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ギリシャ 各国の情勢

またまたリスクの高まる5月末のギリシャ問題【ギリシャショックあデフォルトの可能性】

2015/05/19

金融市場ではすっかり飽きがきた感のあるギリシャ問題で、ユーロの買戻しが大きく進んでいる状況ですが、とりあえずギリシャによる5月13日のIMFへの返済はなんとかなったものの、実はこれはIMFから引き出したお金で返済しただけで、完全にサラ金に追いまくられる離散寸前の一家のような状態が続いているのが今のギリシャの状況となってしまっているのです。

メインの断末魔は2015年6月末の返済延長期限ですが、その前に5月末段階でまたしても支払いが断続的に続くことになり、このタイミングで万事休すなのではないかという説も出始めているのです。

ここが乗り切れるかどうかはかなりクリティカルな状況ということがいえ、6月を待たずにデフォルトになる可能性がでてきているといえます。

そもそもEUには離脱が規則化されていない。

実はEUというのは発足当初から離脱が想定されていないため、レギュレーションとして離脱がどんどん進む状況ではなく、参加国での承認をひとつずつとって実現する可能性が高いのです。したがって起こりうる事態としては、EU離脱よりデフォルトが断然先となります。したがってデフォルトまでにどのような流れになるのかが気がかりな部分となるわけです。

2012年よりは軽微ながら国民投票の実施決定でとりつけ騒ぎの可能性も

現在ギリシャ政府は新しいドラクマの発行を真剣に検討しているとも言われていますが、いよいよ断末魔でチプラス政権がユーロ離脱などを含めた住民投票の実施を宣言した段階で、本格的な銀行でのとりつけ騒ぎが起こる可能性は極めて高く、銀行の破綻とともにギリシャ系企業もまともな決済ができなくなり、想像以上の混乱が起きることが予想されます。一定の期間で収まるとはいえユーロは大きく売られることとなり為替の取引だけ考えればまだまだかなり大きなリスクが発生することが考えられます。

安全保障上、米国も憂慮する事態に

ギリシャのデフォルトとその後のユーロ離脱が本格化することに、米国も非常に神経を尖らせていると言われますし、なによりドイツのメルケル首相もギリシャが北アフリカやロシア、中国との結びつきを強めることにより、金銭的な貸借でははかれない安全保障上のリスクを考えていると言われます。

これがあるが故にどこかで妥結点が見つけられると市場は考えているようですが、現状では改革プランもまったくギリシャ側から出されていない状態のようで、このままでは一旦デフォルトにならざるを得ない状況に追い込まれることになりそうです。

問題はそのタイミングが果たして5月末なのか6月末なのかということで、万が一、米国が6月19日のFOMCでまさかの利上げを行うことになれば、ユーロはこのギシャ問題を含めてさらに下落することも想定しておく必要がありそうです。現状では1.15を超えて1.18から1.2近くまでショートカバーしそうなユーロドルもどこまで買いについていくかそろそろ慎重に考える時期がやってきそうです。

ただ、ギリシャがユーロ離脱ということになれば一旦売られたあと、あく抜け感からユーロが思い切り買われるという動きになることも想定され、市場の動きを見極めていくのがなかなか難しい時間が続きそうな気配です。

長らく噂で買って事実で売るといったような動きが続きましたが、最近では事実が発覚してから改めて驚いて売りがでるといった動きも見られますので、いずれにしてもまだまだ甘く見ずにあらゆる可能性を常に想定しながら売買を続けていくことが必要になりそうです。

特に5月末はロンドン時間に突如として何か重大発表があることも考えられますので、思惑でポジションをたくさん保有せずにしっかり事実を確認しながらトレードしていくことをお勧めしたいところです。チャートがもっとも活かせない時間帯に突入しそうですね。

参考:ギリシャ新財務相ヤニス・バルファキスって何者?