個人年金保険を活用した相続税対策~健康診断不要で加入可能~

「生命保険を活用した相続税対策をしたいけど。。」

「年齢的に今さら生命保険になんて入れないし。。」

「持病があっても入れる生命保険は保険料が割高だしなぁ。。」

このような理由で、生命保険を活用した相続税対策をあきらめていませんか?

そういった方には、比較的加入のハードルが低い「個人年金保険」を活用することをおすすめします。

生命保険は小さな手間で大きな効果を得られる今では定番の相続税対策です。

個人年金保険には、相続税対策として「生命保険」と全く同じ効果があり、一般の生命保険に加入することが難しい人でも健康診断不要で加入ができます。

この記事では「個人年金保険がどのように相続税対策に適しているのか」「個人年金保険を契約するときのポイント」がはっきりわかるように紹介していきます。

ぜひ参考にしてください。

生命保険を利用すれば相続税の節税になる

まずは「生命保険を利用すれば相続税の節税になる」ということを簡単に紹介させていただきます。

親や家族の死亡にともない相続人が死亡保険金を受けとったとき、その保険金には相続税が課税されますが、一定額の保険金までは課税しないという「非課税枠」が相続税法で設けられています。

保険金の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

この非課税枠は絶対に活用すべきです。

例えば法定相続人が妻と長男と長女であれば、500万円 × 3人 = 1,500万円までの保険金には相続税がかかりません。

相続税の税率は遺産の額によって10%~55%なので、仮に相続税率を30%とすると1,500万円 × 30% = 450 万円

つまり、現金として財産を残すよりも生命保険金として相続させる方が単純に450万円も節税できるのです。

生命保険に加入するだけで相続税が節税できるのですから、相続税対策をする方はみんな生命保険に加入するはずですね。

高齢等で生命保険に入れない場合は個人年金保険を活用しよう!

ところが、生命保険に加入したくても高齢や病気等、これから一般の生命保険に加入するのが難しい場合も考えられます。時すでに遅しなのでしょうか?

そんなことはありません。そのような場合は「個人年金保険」を活用すればよいのです。

個人年金保険とは、保険料を一定期間据え置き後、被保険者がある年齢に達したときに年金が支払われる保険です。

また、被保険者が年金が支払われる年齢に達する前に死亡したときには、遺族に対して死亡給付金が支払われます。

この死亡給付金は、生命保険金と同様「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用できます。

つまり、生命保険の代わりに個人年金保険の死亡給付金を使えば、生命保険と同様、一定金額まで相続税をかけずにお金を残すことができるというわけなんです。

また、個人年金保険のメリットは加入しやすいということです。

一時払い(一括で保険料を支払う)の個人年金保険の場合、80代の方でも入れる商品が多く、加入時に原則として健康診断を受ける必要がありません。保険会社によっては告知も不要で、病状に関わらず本人の意思が確認できれば加入できる個人年金保険を取り扱っている会社もあります。

つまり、一般の生命保険には加入できない方でも、個人年金保険を活用することにより生命保険金の非課税額の確保が可能となり、相続税の節税ができるのです。

個人年金保険のメリットまとめ
◆遺族に支払われる死亡給付金は「500万円 × 法定相続人の数」まで相続税がかからないため、相続税の節税ができる。生命保険と同様に相続税対策ができる。

◆生命保険と違い高齢でも入りやすい(一時払個人年金保険なら80代でも加入可能)

◆生命保険と違い加入時に健康診断が不要で告知のみで審査が下りる

ただし、加入者が死亡するまでに給付期間が来てしまっては節税効果がないので、給付開始時までの期間は長めに設定することがポイントです。

個人年金保険の選び方 「変額個人年金保険」が相続税対策に効果的です。

では「個人年金保険」の中で、どのような商品を選べばよいのでしょうか。

個人年金保険のうち、契約時にある程度まとまった保険料を預け数年間運用してもらい、運用成果に応じて年金を受け取る「変額年金保険」が相続税対策にはおすすめです。

なぜなら、「変額年金保険」は保険会社の運用成果によって、受け取る年金の額が変動するという特徴があるからです。

運用成果次第では、受け取る年金が払い込んだ保険料より少なくなるリスクはありますが、被保険者が死亡したときに遺族に支払われる給付金は通常元本保証がついているため安心です。

