動更新すると6,200円というように上がっていきます。これについても認識していない契約者が多いのが問題です。

定期付終身保険を提案された場合の対策

1. 主契約の終身保険の保険金額がいくらなのかを確認する

定期保険特約の保険金額が大きすぎたり、終身保険部分の保険金額が小さすぎたりしていないか、確認しましょう。

2. 定期保険特約の保険期間が何年なのかを確認する

保険期間が10年といった短いものは更新型で、保険料が上がります。保険期間が全期型(たとえば現在30歳なら保険期間が60歳満了や65歳満了といった比較的長いもの)なら保険料はいくらなのか、見積りをもらって確認しましょう。

3. 提案プランの保険金額の根拠を確認する

そもそも提案されているプランの保険金額は、何を根拠にどのように決めたのかを確認しましょう。自分に必要な保障額はいくらなのか、提案プランはそれに見合ったものなのか、についてきちんと説明できないような営業担当者なら、加入はしないほうが賢明です。

まとめ

定期付終身保険は、終身保険、定期保険、その他の特約がセットになった保険のため、なかなか一回説明を聞いただけでは全てを理解するのが難しい保険です。

そのため、貯蓄型の保険であると勘違いしやすい、同じ保障額が一生続くという勘違い、保険料が上がるのを知らないといった問題を生じやすい保険と言えます。

あとで後悔しないためにもまずは、主契約と特約それぞれの保険金額、保険期間を確認すること、そして、本当にその保障額が自分に必要なのかを検討することが重要です。

自分にとっての必要性が自分だけでは判断しかねる場合は、営業担当者に説明を求めましょう。それをきちんとした根拠をもって説明できるかどうかは、加入判断の重要な要素です。

           

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