不景気対策として「金投資」はおすすめできるのか?

今回は不景気対策としての「金投資」について「果たして金に旨味はあるのか」という視点から書いていきます。

金(ゴールド)とは?

金とは通貨の一種であるわけですが、それでいて、非常に特殊な立ち位置を持っていると言えます。

金の特徴としては「通貨として用いられてきた歴史が長く、世界共通の価値がある」と「確固たる希少性がある」という2点があります。

特に2つ目の「確固たる希少性」という部分は重要で、不換紙幣にはないこの希少性が、不景気対策としての金の価値を不動にしている訳です。

また、金の弱点としては「金利がつかない」という事と合わせて「量が少なすぎて現在の経済活動においては通貨の立ち位置を担えない」という点があります。

この辺りは貨幣史等で詳しく書かれていると思いますので、興味がある方は勉強してみてもいいかもしれません。私はあまり詳しくはないのですが・・・

金投資を行いたいバックグラウンド。

金投資を考えたい最大の理由は、現在の各国通貨と株価の体たらくにあると言えます。それぞれ見ていきましょう。

a.米ドル

世界最強国の通貨であり、先進国では唯一まともな金利がついているという、まさに「キングオブ通貨」なわけですが、最近は利下げ期待により積極的には買いづらいです。

b.円

最強のリスクオフ通貨なわけですが、ここ数年は日銀による際限の無い超緩和政策により、こちらも積極的には買いづらい通貨です。スイスフランも大体同様。

c.ポンド

ブレグジットに関する混迷が日々深まっており、全く買う気を起こさせない通貨です。ボリスジョンソンが首相になったあかつきには、合意なき離脱の可能性が跳ね上がる事になりそうです。

d.ユーロ

死んでいます。

・・・という風なわけで、買いたい通貨というのがパッと出てこない訳ですね。

ユーロに関しては日本と同様の超緩和政策に加えて、ドイツ銀行の危機、イタリアの暴走、フランスの大規模デモなどの抜き差しならない問題が大量に山積みされており、買いの投機としてはほとんど旨味のない通貨となっています。

ちなみに株価

こちらはバブリー過ぎて手を出しづらいです。正直今の価格で長期投資で買いたいという人は皆無でしょう。

おおよそこの辺りが、金を買いたい根拠になるんですかね。究極の消去法として金を買う根拠は、十分にあると思います。

テクニカル的にはどう?

金ドルのチャートを見てみましょう。

金チャート週足

金ドルのチャートを週足、月足、日足で並べてみました。なんとも言えない感じですが、前述の根拠を踏まえてか、上昇トレンドなのは間違いなさそうです。日足はなんか行けそうな雰囲気ですね。

基本的には、ドル売りなら価格が上昇しますので、利下げなら金価格は一段と上がる事になりそうです。

金のライバル、仮想通貨。

という感じで上昇トレンドにある金価格ですが、最近はライバルとして、ビットコインを始めとする仮想通貨とか暗号通貨とか呼ばれる物も人気が出てきています。

1.の部分で書いたように、金は通貨としての立ち位置を担えないのがネックなわけですが、ひょっとしたら仮想通貨はそのネックを解消する事が出来るかもしれませんし、将来的にはそうなり得る希望があると言えます。

ただ、これを触ろうという気持ちが一ミリも起きないんですよね(笑)

個人的に思う事。

1トロイオンスが約31グラムで、金価格が現在1トロイオンス辺り1300ドルな訳ですが、正直「高過ぎない?」と思います。

一般常識的な感覚なので、市場の感覚とは違うのかもしれませんが、私はなんだか金を長期投資として買う気があまり起きないです。

余程余ったお金があれば、リスクの分散として買っておきたい気もしますが・・・

まとめ

  1. 金は通貨としての長い歴史と、希少性の高さから人気があります。
  2. 現状は何も積極的に買えるものがない相場ですので、消去法としての金買いはありな気がします。
  3. ただし、個人的には現状触る予定はないです。仮想通貨も同様。

実用性はないけど価値はある、というのが金のポイントなんですかね。金投資を考えている方はこの辺りを押さえておくと良さそうです。個人的には、自分はやらないけどおすすめしない事もないかな、という感じです。

まあ、不換紙幣が廃止される事は、多分世界の終わりとほぼ同義ですので、そうなったら金をいくら買ったところで、それが役に立つ日はこないと思いますけどね。金価格を不換紙幣の信頼度のバロメーターとして見るのはありかもしれません。

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