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まだまだ残る6月FRB利上げの可能性【米国利上げの時期はいつになるのか】

FRBイエレン議長がIMFラカルド専務理事との討論会で米国の株価レベルが割高で、かつ債券の価格も高すぎると発言した真意について様々な憶測が流れていますが、実はこれが2015年6月のアリバイ的な利上げを示唆したものなのではないかという説が急浮上しているのです。

欧州発の大幅市場巻き戻しがきっかけ

欧州株はECBのQEを受けて大幅上昇を続けてきましたが、2015年4月に入ってから状況は急変しています。ドイツのDAX指数は昨年10月に較べなんと48.36%も上昇し、先進国中ではもっとも高い状態を継続させましたが、4月10日をピークにして下落に転じています。それとともに各国の債券金利が上昇しはじめ、一体どこが適正なラインになるのかまったく判らない状況に陥り始めているのです。

ガンドラックやビルグロスの発言が債券暴落をさらに加速

こうした市場の動きを見て新債券王と呼ばれるジェフリーガンドラック・ダブルラインキャピタルCEOがドイツの2年国債に100倍のレバレッジをかけて空売りすれば20%の利益を出せるとか、元PIMCOのビル・グロスがドイツ国債は生涯最大の売り場などとツイッターで発言して以来欧州各国は売りが加速し、多くの機関投資家などが莫大な損失をかかえる状態が継続していると言われています。

一旦国債金利の上昇が一息ついているという報道は嘘

この状況を受けて想像以上の金融機関や投資家、投機筋が莫大な損失を抱えていることは間違いなく、債券価格が戻るタイミングではまたぞろ売りが殺到することだけは間違い内状況となっています。これを受けて米国の国債も売られており、金利の上昇は米国債のみならずJGBにも及ぶようになっているのです。

実質金利の上昇傾向は国債金利上げのベストタイミング?

こうしたことからこの6月にFRBは1.25%の利上げを行う可能性もでてきているのです。もちろん経済指標が軒並みよろしくないのは事実ですが、来年は米国の大統領選挙もあり、民主、共和両党から金利の正常化を強く求められているFRBはこの時期に1.25%といったアリバイ的な利上げでも実施してしまいたい状況にあることは間違いないようです。

イランとの核開発合意で石油の増産が再開

さらに米国はこの6月末にイランとの核開発に伴う合意を行うことが示唆されており、これが実施されれば、イランの石油増産が再開されることから石油価格が再度下落していくことも想定されはじめており、9月以降の利上げをさらに後ずれさせる可能性がでてきているのです。こうしたことから6月最低限の利下げをはじめるためにイエレン議長はティーザーとしてそれをほのめかす発言を始めているのではないかという見方がでてきているわけです。

上げた金利は下げられる

金利上昇というと大幅な上昇をイメージしますが、6月に1.25%の利上げを行うだけならば、6月にも依然としてその機会は残されているのです。市場では今年の利上げすらないといった発言が聞かれ、ほとんどのアナリストが6月の利上げを否定していますが、まさかのときのことは考えておく必要がありそうです。とくに米国S&Pの株価は史上最高値を更新中ですから、ここから2000ドル下げても1万6000ドルを割る可能性は低く、ある意味で絶好のタイミングともいえるのです。また上げた利率は下げることもできるわけですから、ある意味でFRBには選択肢が増えるといった考え方もできるのです。

仮に利上げとなった場合には、米株価、日経平均は大きく下げることが予想され、ドル円は大幅上昇、まさかの125円到達がありうるかも知れません。ただ、その後の株価の下落でドルは押し戻されることも想定されます。

参考:米国FRB利上げを2004年の酷似ケースから占ってみる【株価、為替への影響】

為替の場合、とにかく断定するのではなく、どのような可能性についても頭の片隅にイメージを描いておいて、そのときのためのまさかのシナリオを想定しておくことが重要です。市場のみんながないと思っているときこそ、利益機会になる可能性もあるといえるのです。2015年6月19日のFRBの政策決定会合は大注目となりそうですね。