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1ドル107円台!円高はどこまでいくのか?日経平均のトレンド転換の見通し

4月7日、海外市場で1ドルが107円台後半になり、約1年半ぶりの円高ドル安となり、その流れから輸出関連企業としてトヨタなど日本を代表する大企業の株が売られました。

日経平均は心理的な節目の1万5500円を下回った事から今年はトレンドの転換をしたと言えます。

今回のこの円高の傾向としては、アメリカの金融政策が現状維持となり、それが利上げ慎重という流れになり利上げ観測がなくなりました。日銀が何度も言及した物価の2%上昇も達成が難しくなり、導入したマイナス金利も効果が出ているとは言えません。原油価格も相変わらず低調、これらが複雑に絡み合い辿り着いた結論が円高という事なのです。

年内100円割れも有り得る展開に

市場関係者は、今後はさらに一段の円高が進むと予想し、日本経済にとっては悪夢というべき100円割れも現実的となっています。今後は投機筋と政府の攻防が激化する事は必死です。

政府の対応としては、麻生財務大臣は8日、ドル円相場が107円台になった事で相場を牽制する発言をしました。これは政府の為替介入を示唆しており、今後の展開は予断を許しません。

一方で安倍首相は6日、「外国為替市場での恣意的な介入は控えるべき」と発言し、これは麻生氏とは逆の立場と言えます。首相の発言の裏には、アメリカとの関係性維持があると見てとれます。

為替介入の効果はあるのか?

為替介入は過去に遡ると、2011年10月まで戻る事になります。

その際は、1ヶ月で9兆円もの大金が投入されました。この時期は戦後最安値の円高ドル安で75円になり、政府が介入した事で一時的に79円まで急騰しました。為替介入は大金を投入するので短期的には効果が期待出来ます。この円高傾向も多少は一服する可能性があるでしょう。

しかし、介入後に控えている経済イベントを見ていると長期的には期待が出来ないと思えてきます。介入は一国単独では、長期的に効果がなく数日や数週間しかもたない事が過去の経緯から証明されています。

前記した大臣達の発言からもしかしたら、アナウンスメント効果を期待し、実際に介入せず警戒感だけで効果を得ようとしているのかも知れません。単純に為替介入と言っても、その投入するお金は税金であり、もし相場が逆に動けば借金が増えるというお粗末な結果になります。現在の日本にそこまでの体力があるのか懐疑的です。

サミットや五輪などメンツの為に、短期的な期待で介入し借金を一段と増やすなら本末転倒です。一部の大企業と株価を守るための円安誘導なら、果たしてそれが本当に国民に経済にとって良い事なのか個人的に疑問が残ります。

今後の展望

ブルームバーグは「円の過去5年間の平均水準は1ドル=約99円」とし、「円は依然として割安だ」とする市場関係者の声を紹介するなど、さらに円高が進むとの見方が強い、と報道しています。

また、アメリカだけでなくEUも日本の為替介入には批判的となっていて、政府が5月のサミット前に介入できるのかが焦点です。仮に外国を敵に回して介入しても、一国の力だけでは今の為替の世界的な潮流を止める事は不可能です。

短期的は円安の後の、大きなリバウンドが予想できます。それでは、為替介入を見送ると、この円高の流れは一段と拍車が掛かり、100円割れも予想できますし、数年後には悪夢のような75円の再来ももおかしくないと言えます。それほど今回の107円台になった衝撃があるのです。

端的に言うと、安倍首相と日銀が行ってきた金融政策である量的・質的金融緩和の効果が、為替相場に限ると無くなりつつあります。