うさぎも人間も注意すべきダニが冬に増える理由と対策方法

以前、こちらの記事『冬ならうさんぽも安全?ノミやダニを避ける方法』でもご紹介しましたが、冬だからといってダニやノミがいなくなるわけではありません。

むしろ、寒さで換気がおっくうになる冬にこそ、ダニやノミには注意するべきなのです。加湿器による適度な湿度、暖房による繁殖しやすい温度に加え、エサとなるフケも多くなる季節です。

今回は、数あるダニの中でも家の中でもっとも多いダニ、ヒョウヒダニについての解説と、対策方法をご紹介します。

放置しておくとうさぎだけではなく、私たち飼い主までもがアレルギーなどダニの被害を受けることになります。

家の中に多く存在するヒョウヒダニに注意

ダニは複数の種類がありますが、中でも家の中で注意すべきなのがヒョウヒダニという種類です。ヒョウヒダニは家の中に生息するダニのうち、およそ8割を占めると言われているほど多いです。

このヒョウヒダニ、人間やうさぎ、犬猫を噛むことはないのですが、糞や死がいが害となります。糞や死がいを吸い込んだりすると、呼吸器官の病気になったり、アレルギーを発症することがあります。

家にいるダニの8割を占めるというだけでも驚きですが、ヒョウヒダニは人間やペット達のフケなどをエサとしています。そのため、人間やペットがいる場所は増えやすい環境。根絶することは難しいとも言えます。

また、カビも食べ、綿ぼこりの中などで増えます。ペットの糞尿を長く放置していたり、ケージの掃除を十分にしていないと、カビが生えたり抜け毛で綿ぼこりができたりと、ペットを飼っていない家よりもダニが増えやすくなります。

冬は加湿器を使うというお宅や、旧式のストーブの上にやかんを置く、というお宅も注意。カビが生えなくても、ダニが増えるのに十分な湿気を室内に生み出している可能性が高いです。

うさんぽの際もウサギツメダニなど、うさぎにしかつかないダニや、犬猫にもつくタイプのダニなど、多くのダニに注意しなくてはなりません。

しかし、これらのダニは、ほとんどが噛んだり体毛の間で生息したりとダニ自身が病気を引き起こしているもの。ヒョウヒダニと違い、うさんぽの機会を減らしたり、異常を見つけたら獣医で専用の薬を処方してもらうことで治療可能です。

ヒョウヒダニの場合は、家中のいたるところに生息している上、ダニ自身よりもその糞や死がいが病気の原因となっています。そのため、仮に家中のダニを死滅させたとしても、糞や死がいが残っていれば、けして安全とはいえません。

ヒョウヒダニ対策は、死滅させることよりも生きたまま家から追い出し、数を減らすことを意識するべきなのです。

冬でもできるヒョウヒダニ対策

夏場だとよくダニ退治はカーペットを炎天下の車内に入れておくだけ、と言います。実際、ヒョウヒダニは60度以上の熱に弱いので、かなり効果的な対策方法です。

しかし、日差しの弱い冬にはできない対策でもあります。暖房を60度以上に設定することは不可能ですし、もしできたとしても人間やうさぎが暑さにまいってしまいます。

次に考えるのが、ドラッグストアなどで購入できる煙タイプの殺虫剤。これもダニに効果的とされている商品が多いのですが、調べてみるとヒョウヒダニには効かない可能性があることが分かりました。

むしろ、ヒョウヒダニをエサとして生きる別のダニを殺虫してしまう効果があります。つまり、退治どころか逆にヒョウヒダニにとって天敵のいない快適な環境づくりをしてしまうかもしれないのです。薬剤自体も農薬系の劇薬となるため、かなり丁寧に掃除しなくては、うさぎの健康に害を及ぼします。

温度対策もダニ殺虫剤も駄目となると、冬にできるダニ対策は次のものが挙げられます。

<冬にできるダニ対策>
  • 掃除機で吸い込む
  • 換気をする
  • 湿気を溜めない
  • ダニに効く天然ハーブ

ヒョウヒダニが害をなすのは、糞や死がい。つまり、掃除機でしつこいくらいに吸い取ってしまえば良いのです。ダニアレルギー対策は布団を干すより掃除機で表面を撫でることだ、とテレビ番組で断言する学者もいました。

それを考えるとダニ退治に紫外線は効果ないじゃないか、と言われたあの掃除機も、ヒョウヒダニ対策としては役立つと言えます。

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叩いて吸い込んでくれるので、布団の奥にある糞もしっかり浮かせて吸い取ってくれるのではないでしょうか。

掃除で布団などの糞や死がいをある程度処理したら、次は増やさないための対策です。換気をこまめにして、湿気を溜めないこと。ダニはカビもエサにし、ある程度の湿気の中で育ちます。冬の乾いた空気は苦手なのです。

