ヒロセ通商がトルコリラスワップ固定を断念!その理由と今後の見通し
トルコのスワップポイントに激震走る!
FXのスワップ派にとっては、どんなにキャンペーンを行い低スプレッドを謳っても、スワップポイントの大きさが事が唯一の絶対正義ですよね。
このポイントが高ければ高いほど、業者として優れていると単純に思ってしまいます。
何度もこのブログで書いていますが、スワップポイントは一般的に各国の政策金利の高さに反映されます。現状では、
- ブラジル レアル…13%
- トルコ リラ…8%
- 南アフリカ ランド…7%
このようになっているので、これらの通貨ペアを建てれば、まず業者毎に違いはありますが、銀行預金や米ドル/円などに比べたら破格の利息(スワップポイント)となります。
しかし、そんな平々凡々のスワップトレーダーに対して、最近ちょっとした地殻変動が起こっています。
まずは、2年前の各業者のトルコリラ/円のスワップポイント一覧をご覧になって下さい。
Contents
2015年5月のトルコリラ/円 スワップポイント
- サクソバンクFX証券(スタンダート)…126円
- 外為どっとコム(外貨ネクストネオ)…122円
- ヒロセ通商(LION FX)…115円
この当時は新参者というか風雲児的なヒロセ通商が、スワップポイントで頑張っているのが分かります。
この115円というのは、トップのサクソバンクや外為どっとコムには劣りますが、くりっく365勢に肉薄する高スワップポイントだったのです。
それが現在になるとどうなるかと言うと、
2017年2月のトルコリラ/円 スワップポイント
- サクソバンクFX証券(スタンダート)…85円
- 外為どっとコム(外貨ネクストネオ)…81円
- ヒロセ通商(LION FX)…87円
このような散々たる結果となりました。
平均すると各社30円~40円程のスワップポイント下落となります。これが他通貨なら、スワップ自体が無くなるほどのダメージですね。
因みに、この間のトルコの政策金利はというと
- 2015年5月…7.5%
- 2016年11月…8%
- 2017年1月…8%
驚く事に、0.5%上昇しているのです。
これは、政策金利とスワップポイントの動きが、反比例した事になります。
スワップポイント下落の原因は何?
誰もが考えるのは、何故政策金利が上がっているのに、スワップポイントがこんなに下がるのか? という事ですよね。
この間は、トルコは相変わらず不安定な政局で、テロなども発生していますが、それが直接原因なのかは、懐疑的です。
そもそも、各FX業者が一斉にスワップポイントを下げるという事は、個人投資家では理解できない、または知らされていない謎のルールがあるのは、間違いないでしょう。
もう少し詳しく調べてみると、米ドル/トルコリラやユーロ/トルコリラなどでトルコリラの買いポジションが増えた事が原因とされています。
それが結果的に、トルコリラ/円に反映されてスワップが下がったとされています。ちょっと納得出来ませんが、それが大きな理由というのが定説です。
それを踏まえてもう一度、スワップポイントを知らべてみます。
ヒロセ通商のトルコリラ スワップポイント
●米ドル/トルコリラ ●ユーロ/トルコリラ
・2015年5月…0.4 ・2015年5月…0.37
・2017年2月…0.02 ・2017年2月…0.02
米ドルやユーロでトルコリラのポジションを持っていたら、スワップは1/20になっていました。それを考慮すると、日本円はまだマシだったと思えますね。
今後のスワップポイントはどうなるか?
(画像元:楽天証券)
先ほど、トルコリラのスワップポイントが下がった理由として、米ドルやユーロに対してトルコリラのポジションが増えた事としましたが、他にも理由はありそうです。
まず単純に、トルコリラ/円が最安値更新の30円割れが大きな影響を与えたのでしょう。
ここまで下がると、このような状況になっても仕方がありません。
現に、ヒロセ通商は2017年1月中旬に、固定スワップポイント115円のサービス断念を発表しました。
以下、ヒロセニュースより抜粋
トルコリラ円のレートが過去最安値近辺まで下落している状況下でスワップ市場におけるトルコリラ円のスワップポイントも下落を続けております。
好条件のスワップポイントを提供できるよう弊社で出来る限り努めてまいりましたが、上記理由に伴い、2015年5月から続けておりますTRY/JPYの買いスワップ115円(1万通貨あたり)固定での提供を継続することが難しくなりました。
つきましては、2017年1月18日(1月18日午前7時時点の付与分)まででTRY/JPYの買いスワップ115円固定での提供を終了させていただきます。
一般的なスワップポイント下落の理由
- 通貨ペアの金利差縮小
- 円ペアの場合は円高になるほど、ポイント下落
- 短期金利の変動
今回のトルコリラ/円の場合は、金利は逆に広がったので、②の円高が大きな原因だと思います。
トルコなどの途上国が円高になる理由としては
- トルコの国政問題(テロや政治不安定)
- トルコの経済指標悪化
- 世界的な経済危機や問題
今回はトルコだけでなく、途上国の通貨が大きく円高になりました。その理由としては米トランプ大統領誕生の一連騒動が最も大きな原因でしょう。
比較的、先進国は株価上昇などのメリットもありましたが、ドル高になる事で逆に円安となり、反面でトルコなどは円高に振れてしまい、過去最安値更新という皮肉な結果が、今回のスワップポイントの下落に繋がったのです。
これは、世界経済が繋がっている証拠と言えますが、長期投資のスワップ派にとっては堪ったものではありません。
今後トルコリラが回復する見込みは
大きく下がったという事は、逆に回復する可能性もあります。
しかし、今回の事で分かったのはトルコだけの力ではどうしようもありません。
まずは、アメリカの流れに注視すべきです。来月3月に政策金利の発表があるので、そこで
- 米政策金利アップ…トルコリラ/円のスワップが下落か
- 米政策金利ダウン…トルコリラ/円のスワップが上昇か
となります。
もちろん、他にも影響はありますが、米政策金利が当面のスワップポイントに影響を与える事は間違いありません。さらに為替の動きももちろん大事です。
※トルコリラ円FXのスワップ投資の具体的な方法については以下のサイトが参考になります。
⇒トルコリラFXで堅実にスワップ金利収入を稼ぐ方法を検証しました。
まとめ それでも高いトルコリラのスワップ
トルコリラが最安値を更新してもスワップが80円もあるのは、逆に凄い事だとも言えますが、数年前と比較すると大きな下落です。
これが他の高スワップポイント通貨まで波及する可能性もあるので、気を付けるべきです。
個人的には、政策金利が高いので、今なんとか我慢すれば数年後には戻っているのでは、と思えます。
トルコは国政や治安などが最悪の現在でも、これほどの状態なので、あとは良くなるだけなのではないでしょうか? 最安値更新しドル高動きでも、この状態なので反転したらまた勢い付くと思っています。