ずいぶん暑くなってきましたね。そろそろ各ご家庭のうさぎさんも暑さでストレスを感じ始めているのではないでしょうか。
暑さが増すと、室内にいても熱中症になることがあります。
うさぎや猫なども、熱中症になるケースは珍しくありません。野良猫がぐったりしていたという話も夏にはよくあることです。デリケートなうさぎも、室内にいるからといって油断しないようにしましょう。
今回は、うさぎの熱中症予防にするべきことと応急処置の方法をご紹介します。
熱中症は放置すると命に関わるものです。発症自体を予防することが大切です。
Contents
うさぎの熱中症とは?注意すべき夏の飼い方
先日、インターネットの書き込みで「野良猫が人形みたいに固まっていたので不思議に思っていると、いきなり固まった状態で塀から落ちてきた。獣医に連れて行くと熱中症だと言われた」というものを読みました。
猫は基本的に、自分にとって快適な環境を探し出すことができる力を持っています。しかも野良猫なので、日蔭のある場所なんていくらでも知っていることでしょうし、書き込み内容からして、今回の夏が始めて迎える夏ではなかったはず。
そんな自力で涼しい場所へ行ける野良猫すら、熱中症に陥ってしまうことがあるのだと驚愕しました。そこで、私なりに調べてみた動物の熱中症対策で、うさぎに使えるものをご紹介しようと思ったのです。
飼育されているうさぎはケージに入っているため、野良猫のように自分で日蔭のある涼しい場所に移動することはできません。飼い主が気をつけておかなくては、ネットで話題となった野良猫のように、ある日突然コロンと倒れてしまいます。
夏の飼い方の基本として、まずはうさぎが置かれた環境についておさらいしてみましょう。
<うさぎの夏の飼育方法>
- ケージは直射日光があたらない場所へ
- 風通しをよくして換気をする
- 水はたくさん飲めるようにする
- 涼しくなる工夫をする
大切なのは、この4つです。暑さ対策と似たような注意点となりますが、大事なのは極端に高温となる環境にはおかないこと。たとえエアコンをつけっぱなしにしていても、ケージが直射日光のあたる場所や窓の近くにあると、ケージ内はけして快適にはなりません。
直射日光の当たる窓からは離して、ケージ内が極端に暑くなるのを防ぎましょう。風通しが良い場所に置くと暑い空気が停滞しないので、劇的に涼しくはなりませんが過ごしやすくなります。熱がこもらなければにおい対策にもなります。
水はいつでも好きなだけ飲めるようにしておきましょう。大容量のボトルを設置してあげてください。一般的なサイズのうさぎであれば、飲み口の大き目なものを選んであげてください。その方が一度にたくさん飲めます。
体が小さ目な子は飲み口が小さいものを設置しますが、小さい飲み口のボトルは詰まりやすいため、毎日きちんと水が出るか指で押して確認してください。たまに「何日も水が減らないから確認したら飲み口が詰まっていた」という経験談をブログなどで見かけます。
別の季節でも数日水が飲めないと命に関わりますが、夏はとくに水分補給が重要です。いつでもきちんと飲めるようにボトルを確認してあげましょう。
お皿に水を入れておくのも良いのですが、個人的にはあまりおすすめしません。うさぎがケージ内で跳ねた時に牧草や糞が入り込んでしまうことが多いためです。
また、退屈を感じるとうさぎは物を咥えて投げるという遊びを始めるので、お皿ごと引っくり返してしまう可能性が高いです。
最後の涼しくなる工夫については、もっとも簡単なのがエアコンです。エアコンを25度前後の温度にして1日中つけっぱなしにしておくと、日中の一番暑くなる時間帯も快適に過ごせます。
夜はある程度気温が落ち着くため、地域によっては寒さすら感じることがあります。日中の暑さと夜の涼しさに大きな差があると、それだけでうさぎは体調を崩します。エアコンを上手に使って一日中ずっと温度の変化が少ない環境を作っておきましょう。
熱中症になるのは暑さだけではなく、体力が低下していることも原因です。暑くなりすぎないことはもちろん、体力が落ちるような激しい温度変化が起こらないように配慮も重要です。
うさぎが熱中症になった時の症状とは
普段は元気そうに見えていても、体調や年齢によってはある日いきなり熱中症を発症することがあります。熱中症の症状や傾向が見られたら、それまでの飼育環境を見直してみましょう。
<うさぎの熱中症の症状>
- 体温が高い
- ぐったりしている
- 呼吸が浅くなる(速くなる)
