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各国の情勢 日本 日銀金融緩和

日銀金融緩和補完措置の内容と為替、株価への影響、今後の見通しについて

2015年12月17日と18日の間に開いた金融政策決定会合で現在の異次元の金融緩和=アベノミクスを維持するために補完措置を取ることを決定しました。

今回の補完措置は企業の設備投資を積極的にさせようとする狙いがあり、設備投資に対して積極的とされるETFを新たに3000億円買い入れることとしました。

参考:日銀 金融政策維持も補完措置を導入

ETFってなに

ETFというのは証券会社などが買い付けた現物株をまとめたものです。ETFは何らかの指標を対象にした商品であるので、日経平均株価を対象にした商品ならば日経平均株価と連動する商品となりますし、銀行業株価指数を対象にした商品ならば銀行株と連動した商品となります。

そのため日経平均株価を対象にした商品であれば、日経平均株価を構成している企業全体に投資したということになります。要するに今回の日銀の補完措置は設備投資に積極的な企業に対して全体的にお金を投入したということになります。

ちなみに現在の金融緩和により年間3兆円のETF買い入れをしており、金額から考えてもそれほど大規模のものではなくあくまで補完するものと考えられます。では市場はどのように反応したでしょうか?

緩和措置は予想外だが期待以下、株価は乱高下

市場は発表直後に500円高となりましたがその後続落しました。日経平均らんこうげ 

終値は19,000円を割り込み、300円程度安値で取引を終え東京株は乱高下しました。市場ではこのタイミングで緩和などの政策を採ることは無いだろうという観測が広がっていましたが、金融緩和といった発表がでて円安株高となりました。

ただ今回の金融緩和ではない補完措置という内容でとどめたため、逆に失望が広がり一転して売りにつながりました。一部メディアでは今回を金融緩和と同等と考える記事や黒田バズーカ3などと紹介しているメディアなどもありますが、現実的に今回はそれらとは違うと考えられます。

日銀金融緩和補完措置による影響

では今後この補完措置は市場に対してどの程度の影響を及ぼすのでしょうか。市場は予想していなかった補完措置であったものの、期待とは違った補完措置となってしまったために株価は乱高下しましたが、アナリストたちの多くも補完措置を予想していなかったものの今回の決定の内容をポジティブに捉えています。

実際に内容は国債の新規買入れなどは無かったものの市場に対しては良い影響を与えるものであり株価にはよい影響を与えると考えられます。そのため長期的には円安株高に結びつくと考えられます。

今後の株価、為替の見通し

ただ今後すぐに円安株高になるとは考えられづらいです。実際に現在原油安などが続いていること、FRBの利上げによりよる新興国への影響などにより、米や欧州ではリスクオフの動きがでており、そのために日本円はドルに対して121円台へと円高になっており東京株も上値が重い展開となっています。

また今年の日本株が事前の予想よりも安定した株価を維持していたために年末は利益確定のための売りが先行しており年内の円安株高は期待できません。

ただ年明けからは国内の悪材料がそれほど多くない事、FRB利上げによる新興国の影響に対するリスクオフが一服すること、そして利上げの根底にある米経済が堅調であることなどにより、年末の円高株安からは一転して円安株高となることが予想されます。

参考:12月17日FRBの米国利上げによる世界各国の為替、経済への影響、見通し

また今回の補完措置は国債の買い入れをするための布石であり、実際に黒田総裁もしなければならないときは思い切ったことをやるとしており、来年2016年にはアベノミクスを下支えするための大きな金融緩和をすると考えます。

いずれにしても年初には日経平均が20000円台に到達すると考えられ、来年度からは22000円台に乗ると考えています。また米経済が堅調になっていたなか、欧州や日本の経済がどこまで回復するのか、そしてFRBの利上げのように日本の異次元の金融緩和がいつ終わり通常の金融政策へと戻っていくのか大変注目する年となることは間違いなさそうです。