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米国FRB利上げを2004年の酷似ケースから占ってみる【株価、為替への影響】

2016/08/28

いよいよ2015年3月17日~18日のFOMCでフォワードガイダンスの中からある文言が外れるかどうかに世界中の金融関係者の注目が集まっています。

実はこれは2004年におけるFRBの政策金利引き上げのプロセスときわめて似ていることから2004年の利上げ前のFOMCで我慢強くいられるとフォワードガイダンスから削除したことに注目が集まるようになり、今回のFOMCでもこの文言が削除されれば利上げのサインとなるとの見方からこうした注目が集まるようになっているのです。

利上げ

上の一覧は2004年における米国の利上げまでのプロセスで株と為替がどう動いたのかを示したものです。

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2004年フォーワードガイダンスの文言修正による米国市場への影響

2004年1月にフォワードガイダンスからかなりの期間という文言は外れて、まず米国の株式市場がぐらつき始めます。3月から5月までは何度となく下落を繰り返すことになりますが、なぜか日本の株式市場はこれを利上げのサインと読み込まず5月の「忍耐強くいられる」の文言が外れるまで上がり続けてしまいます。

ところが5月にこの文言がはずれたことから大きく下落を始めることになりその後の動きはS&P以上の下落となります。そして実際に同年6月に米国の利上げがアナウンスされるとまたしてもTOPIXは-8.8%と大幅下落をすることになります。

この間ドル円はどのような動きをしたかと言えば利上げまでは上昇し、利上げが決まった途端にピークアウトしていくことになります。この時期は株とドル円は今のように異常なほどのリンクをしていなかったため、動きはシンクロしていませんでしたので必ずしも参考にはなりませんが、ひとつ言えるのは株価は間違いなく金利に反応するということです。

また下落はほぼ利上げ後1.5ヶ月程度までは影響が残り、しかも事前段階で大きく下げる可能性があるということだけは間違いないようです。

2015年のフォワードガイダンス文言修正も2004年の再現となるか

今回3月のFOMCで2004年と同様に文言が外れれば米国の株式市場はまた下押しする可能性が高まると思われます。既に織り込み済みとは言われ始めていますが、欧州圏の債券金利が大幅に上昇している中では米国債券にお金がシフトし始める可能性があり、株価はもう一段織り込みにいくことになると考えられます。

これにどれだけ日本の不思議な官製相場が連動するかは不明ですが、前回の買い支えのレベルから言えば1万8500円程度までの下押しはあってもおかしくないと考えられます。それよりも下押しした場合はかなりPKOが買い支えて戻すことになるのではないかと思われます。

株の下押しに為替がどこまでついていくことになるかですが、3月第一週金曜日の米国雇用統計ではまず数字がよくてドル円は上昇したにもかかわらず株価の大幅下落を見て一緒に下がる動きを見せています。したがって19日午前3時過ぎからイエレン議長の記者会見を基点にして上昇は期待されますが、一旦の上昇のあとに株価の動きをみて下落に転じる可能性は視野に入れておく必要がありそうです。

2004年のケースは必ずしも経済状況が今と同じではないですし、その後の度重なる利上げでほとんど株や為替が反応しなくなっていきましたが、これも同様の世界になるのかどうかは定かではありません。ただ、この文言はずしの時点で株は下落、為替は上昇の可能性が高いことだけは織り込んでポジションを保有されておかれるのがいいのではないでしょうか。

この文言はずしというのは利上げの準備であることは間違いありませんが、今回はずしたから6月に利上げ確定になるかどうかはまた別の問題です。(参考:米国の利上げの時期はいつなのか?オンスケジュールなのか後ずれか?)とりあえずはずしておけば、利上げ、そのまま維持という二つの選択肢を常にFRBは持ち続けることになるわけですから、今回文言をはずさないという選択肢は無いように思われます。

ただ実際の利上げが経済状況を見据えて9月やそれ以降にずれる可能性はあると思われます。したがって、思惑先行で株や為替が動いてもその後結構乱高下を繰り返す可能性も視野に入れておく必要がありそうです。

アメリカの利上げに備えて投資する

利上げ時期が確定すれば、米ドル高、株安への動きが進むと予測されます。一概には言えないのですが、単純に考えるとドル高円安となり、ドル高ユーロ安となると考えられます。

この想定のもと、FXでドルを今のうちに買っておくというのも一つですが、利上げの時期が延長、もしくは実施するの時期が不明になった場合はドル安が進む可能性がありますので、一概に買えば儲かるというわけでもありません。いずれにしても為替相場は大きく乱高下するでしょう。

米ドル円、ユーロドルのFXをするのであれば、スプレッドが狭い会社にしておきましょう。以下のサイトも参考にしてください。

ドル円:ドル円スプレッドが最も狭い最小のFX会社とは

ユーロドル:ユーロドル(EUR/USD)FXにおすすめのFX会社とは

追記:9月の利上げは見送りになりました

9月の利上げの可能性が噂されていましたが、海外経済の先行き不透明感から利上げは見送りとなりました。今後の年内の利上げの可能性、為替、経済への影響についてまとめてみましたので以下の記事も参考にしてください。

参考:FOMC利上げ延期の為替・株価への影響について【年内利上げなしも想定】

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