睡眠障害には色々な種類があるのですが、その一つとして概日リズム睡眠障害があります。私たちの睡眠のリズムは、基本的には昼間に活動して夜間に睡眠を取るようにできているはずです。ところが、これが何らかの原因で本来のリズムとは異なるリズムとなって、日常生活に支障を来すことを言います。
睡眠相後退症候群
概日リズム睡眠障害の中にもさらに色々な種類があって、もっとも多いのが「睡眠相後退症候群」ではないでしょうか。夜は日にちが変わるまでに寝床に入ったものの、なかなか眠れずに気付いたら明け方近くまで起きていたなんて言うことはありませんか。
通常は明け方まで眠れなくても何でも、朝には仕事なり学校なり行かなければなりません。こんなふうに無理に起きて出掛けると、今度は昼間に激しい眠気や疲労感に襲われますよね。一方、自由の利く休日になると、昼過ぎまで目が覚めないと言う方は多いのではないでしょうか。
こんな方は、体内時計が遅れてしまっているために睡眠がどんどん後ろにずれてしまっているのかも知れませんね。それから、交代勤務で睡眠のリズムが乱れてしまう方も多いでしょう。日勤と夜勤の交代制だと、体内時計が仕事のリズムに付いて行かず、寝るべき時に眠れず仕事中に眠気が発生してしまうことがあります。
日中に眠気に襲われることも
日勤の時でも夜間の不眠や昼間の眠気などの症状が現れることがあり、他に倦怠感、集中力の低下、食欲不振などの症状も現れることもあります。高齢者の方だと、「睡眠相前進症候群」はよくあるかも知れませんね。早寝早起きならば良い習慣なのですが、夕方に眠気が発生するのは極端ですよね。
睡眠相前進症候群の場合は、夕方に寝て早朝に目が覚める睡眠のリズムになってしまうことが多いようです。夕方18時か19時頃には既に寝ていて、早朝の3時とか4時に目が覚めるなんて言う方もいます。新聞の配達員だと丁度良いかも知れませんが。
他の概日リズム睡眠障害には、就寝時間と起床時間が1~2時間ずつ後ろにずれていく非24時間睡眠覚醒症候群、昼夜関係無く不眠や覚醒が不規則になる不規則型睡眠覚醒などがあります。前者は長期休暇で急に昼夜逆転の生活を送った時に発症しやすく、後者は脳梗塞の患者さんや社会生活を営んでいない方などに発症しやすいようです。
概日リズム睡眠障害を改善するためには
概日リズム睡眠障害には複雑な事情があって、なかなか解決が難しいものですよね。病気持ちの方、交代制勤務、加齢などどうしようもない事情の中でも、せめてできる範囲で就寝時間や起床時間を整えることは大切ですよね。睡眠のリズムを整えるためには、朝は太陽の光を浴びて生活リズムのずれを補正しましょう。
そして、夜はできる限り明るさを避けるために、パソコンや携帯などは使わないようにしましょう。もし寝る前にパソコンや携帯を見ていると、その明るさだけでもなかなか寝付きにくくなってしまいます。就寝前には、暗い部屋で落ち着いて過ごすようにすると良いかも知れませんね。
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