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ジャンク債市場に異変!ハイリスクなのにローリターンの市場に投資家は四苦八苦状態

FXのブログなのに債券の話ばかりするなと言われるトレーダーの方も多いことと思いますが、債券市場の異変は必ずFX市場に波及してくるものとなるため、実は株価以上にチェックしておく必要のあるものとなってきているのです。特に米国の債券市場はどうも様子がおかしくなってきていることが最近のメディア報道から伺い知れるのです。

そのひとつがジャンク債市場の流動性の低下です。

ジャンク債市場の流動性が著しく低下し利益も出ない状態がやってきた

QEは終了したもののFRBは市場から投入した資金の回収には動いていない状態が続いています。にもかかわらず最近の深刻とも思えるほど流動性を欠くようになっているのです。したがってこれまではなんのジャンク債でも購入していた債券投資家はより流動性の高い債券へとシフトするようになっているのです。この比較的流動性の高い債券は約210兆円ほどの市場規模となっていますが、高利回り市場の平均リターンを過去3年に渡って下回りつつありハイリターンから遠ざかっていることがわかってきているのです。

米国の高利回り市場の平均リターンはとうとう6月マイナスに

ブルームバーグの報道によると2015年6月の米国における高利回り市場の平均リターンはマイナス1.5%になっており、昨年の9月以降では最悪の状況となっているのです。これがなにかの市場変化を示唆しているのか一時的なものかはまだよく判らない状況ですが、最近ではハイグレード債(適格債)すらも売られる状況となっていますので、なんらかの市場変化の前触れととることは十分に可能な状況です。

巨大になりすぎたジャンク債市場

ジャンク債市場はリーマンショック後から直近までの7年間でなんと2倍のサイズに膨れ上がりいまや2兆ドルのマーケットキャップとなっています。リーマンショックでリスクの高い債券は懲りたはずなのに気がつけば過去3回におよぶ過剰なQEを受けてジャンク債市場は膨れ上がりすぎているともいえるのです。

米国の金利上昇を前に市場が不安定化している可能性も

米国の利上げについてはタイミングだけがやたらと報道されるようになっていますが、要するにこれは世紀の金融政策変更で今後利上げが次々行われる可能性も示唆しているわけです。しかし今の債券金融システムのバブルは異常ともいえる低金利が支えてきたものですからジャンク債市場が利上げを前にもだえ始めているとみれば状況は理解しやすくなります。市場では債券王とよばれるような人物の発言で国債金利が上下するようになっており、米国の利上げ時期はきわめてリスクの高いイベントになりつつあるのです。

実は日本人もたくさん購入しているジャンク債

通常証券会社などが販売するこうしたジャンク債をもとにした投資信託はハイイールドファンドなどという小奇麗な名前で呼ばれています。ざっと見ただけでもフィデリティのUSハイイールドファンドで純資産額は1兆1500億に迫る勢いで、何も知らずに投信で買っているサラリーマンなどがかなり多いことを示唆している状況です。ハイイールド債=ジャンク債=投資不適格債券ということをみなさん判って購入しているのでしょうか?

債券金利の大幅上昇や大幅低下は直接的に為替に影響

ドルをベースとした市場での債券の暴落、金利上昇といった動きは為替にもダイレクトな影響をあたえるものとなります。人間は地震などの天変地異の前の異常現象にはまったく気づかないことが多いですが、こうした人為的に作られている金融相場の異変については、必要以上に怖がることはないものの、なにかこれまでと違う動きになる可能性があることだけは認識しておく必要がありそうです。個人としてできることはタイトなストップロスをしっかり入れて必要以上に損失を膨らませないということです。

残念ながらこうした状況変化がどのような大きなものとなって現われることになるのかはまだまったわからない状況ですが、1937年に再来の兆候なのかもしれません。