ブラジルレアル今後の為替の見通しについて
2017/07/26
日本がシルバーウィークで比較的好天に恵まれたお休みをすごしているうちに地球の裏側のブラジルではブラジルレアルがえらいことになってしまいました。2015年9月22日サンパウロ市場で1ドル4.05レアルという94年のブラジルレアル導入以降で最安値を示現してしまったのです。
当然対円でも大きく下落することとなり、まさかの1レアル28円といった数字も飛び出してその下落ぶりの大きさを見せつけられることとなってしまいました。サッカーワールドカップ開催からいよいよオリンピックと期待が高まっていた国でしたが、どうも経済の実情は相当厳しいところに追い込まれているようです。
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原油価格、米国利上げでさらなる下落リスク
いまのところ一旦は落ち着いていますが、この先の動きは原油価格の動向と米国の利上げというきわめてリスクの高い状態が続いていることがわかります。ルセフ大統領による政権運営の失敗も色濃く影響しているといえますが、とにかくリスク満載の状態が継続していることは間違いない状況です。
特にブラジルが深刻なのは景気後退とインフレ、つまり巣タグフレーションが進行していることで、石油大手のペトロプラス株価は見る見る暴落しており、なんと直近では最高値からの18分の1という強烈な縮減具合で、ブラジル経済の状況の悪さを明確に示現する形になってしまっています。
原油価格の下落と米国の利上げ、輸出の不振に中国の動向不安がすべてのしかかってきているのが現状であり、米国の利上げが不透明になっていため一旦は下落した状態で継続していますが、2016年にはオリンピックも開催されるというのに、その前にデフォルトになりかねない状況で、今後も予断を許さないといった状況が続きそうです。
果たして早々にブラジルレアルに買い場は訪れるのか?
どんなにひどい相場でも底のない相場はないのが現実ですが、このブラジルレアルに関していいますと、少なくともまだ底を打った状態には見えないのが現状です。
たしかに年率14.5%という高い利率はスワップポイントのことだけ考えれば魅力的ではありますが、対円の通貨ペアでいいますと流動性はきわめて乏しく、売りがでれば限りなく下落することは覚悟しなくてはなりません。また政治的な状況もリアルタイムではよくわかりませんので、そもそもポジションを持つこと自体がリスクになりかねないというのが正直なところです。
ブラジルは新興国とは言うもののすでにGDPは世界第七位をキープしており、その存在は周辺国にお大きな影響を与えるだけに、この先低迷が続くことになると南米周辺国も厳しい状況が続く可能性がでてきています。日本国内では高金利通貨をベースとしなから債券なども買われてきましたが、米国の利上げが実現した段階でもう一段下げを演じる可能性は十分にあり、まだ底を打ったとするのは早そうで、しばらく様子を見ることが必要になりそうです。
このドルブラジルレアルとブラジルレアル円が標記されているチャートを見ていますと、かなり絶望的な印象を持たざるを得ない状況といえます。ただ、対円でいいますと1レアル25円を下回るレベルでは一旦下げ止まる可能性も高く、今後は原油、米国の金利などを見ながらの売買となりそうですが、安心して買えない状況がこれからも長く続きそうです。特に株式市場からの資金の撤退は想像以上であり、オリンピックとデフォルトの両方がいっぺんにやってくるといった最悪の事態も否定できないほど危機的な相場が続いているといえます。
なんといっても原油価格が落ち着くことが、とりあえず一息つくための大きなポイントとなりそうですが、現政権に対する弾劾などが起これば事態はさらに悪化することも考えられ、直近でそこまでには至らないとしても注意深く見守る必要がでてきています。
2017年7月以降の情報はこちら
⇒ブラジル経済の現状と今後の見通し【ブラジルに投資する方法は何があるのか?】
ブラジルレアルに投資する方法はあるか?FXor外貨預金?
