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NYダウが530ドル下落!今後の見通し【9月以降の円高・株安要因について】

2015年8月22日には中国経済の不安からかダウが530ドルも下落しました。

暑かった夏が急速に終焉することに伴って、金融市場もおかしな動きがいよいよ顕在化しつつありますので、その先行きからは目が離せませんが、9月は結構円高になる要因が目白押しとなってきていることは事前に理解しておく必要がありそうです。

9月の米国株価は例年、年間でもっとも下落するタイミング

多くの市場参加者が認識する通り、9月の米国ダウは年間でも最も下落幅が大きくなる時期となっています。FRBはこの時期に本当に利上げを行うのかという素朴な疑問も沸いてくるわけですが、米国ほどではないにせよ、日本もこの下落に日経平均が引きづられる可能性は高いと言え、株価にドル円がついていくとなればドル円の下押しが顕著なものになる可能性がでてきているのです。

原油価格下落による貿易赤字の大幅解消も円高サポート要因

思わぬ原油安再開とその下落幅の加速が続いていますが、昨年末あたりから顕著になってきた原油価格は長期契約が多いため、いよいよここに来て経済的な効果が現れるとされており、まずこれだけでも貿易赤字はかなり減少していくことが予想されます。また既に始まっている原発の再稼動もエネルギー輸入の減少をもたらすことになるため赤字縮小に寄与することになり、円高要因となることは間違いない状況といえます。

安保法制通過と参院選を睨んだ補正予算の実施も円高ファクター

すっかり経済より安全保障に躍起になってきた現内閣ですが、安保法案の可決とタイミングを合わせて補正予算の設定が話題に上るようになってきています。

しかしこれは、1999年にノーベル賞を受賞したマンデルフレミングの法則からいえば典型的な円高要因となってしまうことも考えられるのです。マンデルフレミングの法則によると財政出動によりその赤字が拡大すれば実質長期金利が上昇し、設備投資や住宅投資が減少する効果が示現することになり、実質長期金利が上昇すると国内への資本流入圧力が生じて自国通貨が増価し、輸出が減少して輸入が増加するためGDPが減少するとされています。

したがって景気回復や雇用を増やすには、財政政策よりも日銀が行っている金融政策が効果的だというのがその骨子です。しかし人気取りと地方へのばら撒きによる支持率維持向上のために財政支出を増やせば結局日銀の量的金融緩和の効果を削ぐになり、為替は円高にシフトする可能性を帯びてきているというわけです。

ドル円は9月FRB利上げで材料出尽しとなれば下落も

9月利上げの可否については実にさまざまな議論がされていますが、その実施の可能性はいくら素人が占ってみてもあまり意味がない状況です。ただ、実施があるとしたときに考えておかなくてはならないのが、その後のドル円の動きということになります。

今回の利上げ後の動きについては2004年のグリーンスパン議長の下で行われた利上げ後の米国株価や為替相場の動きがベンチマークとして取りざたされますが、実はこの時期の利上げと今回の状況が決定的に異なるのが、それまでの7年間、つまりリーマンショック以降一貫して量的金融緩和をしてしまっていて、既に市場には資金があふれかえってしまっているということです。

参考:米国FRB利上げを2004年の酷似ケースから占ってみる【株価、為替への影響】

もちろん新興国などはこの利上げによって資金の米国への還流を強めることになることから一定のドル高は維持されることになると考えられますが、クロス円では円高という動きも顕在化することから、ことドル円で見た場合には意外に材料出尽し感とクロス円の影響を受けて一旦円高に動く可能性が高いともいえるのです。

PKOがあっても下落したら買っていればいいだけではなくなってきたドル円

これまでは官製相場で下値は買って待っていれば価格が戻して一定の利益をコンスタントに稼ぐことができたドル円相場でしたが、果たして9月以降もそういう動きになるかどうか微妙な状況となってきていることは事実で、あまり固定的に将来を想定しないほうがよさそうな状況でもあります。

米国大統領選挙がいよいよスタートでこれもドル円に影響か

毎回米国の大統領選挙がはじまる前の年の9月ごろからは政治的な理由からドル円が下落することが多くなるのも気になるところです。ドル高によりかなり米国系企業の利益圧迫が進んでいることから民主党も共和党も選挙戦でその点を指摘してくることは容易に理解でき、しかもさらなる政治的配慮から中国を槍玉にあげられないとなれば日本に矛先が向いてくる可能性はきわめて高いといえます。

こうして見てくると本当に年末にはドル高円安に戻るのか疑心暗鬼になりそうなネタばかりですが、相場はとにかく思い込まずに上も下も可能性があることをしっかり認識しておくことが必要となることだけは頭にいれておきたいところです。