日韓スワップ協定の行方は?万が一スワップ協定が成立したらどうなる?

ドルウォンチャート

今回は韓国が再開を要望している日韓スワップ協定について解説等をしていきたいと思います。

日韓スワップ協定とは?

まずは日韓スワップ協定についてサクッと解説していきます。

日韓スワップ協定を一言で言えば「韓国ウォンの価値を安定させるための協定」なのですが、要するに、両国の中央銀行がお互い必要な時(どちらかが通貨危機の際)に、韓国ウォンと日本円を一定額、予め決められたレートで交換するという協定なのです。

これがどういう事かもう少し詳しく説明しますと、韓国ウォンというのはいわゆる新興国通貨であるため、リスクオフ時における価値の暴落というリスクが存在するのです。

実際、1997年のアジア通貨危機では、ウォンの価値が大暴落し、外貨不足に陥った韓国がIMFの管理下に置かれるという事態まで発生しました。

なのでこのような事態を二度と引き起こさないために、リスクオフ時に強くなる日本円を、市場よりもウォン高のレートで安定的に調達するシステムとして、2001年に通貨スワップ協定が結ばれたのです。

ドルウォンチャート

※ウィキペディアからの引用画像。

ドルウォンのチャートですが、96年からの韓国ウォン暴落がいかに凄まじかったかを表しています。

2008年にもリーマンショックを受けて暴落が発生していますが、この時は日米中とのスワップ協定を締結しており、なんとか踏みとどまる形となりました。

ここまで読んでいただければ分かると思うのですが、この通貨スワップ協定、日本にはほとんどメリットが無いです(笑)

そして現在は韓国とのスワップ関係は解消されています。2014年に破棄ですので、日韓関係が泥沼化した時期ですね。

ちなみにですが、現在は米韓スワップ協定も終了しており、韓国のスワップ協定は中国とオーストラリアがメインとなっています。当然ですがどちらともドルや円とは比べ物にならないほど脆弱性のある通貨ですので、次の通貨危機の可能性を考えると非常に危険な状態だと言えるでしょう(さらにちなみにですが、日本は米、英、欧州、スイス等、錚々たるメンツとスワップ協定を結んでいます。ちょっと誇らしい気持ちになってしまった自分が恥ずかしいですが・・・)

韓国と通貨スワップ協定を結ぶ日が来るか?

先に書いたように、中国やオーストラリアとのスワップ協定のみで自国通貨の安定を目指すのは心許ないということで、現在韓国は日本とのスワップ協定再開を望んでいます。

ですが実現の可能性は・・・まあ無理でしょうね。

日韓両方が政権交代でもしない限りは絶望的なように思います。

特にここ最近は政治に限らずネットの世論が非常に影響力を持つ時代となっていますし、更に身もふたもない事を言えば、韓国への強硬姿勢は政権支持率にとって打ち出の小槌ですので、まあ無理でしょうね。やったら仰天します(笑)

万が一スワップ協定が成立したらどうなる?

これに関してですが、韓国経済にとっては大きくプラス要因になるのは間違いないでしょう。

日本は・・・どうなんですかね。好意的に見れば世界経済の安定要因なので円安株高の構図でしょうが・・・ちょっとこの辺りは蓋を開けてみないと分からないところです。

それと、スワップ協定が再開する時期の問題もあるでしょう。今のようにまだ危機と言えるほどではない段階から予防的に再開するのか、それとも本当危機的な状態に陥ってから仕方なく再開するのかでは、雲泥の差があるでしょう。

まあ、韓国のプラス材料になる事は間違いないです。通貨危機になるリスクが劇的に下がるでしょうから・・・

まとめ

  1. 通貨スワップ協定は新興国通貨の価値を安定させるための協定という側面が強く、日韓で言えば韓国経済の安定のために日本が身銭を切るような協定です。紙くずになりかけているウォンを日本円で引き取るようなイメージが一番わかりやすいかもしれません。
  2. スワップ協定の再開は非常に厳しいと言えるでしょう。現状は韓国が要望をしているだけです。
  3. スワップ協定再開は韓国ウォンと株の買い材料になりそうです。日本はどうなるか正直分かりませんが、過度な円高の抑止には一応繋がるでしょう。メリットがあるとすればそこでしょうね。

私は韓国に関してあまり批判的ではありませんが、ここ最近の日本人による韓国叩きは本当にすごい過熱感がありますよね。成熟しきってますよね(笑)

そして最近のニュースを見て韓国がちょっとだけ嫌いになったような人にオススメの本が一冊あります。それは土橋真二郎先生が書かれた「扉の外」という、知る人ぞ知るバトルロワイヤル系のライトノベルです。

この本を読めば、日韓関係をある程度客観的に見る事が出来るようになるかもしれません。これと同窓会のコピペは、韓国側の論理を理解するのに鉄板のテキストだと思います(笑)

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