新型コロナウイルスにより相場に嵐が吹き荒れる中、FRBは3日に臨時会合を開き、0.5ポイントの緊急利下げを行いました。これは市場の動向を読み解く上において非常に大きな材料になってくると思われます。
そこで今回の記事では、利下げによる今後の展望を予想するだけではなく、利下げに関しての知識をおさらいしておこうかなと思います。
それでは、早速本文に行きましょう。
利下げとは?基本を確認
まずは利下げについて説明をします(以下ではアメリカの制度を念頭においています)
利下げとは、中央銀行が「政策金利」を下げることを指します。政策金利というのはアメリカの場合「FFレート」と呼ばれており、銀行間でお金を貸し借りする際の金利です。
そして中央銀行はこの政策金利の範囲を設定できるのですが、ただ設定だけをするというわけではなく、債券とかを銀行から買い上げたり売ったりして主体的に金利を調整します。
中央銀行が銀行から金融資産を買えば、銀行にお金を渡すことになりますので、金利が下がり、逆の場合は金利が上がるという仕組みです。
つまり中央銀行が金利に介入をする目標が政策金利であるということです。
利下げのメリット
利下げというのは政策金利を下げるということですから、今までより多くのお金を銀行に供給するということになります。
そして価値というものは基本的に希少性で決まりますので、お金の量が増えるということは、お金の価値が下がるということになります。
なので利下げというのは「お金の価値を下げますよ」と中央銀行がアナウンスしているわけですが、この点が利下げのメリットとなります。
お金の価値が下がるということは、必然的に他のモノの価値がお金と比べて相対的に上昇します。そしてその「モノ」の中の金融資産の代表格として「株式」があります。
つまり株価の価値を測る尺度にお金が使われますので、相対的に株価が上がりやすくなるわけです。「お金の価値が下がるんならお金で株でも買っとくか」みたいな動きが起きやすくなるということです。
それと利下げによりお金が借りやすくなるというのも経済への好材料となります。
例えば経営がやばい時でもお金を借りることができれば、当座の危機をしのいで立て直しが聞くようになります。
他には設備投資にお金が回りやすくなり、今後に期待できる企業が増えるという点もありますかね。
基本的には、利下げは強力な株高要因となります。
利下げのデメリット
利下げのデメリットはいくつかあると思うのですが、ここでは2点紹介します。
まず一つは「物価が上昇すること」です。中央銀行は元締めとして、お金の価値を安定させることを任務としていますが、利下げによりお金をばらまき過ぎるとお金の価値が下がり混乱を呼んでしまう危険があります。まずこれが一つ。
そしてもう一つは、「金融機関や人がお金に対してルーズになる」という点があると思います。お金が余ってくると段々いい加減にお金を貸したりするようになり、どこかでやりすぎて取り返しが付かなくなるような感じですかね。あるいは安定した金利の収入が減るので危ない橋を渡るようになると言っても良いでしょう。
アメリカの利下げによりドル円はどうなる?去年との違いは?
で、今回の利下げについてなわけですが、去年利下げした際の爆裂具合から見ても、基本的にはよほどのことがない限りは株価の支えにはなるでしょう。問題はドル円です。
アメリカの利下げによりドル売りが発生しやすくなるのは事実ですが、その一方で株価が安定しリスクが後退したと慣れば円売りも同時発生します。去年の利下げ後はこの綱引きを延々とやっていましたよね。
そしてもう一つ考えなければならないのは「去年よりもアメリカは政策金利を下げた」という点です。
ですので去年よりもドル売りは激しくなるのではないかと思います。
円売りがどうなるのかはなんとも言えませんが、最近言われた「日本売り」みたいなことが本当に起きているのかが重要なんじゃないかと思います。
まとめ
- 利下げは中央銀行がお金の価値を下げようとする動きです。
- お金の価値が下がると株価は上昇しやすくなります。
- ドル円に関しては今回の利下げの影響力を考えながら取引していきたいですね。もっとも、まだ追加利下げがあるかもしれませんけど。
先程ドル円の月足チャートを載せましたが、現状の持ち合いをどちらに抜けてくるのかに注目です。
今は下が優勢ですが、ここからドルがどの程度底堅さを見せてくるでしょうか。また何か動きがありましたらブログを書きますのでよろしくお願いします。
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