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中国 中国人民元 各国の情勢 各通貨の状況

実は人民元切り下げは米中の話し合いができている予定調和説について

2015年8月11日に突如として始まった中国の人民元切り下げ劇から金融市場は一転して大幅下落ムードが漂うようになってきています。嘘か本当かよくわからない中国の経済指標が減速を示現するたびに市場は嫌気して株も為替も下落を演じるようになっており、この状況では米国の9月利上げはないのではないかといった市場予測もここへ来て急激に高まりつつありますが、実はもうひとつ別の見方も存在するのです。

人民元切り下げは米中合意で行われているコンセンサスの範囲内という見方

とにかく真偽のほどはわかりませんから、こうした見方もあるのだという程度でご認識いただければと思いますが、今回の突然に見えた中国人民元の切り下げは米中のコンセンサスのもとに行われているもので、切り下げのほぼ三週間ほど前から中国人民銀行・PBOCと米国FRBの周到な話し合いの結果として実行されたという説です。

たしかにこの話を聴くとひとつ思い起こされるのが、2014年の7月に北京で実施されたという米中戦略対話の会談に就任から半年たっていなかった時期のFRBイエレン議長が北京まで呼びつけられてのこのこ出張し同席しているのです。

面識ができて、かつパイプができていることは確かに間違いのないことで、当時は利上げしないように中国から釘をさされたのではないかという憶測が飛び交ったものです。

確かに米国の債券を大量に保有する中国からその売却意向をもって恫喝をかけられればある程度従わなければならない事情もあるのだと思いますが、こうした会議で1年前から話し合いがもたれてきたのが事実とすれば、今回の元切り下げも事前合意があってやっているのではないかと疑われても仕方ない状況です。

米国の9月利上げを前提とした中国人民銀行の前倒し政策の実施が4.6%程度の切り下げ説

これまで中国は一貫して現高を維持する政策を行ってきましたが、さすがに過剰生産、過剰設備、過剰在庫、過剰雇用の苦しみには耐えかねる状況となってきており、この潜在成長率の低下を避けるためにも元の切り下げを必要としていたことだけは間違いない状況のようです。

そのためこのまま米国の利上げでドルの上昇についていくわけにはいかず第一ラウンドとしてほぼ予定の半分程度の切り下げを8月に実施したという見方をする金融筋もではじめています。こうなるとこれだけに終わらず次の切り下げは米国の2回目の利上げ局面に実施される可能性がでてきているというわけです。

実際の中国の成長率は3~4%程度のものか?

経済指標が悪くなったといっても、当局から発表される悪い数字さえも嘘か本当かよくわからないのが中国の現状ということになりますが、国から登場するフェイクな指標結果とは別に中国経済の現状をトラッキングする手法として電力消費量や鉄道貨物量、銀行融資のボリュームなどがあるそうで、これを基にして試算するとせいぜい中国の成長率は年3から4%がいいところだという見方もでているほど期待できないものになっているのです。

もしこの事実を米国FRBが事前に知らされているとすれば、通貨切り下げを容認している可能性もあるわけで、これが事実だとすればFRBは最後のチャンスにもなりかねない9月に利上げ断行する可能性はまだかなり高いとみることもできるのです。

利上げで影響を受ける中国と、経済の大幅減速で逆影響を強くうける米国の金融当局が事前に話しあいをしてスケジュールを確認しあっているというのはかなり納得の行く話しで、議会からは中国を非難するノイズもでていますが、政策当局からはなにもでてきていない点もこうして見ると腑に落ちる部分があるというわけです。この話の真偽のほどは9月のFOMCの結果で判明することになることでしょう。

参考:中国人民元切り下げで市場はどうなるのか?為替・株価への影響について