しかし、肌や喉の乾燥を懸念して加湿器を使用する家庭も多いでしょう。締め切った室内で加湿器をつけっぱなしにしておくと、思わぬ場所にカビが生まれたり、ダニの繁殖しやすい湿気のある場所を作ってしまいます。

加湿もしつつ、定期的に換気をして外の冷たく乾いた空気も取り込みましょう。またこまめに空気の入れ替えをすることで、空気中に舞ったヒョウヒダニの糞や死がいを外に追い出すこともできます。

一人暮らしの場合は机上に置く小型の加湿器などを利用して、自分の周囲以外は余分に湿度をあげないようにする対策もおすすめです。

もっと手軽にかつ積極的にダニ対策をしたい、という場合は、天然ハーブを試してみましょう。ヒョウヒダニが苦手とする天然ハーブは、ユーカリです。市販のユーカリオイルを数的たらして寝具を洗うだけで、枕カバーなどのヒョウヒダニはほとんどいなくなります。

ここで注意したいのが、ユーカリは若い葉だと毒性があること。そして、オイルも濃度によってはうさぎにとって害となること。厳選したユーカリオイルを使用するのはもちろん、うさぎに害のない濃度で使用しなくてはなりません。

手作りする方法もありますが、やはり一番安心なのはペット専用に作られた商品を使用する方法です。濃度も材料もしかりとチェックされているものを使用すれば、うさぎのいる部屋のカーペットにもスプレーできます。

おすすめはピレカロールという虫除けスプレーです。天然素材のみで作られており、ペットがいる家でも安心して使えるよう、濃度もきちんと調節されています。

天然オイルで消臭効果もあるため、ダニ対策とにおい対策の両方を行いたい飼い主さんにはぴったりです。人間と共用できるので、人間とうさぎで一緒にヒョウヒダニ対策ができます。

うさぎにも使えるピレカロールの虫除け効果とは

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ピレカロールは、天然成分のみで作られた虫除けスプレーです。

防除用医薬部外品に分類される、殺虫剤としても使用できるもの。医薬部外品は複数の種類に分けられますが、ピレカロールは『人または動物の保護のためにする ねずみ、はえ、蚊、ノミその他これらに類する生物の防除の目的のために使用するもの』に当てはまります。

厚生労働大臣により指定されている商品のみがあげられるのですが、基本的に、体に対する作用が比較的おだやかなものとされています。これだけでも安全性を多少は感じられそうですが、ピレカロールの場合は、ペットにも使用できるように配合物にこだわっているのが特徴的です。

オーガニック認証食品工場でも使うことができる殺虫剤でもあります。オーガニック関連は条件が厳しく、食品を生産する土壌から徹底的に制限されています。そのような場で使用できるのは、ピレカロールが100%天然成分で作られている証拠です。

しかも防除用医薬部外品の指定をされている点から、国から一定の効果が認められているものでもあります。ペットにも使えるものの中には安全性を重視するあまり効果がサッパリ、というものもありますが、ピレカロールは国から保証されているため、期待できます。

ただし、爬虫類など一部のペットには使用できません。犬猫、うさぎの他にもペットを飼育している飼い主さんは、まず公式サイトから「○○を飼育しているが安全か」どうかを問い合わせてみてください。

ピレカロールは天然のユーカリ成分をはじめとして天然オイルを使用、しかもスプレー自体がガスを使用しないタイプなので、環境にも優しいつくりとなっています。

一般的なスプレーは、エアゾール式やLPG噴射ガス式、トリガー式の3種類。エアゾール式は石油系溶剤を使用しており、主に消化器などがこのタイプです。LPG噴射ガス式は日常品でもよく使われており、市販されている殺虫剤でよく見るタイプです。

ピレカロールはスプレー式で、いわゆる霧吹きなどと同じ原理です。余計な溶剤やガスが含まれていないので、引火などの事故の心配もありません。いくら成分にこだわっていても、スプレーした時にガスなどが一緒に噴射されるようでは意味がありませんね。そういった細部にまで安全性が徹底されているのは嬉しいです。

ヒョウヒダニの少ない家でうさぎも安全

この他、家を新築やリフォームする際に可能なのが、材木選びからこだわることです。

ヒョウヒダニは、ムクの木が放つフィトンシッドが大の苦手です。フィトンシッドとは、微生物の活動を抑制する効果をもつ、樹木が持つ化学物質のこと。

フィトンシッドによる効果を持つムクの木を積極的に選ぶことで、家の中にダニが住み着きにくいスポットを増やすことができます。防ダニ加工されたカーペットなども重要ですが、その前にカーペットを敷く床材からこだわるというのもおすすめです。

