3月のFOMCで利上げはあるのか?利上げ見送りが濃厚、今後のスケジュールについて
2017/03/09
次回、3月のFOMC政策金利発表は、日本時間で16日となっています。この時は一攫千金を目指して、たくさんのFXトレーダーが参戦する運命の一日ですが、今回はどうなるでしょう。
Contents
今回は利上げはあるか? それとも現状維持?
今回のFOMCについて分かっている事を整理しましょう。
日程:3月15日~16日(日本時間)
※政策金利発表は16日午前4時15分頃
- 昨年2016年12月のFOMCで0.5から0.75に利上げ実行
- FOMCは2017年中に3回利上げを見込んでいる
- 2月FOMC、利上げ見送り。また次回利上げ示唆なし
年3回の利上げ予定なら、時期的には3月あたりで上げるのがバランス良いがどうでしょうか? それでは、専門家やマーケットの流れを調べてみます。
大手金融機関の予測はどうなのか
今回の3月利上げを予想している金融機関は少ないです。それらの多くは6月、またはその前の利上げを予想しています。
5月利上げ予測派
BNPパリバ、JPモルガン・チェース、米国みずほ証券
3月利上げ予測派
ジェフリーズ・グループ(6月も示唆)
必ずしも、大手金融機関の予測が当たるとは言えませんが、今回は利上げ見送り、政策金利現状維持の可能性が高そうです。それはマーケットにも表れています。
債券市場の動き
3月の利上げ見送り観測から、NY債券市場が続伸している。このまま債券買いが続けば、それは利上げ見送りがほぼ確定と言えるでしょう。しかし、債券買いの流れは現在のトランプ政権への不透明・不満からとも言われているので、決めつけるのは危険かも知れません。
まとめると、2月FOMC、大手金融機関、さらに最近の債券市場の動きから、
3月FOMC…利上げ見送り、ほぼ決定的
で現状維持になる可能性が高そうです。今回が見送りになれば、それは5月実施の可能性が一段と高まります。なぜって、年3回の利上げを予定しているので、そう何度も見送り出来ませんよね。
肝心の5月FOMCのスケジュールは、
5月3日~4日(日本時間)
となります。この時は、現時点でほぼ間違いなく利上げが実施される可能性が高いです。
利上げされるとどうなる?株価・為替への影響について
長期的な観点なら、利上げが実行されると株価が上がります。そもそも論として、先進国の場合は景気が良いから金利を上げるので、当然ですね。すると、米株価上昇で、日本や他国にも株価アップの恩恵にあずかれます。
しかし、最近10年ほどは米金利や日本の金利が低くても、株価は上がり続けたので、この法則も崩れていると言うか、絶対ではありません。同様に為替でも、金利が上がるとドル高になるので、必然的に円安となります。
しかし、これも相関する際と、逆相関になる時は交互にやって来ている事は、長い歴史が証明しています。今回がどちらに転がるのか、見極めが難しいですね。現状は、利上げで円安に動くと思いますが…
どうなれば利上げ見送りになるか
最近FXや株を始めて、投資に興味を持った方なら別ですが、何年も経済ニュースを見てきたなら、昨年の米利上げ見送り報道を何度も耳にしたはずです。
利上げ見送る要因は、主に
・世界景気の不透明感(株安や資源安)
・米失業率や物価上昇率の悪化 など
これらが要因なら、2017年は欧州各国で大統領選挙などイベントが目白押しなので、その結果次第では混乱する可能性が高まります。昨年はイギリスのEU離脱で、利上げを見送った経緯もあります。
そう考えると、FOMCの予定通りに3回も利上げするのは難しい事も考えておくべきです。そもそも、何事も予定通りには進みませんしね。
まとめ
3月FOMCでは、利上げ見送りが大方の予想となっています。個人的にも今回は、マーケットや金融機関予想通りに利上げ無しだと思います。すると、これまた予想通りに5月利上げの可能性が一段と高まります。
その際に注意するのは債券市場の動きで、ここを注視すればある程度の予想が可能になります。しかし、その後も利上げが確実に実施されるかは、世界の動向次第となります。
利上げについてこちらでも深く考察しています。
⇒米国3月利上げ予想【為替への影響、今後の見通し、投資方針について等】