養老保険と終身保険は短期払いと全期払いのどちらを選ぶべき?

保険料の払い方には、保険期間よりも短い期間に保険料を払い終える短期払いと、保険期間と同じ期間保険料を払う全期払いの2種類があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが優れているとは言えません。どのように払い方をえらベば良いかについてまとめました。

1.養老保険の場合

たとえば30歳の男性が、保険金額:100万円、保険期間:45歳満期、の養老保険に加入した場合、月払保険料はそれぞれ

全期払い(45歳まで15年間払う):月払保険料6,040円

短期払い(40歳まで10年間払う):月払保険料8,850円

となります。(かんぽ生命「新普通養老保険」の場合)

短期払いの場合月々の保険料は高くなる

保険料を払う期間が長ければ、月々の保険料は安くなり、逆に払う期間が短ければ、高くなります。これは、住宅ローンなどお金を借りた場合の月々の返済額と同じです。返済期間が長ければ長いほど、月々の返済額は小さくなりますが、返済期間が短ければ月々の返済額は大きくなります。月々の負担を少なくしたい場合は、全期払いを選んだ方が良いです。

払込保険料総額は短期払いのほうが有利

払込保険料総額は、
全期払い:6,040円x12か月x15年=1,087,200円
短期払い:8,850円x12か月x10年=1,062,000円
となり、短期払いのほうが少なくて済みます。

返戻率も短期払いのほうが有利

上記の例の場合、満期保険金はどちらも100万円ですから、払込保険料総額が少ない短期払いのほうが、返戻率は高くなります。
全期払い返戻率:100万円/1,087,200円=91.98%
短期払い返戻率:100万円/1,062,000円=94.16%
返戻率を重視する場合は、短期払いにしたほうが有利になります。

2.終身保険の場合

たとえば30歳の男性が、保険金額:1000万円の終身保険に加入した場合、月払保険料はそれぞれ
全期払い(一生涯払う):月払保険料13,330円
短期払い(60歳まで30年間払う):月払保険料21,740円
短期払い(50歳まで20年間払う):月払保険料32,270円
短期払い(40歳まで10年間払う):月払保険料65,700円
となります。(オリックス生命終身保険「ライズ」の場合)

短期払いの場合月々の保険料は高くなる

養老保険同様、保険料を払う期間が長ければ月々の保険料は安くなり、逆に払う期間が短ければ、高くなります。できるだけ月々の負担を少なくして大きな終身保障を得たい場合は、払込期間を長くすると良いです。

払込保険料総額と返戻率

60歳(30年)払い済み:払込保険料総額7,826,400円、60歳時解約返戻金8,711,800 円、解約払戻率111.3%
20年払い済み:払込保険料総額7,744,800円、50歳時解約返戻金8,253,400円、解約返戻率106.5%
10年払い済み:払込保険料総額7,884,000円、40歳時解約返戻金7,789,800 円、解約払戻率 98.8%

このように、保険料の払込が終わった時点での返戻率は、払込期間が長ければ長いほど高くなります。

ただし、払込保険料総額は、20年払い済みが一番少ないように、必ずしも払込期間の長さとの関連性はありません。

また、10年払い済み・20年払い済み・60歳払い済みとも、60歳時の解約返戻金は8,711,800円となるため、60歳時点での返戻率を比較すると、20年払い済みが一番高くなります。

終身保険の場合は、単純に保険料の払込期間を短くすれば返戻率が上がるとは一概にいえないため、終身保険を使って長期的な貯蓄を考える場合は、様々なパターンの見積りをもらって比較検討することをおすすめします。

まとめ

終身保険も養老保険も、払込期間を短くすればするほど、月々の保険料は高くなりますから、月々の負担を抑えたい場合は払込期間を長くすると良いです。一方、返戻率については、養老保険の場合は、払込期間を短くすればするほど返戻率は上がりますが、終身保険の場合は、一概には言えないため、払込期間が異なる様々なパターンでの見積書をとって比較することが必要です。

           

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