とはいえ、床材などから交換するのは難しいですね。賃貸の場合などは、自分の意思でどうにかできるレベルではありません。

そのような家では、スプレーなど後から使えるダニ撃退グッズを活用しましょう。

虫除けスプレー『ピレカロール』のように天然のユーカリ成分が配合されたものなら、ある程度は対策になります。もちろん、ペット使用が可能かを確認することも忘れずに。

今回私が企業さんに問い合わせてみたこのピレカロールは本来、犬や猫でも使用可能とのみ書かれていたもの。ですが、直接担当者の方にお伺いしたところ、100%天然素材なのでうさぎのいる家でも使用可能とのことでした。

ただし、天然成分(ユーカリやレモンセントティーツリー)自体にアレルギー反応を示す子もいるため、直接ふきかけることはしないでほしいそうです。うさぎから離した場所で、換気をしながら使うようにしましょう。

このアレルギー自体は稀に人間でも起こる人がいるらしいので、飼い主さんも使用の際は吸い込まないように注意してください。

注意点さえ守って使用すれば、冬でも気軽にダニ対策できるグッズなので、手軽でおすすめです。冬に虫除けスプレーなんて、と妙な気持ちになりますが、体に優しいダニ対策だと思えば納得ですね。

個人的な感想ですが『ピレカロール』について問い合わせた際にしっかりと丁寧に答えてくださったので(使用時の注意点も教えてくれたので)、それだけでも十分信頼できる企業さんだと感じました。

後ろめたい企業さんだと「犬猫も使えるから大丈夫ですよー」くらいしか言わないのではないでしょうか。実際、そういうスタンスでうさぎによくないおやつを販売しているペット用品会社もありますし。

ピレカロールの企業さんははっきりと「商品に含まれる、植物の成分は、蚊や昆虫、爬虫類には影響を与えますが、哺乳類と鳥類には安全な虫除け成分です。」と答えてくださいました。これだけで、きちんと効能について調べているんだなと分かります。

成分的にも企業の対応的にも、安心して使用できる虫除けスプレーだと感じました。

うさぎも人間も注意すべきダニが冬に増える理由と対策方法のまとめ

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冬は寒いから害虫も大人しくなるはず!という勘違いは危険です。確かに屋外の虫の多くは活動が鈍くなりますが、うさぎが草むらに入ればノミに刺されてしまいます。

屋内にいることの多いダニは、さらに要注意。屋外が過ごしにくい冬でも、人間の住む家は快適です。暖かくて、適度な湿気があって、隠れる場所(布団など布の中やカビ、ホコリの中)もある。おまけに、エサとなるフケが増えやすい時期です。

こんなに良い環境が整っているのに、ダニが増えないわけがありません。うさぎにとって快適な室内環境は、ダニにとっても繁殖しやすい環境なのです。

  • 加湿のしすぎに注意する
  • 定期的に換気する
  • 寝具など布類はこまめに掃除機をかける
  • カビやホコリを溜めない
  • うさぎのトイレをこまめに掃除する
  • ケージの掃除もこまめに行う
  • うさぎに安全な虫除けスプレーを使う

必要なポイントはこの7つです。夏は菌などによる病気予防としてこまめなケージやトイレ掃除が重要でしたが、冬はカビ予防やダニ対策として欠かせません。

布団や枕などは外干しだけでは心もとないのが冬の寒さ。ダニは60度以上の熱で殺虫できますが、気温の低い冬では難しいため、掃除機でまるごと吸い取る方が確実です。

他にも人間自体がフケ対策をするのもおすすめです。乾燥肌になりがちな方は、フケが出ないよう保湿性の高いシャンプーやコンディショナー、トリートメントを使ってみてください。ボディクリームも塗っておくと、頭皮以外の皮膚の乾燥も防げます。

ダニ対策に殺虫剤を使用する場合は、成分に注意しましょう。ピレカロールのように、必ずうさぎがいる部屋でも使用可能なものを選んでください。単純なペット用だと、犬猫などの肉食獣なら安全という程度の商品である可能性もあります。

うさぎに長生きしてもらうためにも、安全に使用できるものを選んでください。

※その他、ダニやノミ全般についての対策はこちらでも解説中です。
→→『ダニなどのうさぎの害虫対策』へ

※2017年10月追記※
近年、ダニの危険性がついに人間にとっても無視できないものになってきました。2017年には日本国内でマダニ(ダニの一種)にかまれた猫や犬が原因による感染症の発症例(死亡例もあり)がニュースになりました。
詳細を記事にしているので、そちらも参考にしてみてください。
→→『ペットのマダニが原因で人間が重症になる感染症の対策について【うさぎの飼い主も注意】』へ

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