飲酒運転と保険【飲酒運転は犯罪である】

飲酒運転はもともと道路交通法により禁じられていることは周知のとおりではありますが、一昔前までは日本人の飲酒の文化ということもあり、比較的検問や罰則も寛容だった感はありましたが、飲酒運転による事故の大幅な増加から2007年の法改正以降飲酒運転に対する罰則強化がなされました。

それにより飲酒運転による事故は大幅に減少しました。

飲酒運転の刑罰:司法・行政で強化

今現在飲酒運転で他人を死傷させた場合は危険運転致死傷罪の適用を受け、最長で20年の懲役に科されます。また行政処分的には酒酔い運転をした場合35点の減点となり即座に免許取り消しの他、欠格期間が3年にも渡るため免許取り消しから3年間は免許が取得できないこととなります。

さらに事故を起こした相手方からは民事責任にも問われることとなります。しかし前述のとおり飲酒運転による罰則が司法・行政的にこれだけ強化されていながら、依然として飲酒運転による事故が完全になくならないのも事実です。

飲酒運転の意識の低さ:単なる事故では済まされない事実

やはり自分は飲んでも大丈夫、ばれなければ大丈夫といったような感覚がいまだにあるためでしょう。しかし飲酒運転による事故はただの運転ミスとは異なり被害が大きくなる傾向にあります。またただ単に事故を起こした時とは異なり、飲酒運転による事故の場合は保険適用についても大きく変わってきます。

飲酒運転による事故とは、自分が飲酒運転をして相手に損害を与えてしまうケースと、相手が飲酒運転をして自分が事故に巻き込まれるケースとがありますが、では飲酒運転による事故においては自動車保険はどの程度使えるのでしょうか。

飲酒運転では保険は使えない

まず大前提として保険には免責事項というものがあり、すなわち支払いの対象に該当しない事例の場合は保険金を支払わないと定めた事項のことです。自動車保険においてはその免責事項に飲酒運転も当然に含まれているため、原則的には飲酒運転による事故では保険は使えないという大前提があります。

しかし飲酒運転による事故は保険が使えないということでは相手方に損害を与えた場合では事故を起こした本人が無資力であった場合被害者は泣き寝入りするしかなくなってくるのは酷です。つまり被害者救済の立場から、自賠責保険および任意保険の対人・対物賠償については相手方の救済を目的として例外的に保険金が支払われることとなります。

参考:自動車保険保険金支払い事例【どのような保障プランがよいか詳しく解説】

相手方の救済として特例:本人は一切補償なし

ただしたとえば加入タイプが本人限定型であった場合に友人に車を貸し、その友人が飲酒運転で事故を起こした場合などは任意保険からは保険金は支払われません。(自賠責保険からは保険金支払いがあります。)

その他の補償については、人身傷害や搭乗者傷害保険については事故を起こした本人は補償の対象外ですが相手方は保険金支払いの対象となります。また車両保険や自損事故保険は補償の対象外となります。つまり事故を起こした本人のけがや物損については一切補償されないということとなります。

免責事項:加入の保険を確認

すべての保険会社が一律に上述の通りではありませんが、被害者救済の観点から対人・対物については支払いはあることは確かです。また保険会社によって異なりますが、免責事項が飲酒運転による事故の場合と酒気帯運転との場合があります。前者の場合は酒に酔った状態での運転のことであり、後者の方はアルコールを体内に入れた状態のことです。

つまり後者は酔っている状態だけでなく微量でも飲酒をしそれにより事故を起こした場合を免責事項としている保険会社もあります。

いまだに免責事項が飲酒運転の場合の事故としているところもあるため、酒気帯運転であれば事故を起こした本人の保険金も支払われているそうなので、自らの加入している保険を確認するとよいでしょう。しかしそれよりも飲酒運転は犯罪であるということを常々頭において飲酒をしたら運転しないということを心がけたいものです。

           

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