FX初心者のための役に立つブログ

FXに関するブログです。FX初心者向けのわかりやすい解説ブログを目指しています。

中国 各国の情勢 日本

中国上海株式市場の大幅下落は日本の株価や為替に本当に影響を与えないのか?

2015/07/09

新聞報道をごらんの方は既にご存知のとおり、中国上海の株式市場の下落が止まらない状況にあります。上海市場全体の値動きを示す上海総合指数は26日段階で、前日終値比7.4%の急落となる4192.9で引けています。前週末19日の終値と比較して見ても連休明け23日からのたった4日間で6%を超える下落を示現しています。その前週は5日間で13%も暴落しており、2008年のリーマン・ショック以来の大きな下げ幅を記録する結果となっているのです。

中国1

この株式市場は外人投資家が入り込めない国内専門市場であり、株価の上昇もほとんどは個人投資家の需給で大幅上昇しているだけですので、仮に暴落しても個人投資家が大損するだけで世界的な影響は軽微であるとする専門家の見解も聞こえてきます。

しかし年初より、この中国本土株市場と日経平均の連動性が強まっていることは間違いなく、上海総合指数の大幅下落とともに創業版指数(中国版ナスダック)も一時22%の下げを記録しており、明らかに弱気相場に入っていることは間違いない状況です。今後の中国株のさらなる調整が日経平均に少なからず影響を与える可能性は高く、このリスクをどう捕らえるかが非常に大きな問題となりつつあります。

モルガンスタンレーは中国株ピークつけた公算と発表

モルガン・スタンレーのアジア・新興市場担当チーフストラテジストであるジョナサン・ガーナー氏は、モルガン・スタンレーが上海総合指数は向こう1年で現行水準より2-30%下落すると予想していると発表して注目されています。

ガーナー氏は6月26日付のリポートで、「上海総合と深圳総合、創業板の各指数は相場サイクルの頂点を付けた可能性が高い」と指摘しており、「今の水準は恐らく買いに入る底ではない」と記しています。モルガン・スタンレーは中国株式相場の主要な懸念材料として、IPO急増と企業利益の伸びの弱さ、バリュエーションの高さ、非常に高水準の信用買い残の4点を挙げています。これだけ見るとかなり絶望的な雰囲気も漂ってくることになります

国内事情から考えると日本株が下落する要素はほとんどない状況

中国バブル崩壊というと世界的な影響を誰しも疑いたくなるものですが、正直なところ中国から発表される経済指標の内容などは嘘か本当かわからない状況であり、非常に判断しにくいもののひとつとなっていることは間違いありません。

当然中国異変となれば豪ドルやNZドル、ユーロに影響がでますのでクロス円の下押しがドル円も巻き込んで下押す可能性は高くなりますが、こと日経平均に関してはそれこそ3日に一度日限が公社債投信を発行するような勢いで370億円を下値で買い支え続けていますので、こうしたネタでどこまで押し目ができるのかが非常に判断しづらいものになっているといえます。中国2

株価がぐらつく一方で14年11月以降4回目の利下げを実施の中国人民銀行

中国人民銀行は2015年6月27日、政策金利である銀行の貸し出しと、預金の基準金利をさらに引き下げることを発表しています。期間1年の貸出金利期間1年を0.25%下げて4.85%、同じ期間の預金金利も0.25%下げて2.0%とすることを決め28日から適用するとしています。利下げは5月以来、約1カ月ぶりで、昨年11月以降4回目となるものです。

利下げのピッチとしてはかなり早いもので、追加の利下げで企業の資金調達負担を軽くし、景気の下支えを強化するのが当然の狙いとなっていることがわかります。利下げに加え、農業向けや零細企業向けの融資比率が一定の基準に達した銀行に対し、預金準備率を0.5ポイント引き下げる措置も決めています。

こうした状況の中で明らかにバブルとなっている上海の株式市場が徹底的に崩れることになるのか、またそれが経済全体にマイナスのスパイラルとなるのかどうかに注目が集まる状況です。銀行への融資枠の上限撤廃も行われており、今後不良債権を抱える企業への融資が行われれば、過剰流動性が引き続き続くことも考えられないわけではない局面となっているのです。

確かに中国内の個人投資家の問題に過ぎなければ、日本への観光客が激減したりする可能性は否定できませんが、消費を除く中国市場全体への影響がどのぐらいでてくるものなのかが非常に読みにくいことは確かです。株も為替も大きな巻き戻しを予想しているととんだ肩透かしを食らう可能性も否定できず、この状況をどのように租借するかが難しいのが正直なところと言えます。

関連サイト:上海株がさらに暴落しそうなので中国H株ベア上場投信(1573)に投資してみる