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金が暴落!いよいよ中国人投資家の影響が出始めた?【金先物相場の為替・株価への影響】

2015/07/27

2015年7月20日の朝9時29分、日本は海の日でお休みでしたが、上海の相場が動きはじめる瞬間にCOMEX・ニューヨーク証券取引所にたった2分で5トンもの売りが持ち込まれ4秒足らずで20ドルという暴落が始まりました。下落は中国の相場だけでは収まらずその日のNY市場では金がさらに下落することとなっているのです。

金が暴落した原因 中国人投資家のマージンコールによる投売りがきっかけか?

上海の株式市場は腕力で下げを抑える驚くべき政策が飛び交っていますが、予想どおり、ほかの市場にそのひずみが出始めているものと思われます。

参考:中国株式市場の下値にたいする投機筋の楽観論の根拠とは

20日の2分間5トンの売りは紛れもなく中国人投資家の投げが原因で、中国系投資ファンドもそうですし、個人投資家のマージンコールによる投げも強制決済のような形で出ている可能性があるようです。

株式が売るに売れないため、金のような商品で価格が下落すると結局のところ追証を入れられなくなるというのが実態で、まさにこれが呼び水になって投売り祭りが開催されはじめているようです。バンクオブアメリカメリルリンチのリポートではすでに金、コモディティ、新興国資産の投売りが起きているとしており直近2週間の貴金属ファンドからの資金流出は100億ドルをこえており、4ヶ月ぶりの高水準となっているようです。

モルガンスタンレーの分析では金は800ドルをつける可能性もあるとのこと

さらにモルガンスタンレーの分析では金相場はさらに下げを加速し最悪のシナリオの場合1オンス800ドルも視野に入ってきているとのことで、夏枯れであまり動かないと思っているうちに大きな流れの変化に巻き込まれることもありそうな状況となってきているのです。

金先物というのは1日でも最大で25トン程度が上限の売買となっているわけですから、2分で5トンの売りがでるというのはかなり尋常ではない状態ですが、冷静に考えてみたときに市場で金先物を購入している投資家が追証を払えないが故に価格が下落し、下落した価格を見てまた売りに出る向きが登場するため、周辺のコモディティや新興国リスク資産にも飛び火する始末で、果たしてこれが株式市場にどれだけの影響を与えることになるのかが注目されるところです。

玄関開けたら2分でご飯というどこかのメーカーのCMがありましたが、相場あけたら本当に2分で5トンの売りがでたというのは中国がらみならではの状況といえそうです。

為替の視点でみれば資源国通貨の下落は免れない状況 豪ドル・NZドル下落か?

為替の視点で考えて見ますと、そもそも自国の中央銀行さえ切り下げをしたいと思っているのが豪ドルであり、NZドルですからこの状況で為替が下落しないはずはなく、スワップ金利狙いで安易に買い下がるのはかなり危険度が増しているといえそうです。これはカナダドルや南アランドも同様で、とくに豪ドルなどは夏場に必ず下落するアノマリーをもっていますので、売って儲かることはあっても買い向かいは相当な注意が必要となりそうです。

投資方針としては豪ドル・NZドルに投資できる準備はしておく

上述の通り、コモディティ価格下落に伴い、豪ドル・NZドルは下落する可能性が高いです。投資方針としては豪ドル・NZドルに投資できるよう準備しておくことが良いでしょう。とはいえ、スワップが高いので、売りから入るのはおすすめできません。ここは、急落し、落ち着いたところで買いを入れるのがいいかもしれませんね。各通貨ごとにスペックの高いFX会社は以下を参考にしてください。

豪ドル円:総合的に見て豪ドル円取引にお勧めのFX業者とは

NZドル円:ニュージーランドドルの外貨預金をFXでする方法

商品価格下落でまさかの円高も

商品価格下落はわらしべ長者の昔話のような連鎖を伴うものとなりますが、コモディティ価格の下落はドルの続伸につながりやすく、この時期に異常とも思えるほどドルが上昇してしまえば、FOMCは利上げ開始タイミングを9~12月からそれ以降へとずらさざるを得なくなる可能性も高くなるわけです。

特にドルの実効相場の視点で考えますとカナダドルやメキシコペソ、中国人民元などが影響を与えやすく実効ベースでのドル高がきてもおかしくない状況です。最近黒田日銀総裁は秋口のインフレ率達成に自信を覗かせており、現時点で金融緩和が行われる可能性も低いことからこの商品価格下落をきっかけに米国政府などからのけん制発言も多発して円高に振れる可能性も考えておく必要がでてきているといえるのです。

米国のファンド勢は金に関していればそれほど株価に影響はないと見ている模様

もっとも気になるのは株価の動きということになりますが、今のところ金に関してはそれほど株価には影響がないと見ている向きが多いようです。これまでも金の下落に株が引っ張られるケースは少なくなってきていますので、それほどの注意は必要ないようですが、コモディティ全般が崩れ始めますと、業績に影響のでる企業も登場しますので、それほど呑気に構えていられなくなる可能性があることだけは忘れてはならない状況です。