車両保険について【大事な愛車のお守り】

新車や中古車を購入した際は今や必ず加入すると言っても過言ではない任意の自動車保険ですが、その補償はおおまかに対人賠償保険対物賠償保険に分かれます。対人賠償保険とは相手の車に乗っている人や歩行者など他人を死亡または負傷させた場合に保険金が支払われるものですが、強制保険である自賠責保険を超過する分をカバーする補償です。

 対物賠償保険:相手方の車やモノの損害の補償

それに対して対物賠償保険はそもそも自賠責保険(参考:自賠責保険について)では補償されないモノに対しての補償で民間の保険会社の販売する自動車保険特有の補償となります。

この対物賠償保険の中でも相手方の車やモノに損害を与えた場合の補償が一般的に言う対物賠償保険であり、自分の車の損害に対しての補償が車両保険となります。この車両保険は一般的に割高であり、付加するのと付加しないのとでは保険料が大きく変わるため付加することに二の足を踏む方も多いことから、車両保険の加入率は50%を切っています。

 車両保険とは?:最大の特徴は免責金額

ではまず車両保険とはいったいどういった補償なのでしょうか。

車両保険とは被保険者の車が衝突や接触等の事故による損害を受けたり、火災や盗難にあった際に保険金を支払う保険で、その車の装備品も補償の対象となります。この車両保険の最大の特徴は免責金額というものにあるでしょう。免責金額とは事故を起こし車を修理した際の自己負担分のことをいい、保険会社はその免責金額を超過した分のみ保険金を支払うという仕組みになっています。

つまり免責金額を0円に設定すれば軽微な破損から比較的大きな破損まで全額保険会社が負担してくれますが、その分保険料が高くなります。逆に免責金額を設定すれば保険料は安く済みますが、たとえば軽微な破損の場合は修理代金よりも免責金額の方が大きくなるということもあり、結局車両保険を付加する意味をなさないこともあります。

 等級制度:保険を使うと3等級下がる

また保険料は等級制度・車両料率などからも設定されています。等級制度とは被保険者の自己履歴に応じた保険料の割引・割増を適用する制度で、20等級まであり始めて契約する場合は6等級からスタートします。1年間事故がなければ翌年度は1等級あがり保険料が割引され、事故を起こし自動車保険を使うと基本的には翌年度に3等級下がり保険料が割増となります。また同じ等級でも事故なしの等級と事故ありの等級ではもちろん保険料の割引が異なってきます。

基本的には自動車保険を使うと3等級下がるのですが、水害などでは1等級しか下がらず、ノーカウント事故ですと等級は下がりません。

この車両保険を使うと、基本的には事故による保険適用と見なされ、修理代金がいくらかかろうとも、たとえこすりキズ程度の軽微な破損でもその修理代金に車両保険を充てると、保険事故と見なされ、等級が3ランク下がってしまいます。等級が下がるということはそれだけ翌年度からの保険料も上がるということになり、結局保険を使わず自腹で修理した方が安く上がるケースというものもあります。

 車両料率:スポーツカーなどはリスクが高い分保険料も高い

車両料率とは、車種ごとに事故をおこしやすいか等や過去の支払い実績から、統計的にリスクの高い車種とそうでない車種の9つのランクに分け、それぞれ異なった保険料率が設定されています。

たとえばスポーツカーのようなスピードの出る車種はリスクが高いためランクの料率が設定され、修理代が安くあがる軽自動車などはリスクが低いランクの料率が設定されます。ですので等級と車種によっては同じ年齢の人でも大きく変わってくるのがこの車両保険の保険料なのです。免責金額のことを考えれば車両保険はそもそも大きな事故による高額の修理代をカバーするものという概念で位置づけた方がよく、対人賠償や対物賠償に比べどうしてもつけなければならないというようなものでもありません。

ただ大事な愛車のお守り代わりにはなります。自動車保険の更新時には車両保険を付加するか否か、付加されている方は外すか否かじっくり検討したほうがよいでしょう。

 

           

お役に立てましたらシェアお願いいたしますm(__)m