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レイダリオの予言をどう受け止めるべきか?

2015/05/20

米国の経済指標は依然まだら模様が続いており、お世辞にもいい状況とは言えないところに来ています。2015年4月の雇用統計はかなりひどい数字で一瞬今年中米国の利上げはないのではないかといった憶測も飛び交いましたが、5月に発表された直近の雇用統計は改善しており、イエレン議長の「株価は割高発言」からひょっとすると市場の意に反して6月に申し訳程度の利上げが行われてしまうのではないかといった予想もではじめているのです。

そんな中で、米国が置かれた状況が1937年と同じであると発言して注目を浴びているのが、世界最大級のヘッジファンドであるブリッジ・ウォーターアソシエイツのCEOであるレイダリオなのです。この発言は多くのメディアで取り上げられることとなり、マスコミも含めて大きな注目を浴びています。レイダリオ

会社設立から36年にして3600億ドル弱を稼いだ凄腕ヘッジファンド

米国内には多数のヘッジファンドが存在しますが、このレイダリオはファンダメンタルズを分析して数値化し、コンピュータ解析を行って、それをベースに売買を行うというきわめて特殊な手法を用いたヘッジファンドとして注目される存在で、なにより過去36年間市場に最大規模の収益をもたらしたファンドとしてFRBの関係者も一目をおく存在となっているのです。テクニカルチャートやアルゴリズムによる売買とはかなり異なる手法を駆使して利益を出しているだけに業界内では大きなプレゼンスをもった存在なのです。

その彼が自社の顧客向けのレポートで米国の利上げについて警鐘を鳴らしたことから、市場では非常にその内容が注目されているというわけです。

1937年と同じ失敗を繰り返す可能性

レイダリオは3月に発行した顧客向けのレポートで、米連邦準備制度の利上げペースが速過ぎる場合には1937年と同じような相場の大幅下落を引き起こすリスクがあることを指摘しています。

さらに、米金融当局は6月か9月の利上げを示唆しており、現状では見送るのは難しい状況だとの指摘をしているのです。彼はこのレポートにおいて、実際にどれだけのインパクトがあるかは判らないものの、混乱が起きるであろうことを明確に示唆しています。

現状では、経済指標の悪さから利上げ観測は後ずれしつつありますが、一方では依然としてアリバイ的に6月利上げを実施する可能性も残されていることから、非常に微妙な情勢となっているのは事実です。株の投資で大きな利益をあげたヘッジファンド勢も現金化して資金を手元に置き、大きな変化が起きたところをめがけて買いを入れる準備をしているとも伝わってきており、なんらかの大きな変化が生じる可能性もまだ残されている状況です。

実際にFRBでもレイダリオの意見に耳を傾ける委員は多いといわれ、政策決定に微妙に影響を与えることになる可能性もでてきているのです。

まあびくびくしていては何も投資はできませんが、とにかくストップロスをしっかり入れてまさかのときでも原資が一定以上残る状態を確保しておくことが最善の策ということがいえそうです。今回の米国の利上げがこうした惨事の引き金になるかどうかは判りませんが、長年莫大な利益をあげてきたヘッジファンドのカリスマ経営者が不安を訴えているとう点だけは多少なりとも気にするべきではないかと思われます。

実際に、6月ないし9月などの利上げが行われれば、そうした兆候が現れることになるのかどうかがかなりはっきりすることとなりますが、株に較べると為替は機動力がありますので、よく動きをチェックしながら流れについていけるように準備をしておくことが必要です。ここ一番というときに投資できるお金がなくならないように日ごろからしっかりと資金管理を行って、闇雲に証拠金を減らさないというのが大前提となります。とりあえず6月のFOMCは大注目のポイントになりそうです。

参考:まだまだ残る6月FRB利上げの可能性【米国利上げの時期はいつになるのか】