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中国 各国の情勢

中国株式市場の下値にたいする投機筋の楽観論の根拠とは【上海総合指数の今後の見通し】

2015年7月8日に下落を加速した中国上海市場は、もはや金融株式市場とは思えない驚愕の禁じ手を金融当局が打ち出すことで、便宜上なんとか下落を食い止めた形になっています。しかしその実態はもはや株式市場とは言えない内容で、驚くやら笑いがこみ上げてくるやらで、およそお話にならない状況に陥っているといえます。

小手先の政策を連発する不思議な金融当局

まず株式を発行している企業が申し立てをすれば売買停止にできるという仕組みは、悪辣な資本主義国を見回してみても初公開の方法で、果たしてこれが自由証券市場なのかと目を疑う状況となっています。結局上海上場企業の半数以上がこの売買停止措置をとっているわけですからそれは下がりたくても下がらないわけです。

ただ、ETFなどを通じて海外のファンド勢も株をかなり持っているわけですから、売りたくても売れない状況からコモディティや日本株など換金できるものを手当たり次第売っているのが日経平均の下落につながっており、これが続く限り含み益の大きな日経平均が下押しする可能性はまだまだ残されているといえます。

前代未聞の売り禁も実に新鮮なやり口?

さらにあきれるのは悪意のある売りは刑事処罰の対象とするという警察を含めた金融当局の対応です。一体どこまでが善意の売りでどこからが悪意の売りなのでしょうか?まあ冗談はともかくとしても本当にこのお触れを出してしまうあたりの稚拙さも他国にはまったくない中国独特の市場ということができそうです。

投機筋は下値に対して比較的楽観的

この状態ではさぞや外資系の投機筋もパニック状態かと思いきや、意外に冷静なのは、中国人民銀行の買い支え余力の大きさがあるが故に最悪の崩壊は免れることになるのではないかといった期待がある点です。この中国人民銀行は実弾での介入には踏み切ってはいませんが、彼らのもっている440兆円にも及ぶであろう外貨準備や資金量から考えれば、日銀が現在日経平均に対して行っているETF買いなどの金融抑圧政策と同様の手法を使えば、買いあがることはなくても一定のレベルは維持できるのではないかと見る向きが多いことが注目されます。

もちろんどんな手法を使ったとしても先行きジリ貧なのは間違いありませんし、とにかく流動性のない相場に外部から資金が投入されるわけもなく、上海の株式市場が大きく盛り返すことになるとは誰がみても思えない状況であることは間違いありません。ただ、暴落に引き込まれる心配までしている投資ファンドは意外に少ないとはいえるわけです。

むしろ投資ファンド勢が心配するのは、ギリシャの問題で、とりあえず夏場対策での手打ちは行われるのでしょうが、その先はなんら解決がついておらず、えらい時間をかけてギリシャがユーロから離脱するリスクのほうがはるかに大きいとみる向きもいるのです。

こちらの場合にはギリシャ自体のリスクというよりはユーロ圏の崩壊引き金リスクと言った部分で、自分たちの商圏により近いユーロリスクのほうを心配する向きが多い点は、国内の市場の感触とのずれを感じる次第です。どちらのリスクもなんとかぎりぎりのところで食い止められている状況ですが、その本質に迫るとまったく解決などはついておらず、何のボタンを押したとたんにマイナスの動きが再稼動するのかが注目されるところです。

中国に関しては、なぜこの場に及んで中国人民銀行が乗り出してこないのかが大きなポイントになってきており、一定の調整局面に現状をうまく利用しようと思うのなら、もう少し調整が続く可能性もないわけではない状況となっています。為替の世界でいえば妙に売り浴びせをかけると取り残されかねないものの、買いに順張りでついていってもそれほど上限があるとも思えない、あまり楽しくない相場が続きそうな夏となってきています。

関連サイト:上海株がさらに暴落しそうなので中国H株ベア上場投信(1573)に投資してみる