保険募集人になるには【良いセールスマンとは?】

かつて私は生命保険会社において新人営業職員の教育をしていたことがありました。良い営業職員つまり良い保険募集人たるにはどうすればよいかということを教えていたことがあります。生命保険に関することでいえば、そもそも保険募集人になるためにはまずどこかの保険会社に就職しなくてはなりません。

保険募集人になるには:金融庁への登録が必要

まずは保険会社の職員であることが大前提となります。国内生保でしたら何度かの面接を経て、入社という運びになるでしょう。もちろんその際も常識確認程度のテスト等を行うかもしれませんが、それよりも保険募集人にとって重要な試験が月に1回実施される生命保険募集人試験という試験となります。

一般課程試験と呼ばれていますが、この一般課程試験を通って金融庁へ登録をしてはじめて保険募集人を名乗ることが出来るのです。一般課程試験は試験の難易度自体は難しいものではないのですが、生命保険の商品知識、税金、法律や周辺業界についてなど学習範囲がやや広いのである程度はしっかりした学習と模擬試験が必要な試験であるのには間違いないです。合格点は各保険会社によってまちまちですがおよそ7割~9割が合格ラインです。

その試験をパスし金融庁への登録を済ませると、もう保険募集人として保険商品を取り扱うことが出来るのですが、ここまでは正直言ってスタートラインにも立っていない状態と言えます。ではどうなってはじめて保険募集人になったと言えるのでしょうか。

良いセールスマンとは?:顧客本位の心がけ

もちろん良い保険のセールスマンであることをイメージすることからでしょうが、良いセールスマンとは何かというとこれは難しい問いであると思います。単純に契約を多く取れるセールスマンが良いセールスマンなのでしょうか。おそらくこれはあながち間違いではないと思いますが、もしそうなりたいのであればそうなるために月並みではありますがやはり顧客本位のセールスを心がけるべきです。そうすれば自ずと契約はついてくると思います。

では顧客本位のセールスとはどんなものでしょうか。

アプローチ:コミュニケーションに時間をかけて信頼関係を築く

保険のセールスを行うのにファーストコンタクトから成約までいくつかのプロセスがあります。初対面の顧客の場合は会ったその日からいきなり成約までこぎつけるというのは大変困難なことで、足繁く通いいくつかのプロセスを行ったり来たりしながら最終的に顧客に納得してもらい加入という流れになります。

まず初対面ないしはまだ関係性が築けていない時点ではアプローチという段階になります。ここは顧客の不信感を取り除き、コミュニケーションを図るという最も重要な段階とえます。この段階においては特別な知識は必要ありません。いわゆる世間話ですので、世間一般的なコミュニケーション能力がカギとなります。

もちろん身なりを整え第一印象を良くすることや顧客の住環境やライフスタイルなどをくまなく観察すること、ネタになりそうな情報を収集することなどこのアプローチの段階は最も準備に時間がかかりますが、実はこの段階に占める時間が多ければ多いほど成約に結び付く確率は高くなります。

ニーズと喚起:理解不足がいかに不利益であるかを伝えていく

そしてその次の段階がニーズ喚起といい、顧客の顕在的潜在的な保険の必要性を呼び起こす作業です。ただしいきなり保険って必要ですよね?ということをストレートに伝えても不審がるだけでしょう。この段階はその前のアプローチの段階とリンクしていて、アプローチの段階で得た情報をもとに保険の必要性を保険という言葉を用いずに説いていきます。

もちろんそれはニュースで取り上げられているようなことでもいいですし、自分の身近なことでもいいのです。それを保険の必要性もしくは保険に入っていないことや保険の理解不足がどれほど恐ろしいことかということに繋げていく作業となります。実はアプローチとニーズ喚起で全プロセスまでの9割を占めているといっても良いと思います。(参考:訪問か来訪か)

クロージング:アプローチからの結果がでる時、信頼が継続へと導く

最後の成約に至る最後のプロセスであるクロージングという段階はむしろ今までのアプローチとニーズ喚起にどれだけ時間を割いたかの結果にすぎずさほど重要ではありません。以上のように契約時のセールスについて書き連ねましたが、もちろん契約時だけでなくその後のフォローも重要であることは言うまでもありません。むしろ満期時や保険金支払い時までしっかりとフォローを行ってはじめてセールスマンと言えるのではないでしょうか。

           

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