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ニューニュートラルの時代に突入?

ビルグロースでお馴染みの米国のインベストメントマネジメントのPIMCOが新しいレポートを出して話題となっています。これはニューノーマルからニューニュートラルの時代へと移行したといった内容のものです。

同社は金融危機後に、過去の平均を下回る成長率が続くとされるニューノーマルという言葉をつくり普及させたことで有名ですが、今回のリポートでは、これがさらに新しい段階に入りつつあると指摘しています。これをニューニュートラルと呼んでおり、ニューニュートラルでは世界各国の成長率がより低く、より安定した速度にむかって収斂していくことになり、政策金利は聞き前の均衡状態を下回る見通しであることを明らかにしています。

これはとりもなおさず米国の10年債利回りの低下を示唆しているともいえ、直近の状況にぴったりと当てはまるものになってきています。特に先進国ではすでに各国ともインフレが置きにくい条項に陥っており、ややもすればディスインフレ、デフレの一歩手前までの様相を呈しているということもできます。

日本だけが今やデフレ克服と称して2%以上の物価上昇を見込む動きになっていますが、この動きが果たして本当にデフレを克服し、金利の上昇につなげていくことができるかどうかが注目されるところです。

計らずも直近の為替市場を見ていると世界同時通貨安戦争の第二幕がスタートしているようにも見え、米国の金利が低水準で推移しユーロも金融緩和の動きになってきているとすると、回りまわって円高が再来しないとも限らない微妙な状況を醸成してきているともいえるのです。ここのところの米国の債券金利の状況はあきらかにこれまでの動きとは異なる部分があり、日本の貿易赤字の累積額とこの債券金利とが押し合いをしているのがドル円の状況ともいえる新たな展開になってきているのです。

今後の展開次第では思わぬ方向性に為替が動いていくことも予想され、主要国の債券金利の動きには目が離せない状況ということができそうです。

PIMCOでは、このニューニュートラルという状況を自動車のギアがニュートラルに入ったままの状態にたとえています。世界経済は今後回復せず、鈍い趨勢成長率に向かって収斂していくことになると見通しを述べていますので、なおさら気になるところでもあるのです。

QEは先進国で景気回復の常套手段のように使われ始めていますが、これも最後にQEの幕引きをする国にババ抜きのババが回ってくる可能性も残されており、すべての課題を解決する魔法の策といえるのかどうかの見極めが必要な時期にさしかかってきているともいえるのです。為替はこうした状況に大きく影響を受けているだけにさらに注視することが必要な時代となってきています。