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8月のドル円の上昇要因と下落要因について【ドル円為替の見通し】

2015/07/28

8月は例年円高というアノマリーがあります。実際過去15年を調べてみますと10勝5敗で円高に動いていますが、2012年から3年間、とくにアベノミクスとやらがスタートしていからは夏でもPKOのおかげだったのか円高にはなっていません。

ただしこの円高か円安かというのは月初の相場の値と月末の値を比較しただけですから月間では上値は当然月初を上回りますし、下値も月末を下回っているので、正直なところあまり意味のないアノマリーといえます。

これまでは8月15日ぐらいに米国債の利払いがあってそれを円転することから薄商いのときに円高になるなどと言われてきましたが、実際にはこれはそれほど大きな影響をもたなくなってきているようです。むしろもっと具体的な円安、円高要因を掌握しておくことが重要になりそうです。

8月円高要因として

コモディティ価格、原油価格が下落傾向にあり、日本の貿易赤字が一段と減る可能性がでてきています。これは思わぬ円高要因になりかねない状況となっており、注意が必要です。

また米国の大統領選挙がはじまる前年の8月はこれまでどおりならかなり円高が進行することがわかっています。とくにその傾向は毎回8月から強くなってきており、こちらも注意が必要となります。

8月の円高要因

安倍首相の動向も円高要因
複数の米系大手ヘッジファンドが衆院に続く参院での安保関連法案の強行採決、安保三昧に伴う経済軽視路線、原発再稼働に大詰め迎えるTPP交渉の土壇場難航など8月に安倍政権の内閣支持率が30%を割り込む政治リスクを懸念して日本株ショート戦略に手ぐすねを引きつつある状況だそうで、こちらからも目が話せない状況です。

また大手メディアは全く報じないですが、天皇が戦後70年の節目の終戦記念日に『天皇の談話』を発表するらしく、万が一「天皇の談話」に中国と韓国へのお詫びが盛り込まれた場合には、結果として「首相の談話」が「天皇の談話」によって全否定されることになりかねない状況です。こちらも9月自民党総裁選に大きな影響を与えることとなり株売りからドル円が下落する可能性がでてきているのです。

円安の要因として

2015年7月29日(日本時間30日午前3時)のFOMCの声明発表では、記者会見がセットされていないためあくまで文書の中身に注目が集まりますが、この声明にタカ派的な部分がでると利上げが早まる可能性が考えられることから同日の21時半に発表となる米国のGDP4-6月の数値に注目が集まることになりそうです。

さらにこれが強いものとなると8月の雇用統計までドル円が上昇する可能性がありますが、TPPの締結まではできるだけ125円を超えさせたくないという金融当局の思惑もあるので、125円を超えて跳ねるのはその後になる可能性も高く、一旦は8月に大幅上昇を見込む投機筋も多くなっているようです。やはり利上げ時期に絡む問題でドル円が上昇する可能性は否定できない状況といえます。

自民党総裁選、郵政3社上場に向けて無理やり株高?

上述の自民当選に向けて阿部首相が無理やり株価を上げる動きにでることも十分考えられ、逆に株を吊り上げる状況から円安が進行することも考えられます。

とくに10月以降GIPFとKKRなどが運用を一本化するという話があり、それまでにポートフォーリオをそろえるためKKRの株買いや外債買いが強まるとの見方もあります。これが実際に行われれば円安が進む可能性もあり、同じ材料をめぐってまったく逆さまの動きになることにも注意が必要です。

いずれにしてもドル円は8月になんらかの形で動きそうな気配がしてきています。とくに市場の流動性が低くなる時期ですから、動きはじめると大きく振れる可能性が高いといえます。あくまで動きについていき順張りで利益を確保していきたいものですが、複数の要素が絡み合うだけに慎重に見極めていくことが重要になりそうです。