高度障害について【もしもの時の死亡保険の保障内容について】

死亡保険とは万一の時に保険金が支払われるというイメージが一般的ですが、もちろんこれは間違いではありません。万一の時に残された家族の今後の生活のために出来るもっとも合理的な資金準備の一つであり、重要な家族計画の一つである死亡保険は戦前より我が国の国民生活の重要な役割を担ってきたと思います。

高度障害状態とは:死亡保険金と同額支給

この死亡保険、特に一般的な掛け捨ての定期保険という保険商品は万一の時の保障だけでなく、実は高度障害状態という状態になっても死亡保険金が支払われるということは意外にも知らない顧客の方がいらっしゃいます。

では、この高度障害状態と呼ばれる状態はどんな状態のことをいうのでしょうか。

国内の保険会社でほとんど同じものが高度障害状態と定義されておりますが、一般的には両目の失明ですとか、言語・咀嚼機能の喪失、中枢神経系や精神に著しい障害を残し終身介護が必要な状態、臓器等に著しい障害を残し終身介護が必要な状態などが挙げられますが、共通して言えるのが回復の見込みがないというところで、介護状態に近い状態もしくは一般的に就業が永久に困難であると見なされる場合に死亡保険金と同額の保険金が支払われます。

保険とは失われた収入を補填するためと考えると、死亡保険金だけでなくこの高度障害保険金の支払も重要な保険の特徴の一部と考えてしかるべきです。

高度障害保険金に関するリスク:医療保険などの特約も消滅

ただ、この高度障害保険金について言えば実は請求することにより生じてしまうリスクもあります。この高度障害という状態は保険会社からすれば死亡の状態と同義なので、高度障害保険金を支払えばその保険契約は消滅してしまうということがあります。一般的な保険とは死亡保険などの定期保険を主契約とし、医療保険などが特約として付加されている形になっております。

ですので、主契約の消滅とともにオプションである特約は当然に消滅します。つまり高度障害保険金の支払いを受けると死亡保険は消滅し特約も同時に消滅します。つまり加入していた保険は消滅し、加入の仕方によっては無保険になるというリスクをはらんでいます。そういったリスクを回避するためにも、死亡保険は死亡保険単体で、医療保険は医療保険単体で別々の保険商品に加入するという方法があります。

すべて主契約にする:無駄を省き合理的なオーダーメイド方式

もしくはそれが面倒なら、定期保険も医療保険もすべての保険が主契約という扱いでその主契約の集合体が一つの保険契約となるという保険商品もありますので、高度障害になり主契約が消滅しても医療保険も主契約ですので、保険自体は消滅せず継続させることが出来るのです。

ちなみにこのような保険商品はオーダーメイド方式に保障を組み合わせることが出来るものが多いので、無駄を省くことが出来合理的な商品であると思いますのでお勧めいたします。そして高度障害保険金について注意しなければならないのが、その要件が大変に厳しいということです。支払要件については一見すると介護保険などと似ているのですが、介護保険金は所定の要介護状態と認められれば支払対象となるのに対し、高度障害保険金については回復の見込み可能性がなしでないといけません。

高度障害の認定はハードルが高い:泣き寝入りしない為に

介護保険の方はリハビリ等でその後回復する状態でも保険金が支払われますが、高度障害状態については永久に介護状態でないと支払対象とはならないのです。介護状態になれば高度障害保険金を請求すればいい、介護保険にまで加入しなくてもよいという考えはお勧めしません。

高度障害保険金はその支払要件についてはハードルが高く、請求したが保険会社から支払事由に該当しないため支払いなしにより泣き寝入りしたという事例も多くあります。

ですので、高度障害保険金についてはあくまで補助的なものと考え、しっかり介護は介護保険で保障を用意すべきであると思います。(参考:末期がんと介護保険)

           

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