ハイリスクなブラジルレアルですが、その分金利も高く、リスク先行型で投資をしたいと考えている人もいるかと思います。
まず、ブラジルレアルの外貨預金ですが、これは手数料が高く、また、金利も銀行側が搾取しているのか、思ったより高くありません。
参考:ブラジルレアル外貨預金とFXを比較検証【ブラジルレアル(BRL)に投資する方法】
次にFXで投資する方法ですが、なかなか取り扱っている会社がない中、外資系のFX会社IG証券がUSD/BRLで取り扱っていました。ただし、調べてみると1lotが相当大きく、少額からは始めることができないようですね。資金が潤沢にある方はうまく運用できるかもしれません。
(国内唯一ブラジルレアルのFXができるのが強み IG証券オフィシャルサイトより抜粋)
ブラジルボベスパ総合指数なら少額から投資可能
ブラジルレアルに投資するには大きな資金が必要で個人投資家ではなかなか手を出しにくいですが、ブラジルの株価総合指数であるブラジルボベスパであれば、IG証券CFD口座で少額から取引することが可能です。
参考サイト:フルスペックのCFDを試すのならお勧めはIG証券【上級者用CFD口座】
まずはブラジルボベスパのチャートを見てみましょう。
ここ10年のチャートですが、リーマンショック時には40,000を割り込むほどでした。一時は回復したものの、昨今の原油安、米国利上げなどの影響を受け、40,000前半の数値まで下落しています。ブラジルレアルチャート同様下落トレンドとなっています。
ブラジルボベスパの指数取引であればIG証券CFD口座で可能です。
(IG証券 北米及び南米取扱株価指数先物)
証拠金維持率は10%、すなわち10倍までレバレッジをかけて取引をすることができます。CFDは1単位から取引ができますので、比較的少額で取引が可能です。ボベスパ指数に投資をしてもブラジルレアルのように金利は得ることができませんが、今後ブラジル経済が回復すると見込んで買いを入れたり、さらに下落するとみて売りを入れることができます。
いずれにしてもリスクの高い上級者向けの投資になりますね。
ブラジルレアル建てのUSリート
その他の方法としてはブラジルレアル建てのUSリートに投資するという方法があります。
USリートの中には「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」など、ブラジルレアル建ての商品もあります。
まあ、USリートですので、その他のリスクも混ざっています。ただ、やはり利回りは高く、20%~30%ほどの利回りはあるようです。為替が安定していれば投資効率のいい商品だともいます。
USリートはカブドットコム証券で買うことができ、1口1万円~2万円ほどで買うことができますので、少額にブラジルレアルに投資できると考えて良いでしょう。しかもノーロードファンドの対象で買いつけ手数料無料です。
以上、投資は自己責任でお願いいたします。
2016年4月追記:IG証券がブラジルレアル円のFX取引を開始
2016年4月よりIG証券は日本で唯一、ブラジルレアル円のFX取引を開始しました。
USD/BRLでは1lotあたりかなりの投資額が必要で、個人投資家にはなかなか難しかったのですが、今回のBRL/JPYは10,000通貨から投資ができるため比較的少額からブラジルレアルに投資をすることができるようになりました。
参考:IG証券がブラジルレアル円のFXを開始!スワップ金利はどれくらい高いのか
10,000BRLは約30万円ほどですので、口座に30万円預ければレバレッジをかけずにブラジルレアルに投資することも可能です。まあ個人的には1,000通貨から投資をしたいところですが、IG証券自体が最小lotが大きい会社なので、他の会社に期待するしかないですね。
スワップも10,000BRLで1日に8円ほど付きますので、トルコリラと同じく、かなり高いスワップになっています。もちろんリスクも高いですが。
ブラジルレアル円のFXができるのはIG証券でブラジルレアルに対する投資の道が大きく開けたことになります。いずれにしてもリスクの高い通貨ですが、興味がある方はチャレンジしてみてください。
口座開設は以下より
ブラジルレアル円(BRL/JPY)のFX⇒IG証券