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ロシア ロシアルーブル 各国の情勢 各通貨の状況

今後ルーブルはどうなる?ルーブルの見通し、ジャンク債のバブルへ崩壊の影響について

2018/04/17

12月18日に実施されたロシア・プーチン大統領の記者会見の席上、同氏は通貨当局による介入で今後通貨レベルはより最適化がはかられるとかなり前向きな発言をしていますが、実際ロシアは依然として日本円でほぼ50兆円弱の外貨準備を保有しており、実弾介入でドル売りをさらに大量に仕掛けてくる可能性は残されています。

実際のロシアの経済環境は1998年のデフォルトに極めて近い状況にあるとの関係筋の情報もあるとおり、かなり深刻な状況にありますが、直近ではロシアが原油安を容認しているという説があり、これがさらに原油価格の暴落を加速させているとされています。そもそもこのロシアルーブルの下落を理解する上でしっかりと認識しておかなくてはならないのが原油価格の下落に関する問題となります。

ロシア、イラン潰しが原油価格下落の当初目論み?

当初原油価格が大幅に下落した際にはサウジアラビアと米国によるロシア、イラン潰しではないかという憶測がかなり飛び交ったものですが、実際にそういった側面はあるにせよ、サウジアラビアはアメリカのシェールガス潰しのために減産をやめないとい説もあり、実際サウジアラビア自身がアメリカのシェールガスをターゲットにしていることを公言するなど、必ずしもその目標はロシアだけではないことが示現されはじめています。

ただ、皮肉なのはロシアの原油供給筋は国際的な供給取引の売買を米ドルで行っており、価格が1バレル100ドルから50ドルにまで下がっても、この間にドル・ロシアルーブルがほぼ倍に下落していることからルーブルに換算すると現地通貨での手取りは下がっていないというかなり皮肉な状況にあることも事実のようです。国民生活レベルではこのルーブル安は大変なことになっているのは事実ですが、こと原油の販売ということだけでみると思ったほど影響を受けていないのがロシアの状況となっています

投げたはずのブーメランが頭に当たり始めたアメリカ

ところが、より具体的な負の影響がではじめているのは実はアメリカという状況が出始めているのです。まずシェールガスの事業会社は原油価格1バレル60ドルを割った時点で既に採算が乗らなくなっているようで、国内でいち早く住友商事が大損をして撤退をしたような事態が参入各社で起こり始めています。

またこうした零細事業者が資金調達の手段として利用してきたハイイールドボンド・高利率のジャンク債が次々とデフォルトの危機に陥り始めているのです。最近JPモルガンチェースが発表したレポートによれば、このまま原油価格が1バレル60ドル以下に継続となった場合、3年以内にほぼ4割以上のエネルギー系のジャンク債がデフォルトするとされています。

つまり、問題はシェールガス事業の頓挫だけではなく債券市場でのジャンク債バブルの崩壊危機へと繋がっているのです。

国家破綻をかけて米国ジャンク債潰しを目論むプーチン

ロシアが原油価格下落を容認する背景には、逆にプーチン大統領の国家破綻をかけた米国エネルギー関連ジャンク債潰しがあるのではないかというのは最近話題になりはじめています。

つまり災いのはじまりはロシアの原油価格下落とその信用不安にもとづくルーブルの大幅安ですが、まわりまわってそのリスクがそのまま米国経済、とりわけ金融経済にサブプライムローン規模の破綻を齎すことを狙っているとされているのです。

最後の敗者は誰かまだわからない状況

こうしたことから、西側の報道だけ見ていますとロシア危機再燃が声高に語られていますが、米国の債券市場ではジャンク債バブル崩壊が現実味を帯びてきていますし、エネルギー系のETFについては米国内のヘッジファンドが高い証拠金まで積み上げて一斉に売り浴びせをかけている状況であり、ロシアだけが甚大な被害を受けておしまいになる話かどうかは正直なところまだわからないというのが実情です。

また、ロシアをオフショアとして生産やサービスの拠点的利用をはかっているドイツなど欧州諸国にも少なからず影響がではじめることは間違いなく、ロシアの外貨準備のリバランスでユーロが買上げられることになればECBのデフレ政策は窮地に立たされることから、火種がどこへ飛び火するかはまだまだこれからの推移を見守る必要があります。

そもそもの原油下落の背景はバーゼル3とボルカールールが影響?

原油価格の下落はアメリカやサウジアラビアの謀略説がしきりに語られているのは事実ですが、その一方で、バーゼル3やボルカールール(参考:ボルカールール導入による為替に与える影響について)の厳格な適用により金融機関がリスクの高い投機的な商品への資金投入から撤退せざるをえない状況が実はもっとも大きな原油下落の背景であるとする説もささやかれており、今後原油のような商品に投機的なマネーが入りにくくなることから現状の価格下落が起こっているという指摘も出始めています。

実際コモディティ全般からヘッジファンドの資金が撤退しているのは事実であり、金をはじめとして様々なものの価格が下落していることもそれを裏付けている状況です。

ルーブルのFXをするには?外貨預金はない

現状ではハイリスクのロシアルーブルですが、下げ止まった局面では頻繁な売り買いはできないとしても、原資を減らさない状況で驚くほど高額なスワップポイントを獲得できる可能性は高く、破綻寸前に有利な取引条件が齎されることがあることは覚えておく必要があります。

ルーブルのFXはサクソバンク証券で取引ができます。

ちなみにルーブルの外貨預金というものは現在のところないようです。

参考:ロシアルーブルの外貨預金をFXでする方法【ルーブル(RUB)のFXができる会社】

デフォルト寸前でぼろぼろだったギリシャ国債がいまも何食わぬ顔で粛々と売買されている不条理を考えますと最大のピンチの時に仕入れるというのもひとつの戦略になりますが、紙一重の状況で奈落の底に落ちる可能性ももちろん残されていますので十分な注意と思い切りが必要な投資となることは間違いありません。