もともと年金を受け取ることが目的ではなく、遺族に死亡給付金が支払われることを見込んでいるわけですから「変額年金保険」は相続税対策に適しているのです。

もちろん遺族が受け取った死亡給付金は上記の非課税枠まで相続税がかからないので、その分相続税の節税効果があります。

相続税対策のために個人年金保険に加入するなら「変額年金保険」がおすすめです。

契約のポイント 個人年金保険の契約形態と相続税対策

次に契約する際のポイントを2つ紹介します。

  1. 契約時から年金支給開始時までの期間をできるだけ長く設定すること
  2. できれば保険料を一括で支払うこと

相続税対策として個人年金保険に加入する場合、遺族に死亡給付金を残さなければ節税になりません。そのため、契約時から年金支給開始時までの期間をできるだけ長く設定することが大切です。

また、保険料を一括で支払えば高齢の方(80代でも)でもより加入しやすくなっています。さらに一括で払い込んだ保険料より死亡給付金は多くなり、その上「500万円×法定相続人の数」までは相続税がかかりません。

現預金として財産を残しておくよりも圧倒的に有利となります。

個人年金保険と生前贈与を組み合わせた相続税対策も効果的です。

相続税対策に個人年金保険を有効活用できるのは、高齢の方だけではありません。

子どもや孫に現金(預金)を贈与し、そのお金で子どもや孫が個人年金保険に加入するという相続税対策も今では定番となっています。

子どもや孫の教育資金や結婚資金、住宅購入資金等の準備が必要な場合は特に、生前贈与と「個人年金保険」を組み合わせることで、相続税を節税しながら必要な資金を準備することができます。

詳しくは以下の記事で書いていますので参考にしてください。
>>「超定番!生前贈与を受けた子どもや孫が生命保険に加入する相続税対策」

相続税対策での保険選びは相続専門の税理士に相談するのがおすすめ

ここまで、相続税対策に個人年金保険を活用するメリットやポイントを紹介してきました。

しかし、実際に個人年金保険の商品を選ぶとなると、保険会社はたくさんあり、どの保険会社のどの商品を選ぶべきか悩む方は多いでしょう。商品によって加入できる年齢等も異なってきます。

そこで、相続税対策も考えた個人年金保険を選ぶなら、「相続専門の税理士」に相談することがおすすめです。

相続専門の税理士は相続税対策のプロです。

相続税対策も兼ねた保険選び、年齢や保有資産の規模、家族構成に応じて中立の立場で保険を紹介してくれます。

また、保険以外の相続税対策もバッチリ完備しれくれますし、将来起こる相続税の申告もお任せできますので、相続に関する悩みが一気に解消されます。

個人年金保険以外にももっと効果的な相続税対策ができるのかどうかもチェックしてくれますので本格的に相続税対策をしたい方にはおすすめです。

「相続専門の税理士」に相談したい場合は群を抜いた実績をもつ「税理士ドットコム」を利用することがおすすめです。

「指定した条件」に合う税理士を無料で紹介してもらえますので、まずは話を聞いてみてはいかがでしょうか。

まとめ~個人年金保険を活用した相続税対策~

以上、個人年金保険を活用した相続税対策について紹介させていただきました。

あらためてポイントをまとめると、

  • 生命保険金の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)は必ず確保したい
  • 個人年金保険の死亡給付金にも生命保険と同じ非課税枠が設けられている
  • 個人年金保険は一般の生命保険に加入できない方も健康診断無しで加入できる
  • 高齢の方も一時払いの個人年金保険なら80代まで加入可能
  • 個人年金保険の中でも「変額年金保険」がおススメ
  • 契約時から年金支給開始時までの期間はできるだけ長くすべし
  • 保険料を払い込む期間を短くする方がお得(できれば一括)
  • 実際に保険を選ぶときは相続専門の税理士に相談するのがおすすめ

いかがでしたでしょうか。
読んでいただければ「一般の生命保険に加入できない人も個人年金保険には加入できること」「個人年金保険に加入すれば相続税の節税になること」がわかっていただけたと思います。

生命保険の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)は誰もが利用すべき相続税対策です。

そして一般の生命保険には加入できない方でも、個人年金保険を活用することにより生命保険金の非課税枠の確保が可能となり、相続税の節税ができるのです。

相続税対策はできるだけ早くからスタートすることが1番の「成功のカギ」です。現時点で相続税対策ができていない方や、今の保険の効果に不安がある方は、まずは相続専門の税理士に話を聞いてみることをオススメします。

この記事が、相続税対策のスタートをきれる1つのきっかけとなれば幸いです。