主な症状は、他の動物や人間と大差ありません。うさぎは平熱が人間より2~3度ほど高いのが普通ですが、熱中症になるとさらに上がります。いざという時にすぐ分かるよう、日頃から飼っているうさぎの体温のおおよそを把握しておくと便利です。
健康診断などで動物病院を受診すると計ってもらえます。計る際に何度だったか聞いておきましょう。
ペット用の体温計で調べることもできますが、耳が赤くなっているかどうかでも多少判断できます。うさぎは耳で体温を調節しているため、耳が赤くなるのは体内の熱を逃がそうと血流が上がり、血管が膨張していることをさします。
いつも以上に耳が赤い時は、部屋の温度を見直したり、様子を見てみてください。ぐったりしているようであれば、熱中症をすでに発症している可能性があります。
ぐったりしていて呼吸が浅いというのは、熱中症の特徴的な症状です。とはいえ、呼吸の速さは動物によって異なるので、専門家でなければ判断しづらいところ。呼吸の速さや浅さよりも、素人は体温の高さやぐったりしているかどうかの違いで判断しましょう。
他にも重症度によって体を伸ばしていたり、よだれを垂らしていたり、自力で立っていられない状態になります。中には下痢をする子も。意識障害を起こして気絶しているのは、最も重症な状態です。既に臓器障害や血液凝固などが起こっているかもしれません。
※熱中症にならないための暑さ対策の基本はこちらのページで解説しています。
→→『うさぎの夏の暑さ対策、飼育方法注意点まとめ』
うさぎが熱中症を起こした時の応急処置方法
うさぎの様子が変だな、もしかして熱中症かな、と疑わしい状態であったら、すぐに病院へ連れて行きましょう。
ただし、そのまま連れて行くだけでは待たされることもあるため、先に電話で連絡しておくことをおすすめします。
動物病院へ電話し、
- ぐったりしている
- 体温が高い
- エサを食べない(水を飲まない)
など、うさぎの状態をよく観察して、気が付いたことはすべて伝えます。
もしそれで獣医さんが熱中症の疑いありと判断した場合、病院に行くまでの処置方法を指示してくれます。教えてもらった通りの処置をして、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
動物病院では後回しにされてしまわないよう、受付できちんと「熱中症かもしれない」と症状を伝えるようにしてください。早めの処置をすれば助かる可能性は高くなります。
熱中症は処置の的確さと素早さが重要です。手遅れにならないよう、気が付いたらすぐに行動してください。
獣医さんが指示してくれる処置方法は、主に以下のようなものです。(状態や獣医さんによって多少異なります)
<うさぎの熱中症の応急処置>
- 今いる場所より涼しい場所へ移す
- 体を水に浸す
- 濡れタオルで体を包む
- スプレーで水を体に吹きかける
- 水を飲ませる
- 人間用スポーツドリンクを薄めて飲ませる
熱中症は体が熱を持ちすぎているので、まずは体を冷やす必要があります。
小動物の多くはそのまま体を水に浸すと良いのですが、うさぎの場合は水嫌いな子が多いです。
水に浸けられても遊んでいられるような、水が平気なうさぎならともかく、それ以外のうさぎは濡れタオルで包んであげる程度に留めましょう。
うさぎは汗をかかないため、汗の気化熱で体を冷やすということができません。濡れタオルで人工的に体表を湿らせてあげると、気化熱を利用して体温の引き下げが可能となります。濡れタオルの他にスプレーで水を吹きかけるのも効果的です。
水分補給はこまめに。一度に大量に飲ませると逆に吸収性が悪くなったり体調を悪化させる原因となります。こまめに少しずつ(飲める分だけ)飲ませます。あまり飲みたがらない場合は無理に飲ませる必要はありません。
獣医さんの中には、応急処置としてスポーツドリンクを2倍に薄めて飲ませるという方法をすすめてくる人がいます。大量に飲ませたり習慣的に飲ませるのは虫歯の原因にもなり良くありませんが、具合が悪くて水を飲む気力がない場合には飲みやすい味のものを与えるのは良いそうです。
水分補給を優先すべき場合は、獣医さん指導のもとでスポーツドリンクを活用してみましょう。
うさぎ専用のドリンク剤もある
ちなみに、うさぎ用のスポーツドリンクのようなものも存在します。人間用でもポカリスエットなどでよく見かける、粉末やポーションを水で溶かして作るタイプです。
私も先日、購入してみました。幸いまだ必要となったことはありませんが、これで水が飲めない時の応急処置は安心です。
うさぎ用フードを通販で購入したら「これを注文した人はこれも買ってますよ」と紹介されました。そのおかげで見つけたのですが、1回分ごとに小分けされている点が良いな、と思いました。うさぎとお出かけする際も1袋だけ持ち歩けるので、荷物にはなりませんし。
メーカー表記の成分は以下のとおり。
*原材料*
ブドウ糖・塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸マグネシウム・乳酸カルシウム・炭酸水素ナトリウム
*主な成分*
エネルギー36kcal
炭水化物9g
たん白質0g
脂質0g
ナトリウム160mg
カリウム58mg
カルシウム4.0mg
マグネシウム1.2mg
与え方は水200mlによく溶かして飲み物として与えるだけです。うさぎはお菓子などの甘いものが大好きなので、味のついたものなら食欲のない時にも飲むことがあります。獣医さんによっては与えるべきではない、という意見の人もいますし、体調によってうさぎ自体が受け付けないこともあります。
そういった場合は無理に飲ませず、指示通りの処置をしてあげましょう。
個人的に思ったのが、『防災グッズに良いな』ということ。災害時のストレスで食事をとれなくなった時用にうさぎの防災グッズとして用意しておくと安心できます。私も、熱中症予防というより防災グッズとして購入しました。
熱中症や具合が悪い時の処置用に買い置きしておくのも、防災用に保管しておくのもおすすめです。水さえあればすぐに用意できます。
※うさぎ用の防災って他に何が大切なの?という人へ
→→『地震対策に!うさぎのための防災』
うさぎの熱中症予防と応急処置の方法まとめ
うさぎは暑さに弱く、意外にも寒さにも弱い生き物です。ある程度は適応できるとはいえ、なるべく快適な環境を作ってあげるようにしてください。環境によるストレスで病気を発症することもあるので、ストレスの元はできる限り排除してあげましょう。
何故うさぎの熱中症は予防や早急な処置が必要なのか。それは命に関わることだからです。
暑さで内臓がやられてしまうと、たとえ命が助かっても別の病気(内蔵機能低下によるうっ滞など)の発症リスクが上がります。
また、うさぎは嘔吐ができない体の構造をしています。熱中症の症状の一つに嘔吐があるのですが、うさぎが嘔吐した場合は口から吐き出されることはなく、逆流した食料は呼吸器官をふさぎます。結果、暑さとは関係のない窒息で死亡してしまうのです。
熱中症はそういった間接的な病気にもつながるため、必ず予防しなくてはなりません。人間にとっては少し涼しいかな、という日も、涼感プレートなど暑い時に涼めるアイテムをケージ内に入れておくべきです。
- 涼しい環境を作る
- 水をきちんと飲ませる
- 異変が起きたらすぐに獣医へ連絡
- 獣医の指示にしたがって体を冷やす
- すぐに動物病院へ連れて行く
このステップを忘れないようにしましょう。熱中症は早期治療が重要なため、混んでいる動物病院しか近所にない場合は少し足を延ばすか、事前連絡で到着後すぐ優先的に見てもらえるように手配しておきます。
夏は犬や猫、うさぎの熱中症患者が多いため、受診せずに済むよう予防を徹底してください。
うさぎ暑さ対策グッズまとめ
うさぎ暑さ対策グッズもまとめておきます。
暑さ対用品 | 解説 |
価格:1.520円~ おすすめ度:★★★★ |
ペットの臭いの問題、除菌、掃除の必需品。なめても安全な成分で病気予防にもなります。 |
価格:1,700円~ おすすめ度:★★ |
電気なしで使えるうさぎの暑さ対策グッズの定番品。うさぎが持ち上げて遊んでしまうデメリットあり。 |
価格:1,960円~ おすすめ度:★★★ |
こちらも電気なしででてきる暑さ対策用品。重さがあるので、涼感プレートとは違い持ち上げられるリスクはありません。冷凍庫で冷やしたプラスチック製の保冷剤を併用すると、昼間の数時間ならじゅうぶん快適に過ごせますよ。 |
価格:2,074円~ おすすめ度:★★ |
夏の害虫対策におすすめのアイテム。火を使わないのでペットにも安心して使えます。 |
価格:2,450円~ おすすめ度:★★ |
蚊以外の害虫対策におすすめ。植物由来害虫駆除成分で予防も退治もできるのがメリット。 |
特にカンファペットはお掃除の必需品です。
安全な成分で病気予防にもなるので、夏に限らず、常時使うようにしておきましょう。
※カンファペットの使い方について詳しくはこちら
⇒夏のうさぎ用ケージのお掃除にカンファペットがおすすめ!実際に使ってみた感想
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