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アメリカ 利上げ 各国の情勢

10月FOMC結果は利上げ見送りも声明文をめぐってドル上昇

2015/10/30

2015年10月28日早朝3時に発表されたFOMCの声明は結果として大方の市場の予想通り利上げを見送ることとなりましたが、

「世界情勢が成長抑制との文言外す」

「米経済、緩やかなペースで拡大」

「インフレは中期的に2%に向け上昇」

「雇用拡大ペースは『減速』、失業率『変わらず』」

「家計消費は底堅い」

「輸出はいくらか弱含み」

「12月会合で利上げを検討」

「金利はしばらくの間、正常水準を下回る」

といった内容が盛り込まれたため、12月への利上げ期待が残る形となり、ドルはユーロに対しても円に対しても上昇することとなっています。利上げはないのにドルが買われるというのはいささかわかりにくい動きになっていますが、またしても利上げ期待継続ということになったわけです。

利上げ生命

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現実的には年内利上げは不可能か?

毎回利上げは引き続き検討という看板を掲げるやるやる詐欺に等しい状況のFOMCですが、文言から厳しい内容がはずされたのにもかかわらずECBや日銀に金融緩和期待が高まっていることを考えますと、FOMC声明に盛り込まれている内容と実態経済の状況が必ずしもシンクロしていないことを強く感じさせられる内容になっていることは間違いありません。

インフレが中期的に2%に向け上昇ならば利上げを前倒しで行ってもよさそうなところですが、そうはならないあたりにFedのオペレーションが苦境に立たされていることを如実に表しているとも入れる状況です。

炭鉱のカナリアと呼ばれるハイイールド債市場はなんとか持ち直し

8月後半の市場の暴落から劇的な下げを演じてきた米国系のハイイールド債、つまりジャンク債市場は米国の利上げが後ずれしていることからなんとか持ちこたえて、行き場の無い資金が再度買い上げに入っている状況です。

これは、いわゆる炭鉱のカナリアと呼ばれる指標であり、買い手がいなければ止め処も無く下落する傾向があったのですが、なんとか食い止めることに成功していることから、今回のFOMCの利上げ見送りも手伝って12月まではドル円も株式相場も上昇軌道に乗る可能性がでてきているといえそうです。

ただ、市場はFOMCの声明文文言はずしにみられるように調子よく回復しているようには見えず、明らかにイエレン議長は利上げのタイミングを逸してしまった可能性が高まっているようです。

市場ではQE4に対する期待も

FRBのやるやる詐欺的利上げ示唆の一方で、市場ではQE4待望論も持ち上がってきているようで、当面中央銀行バブル温存という見方が強くなっていることから年末にむけてもリスクオンの展開になる可能性が強くなってきています。このFOMCの声明文の暗号解読に一喜一憂してみてもあまり意味はないのではないかと思いますが、相変わらず市場はこうした動きに明け暮れてしまうようです。

そしていよいよ日銀の会合期待へとシフト

FOMCをこなしたことで市場の期待は日銀の政策決定会合へとシフトすることになりますが、今回のFOMCを受けてまたしてもドル円は121円にのせてきていますので、飛び込み台はかなり高い状況になっています。

参考:10月30日日銀政策決定会合の影響予想【追加緩和無風でもドル円は下げる可能性】

イベントドリブンのファンドもまた動いているようですから何も無かったときの失望売りはそれなりのレベルになりそうですが、下値はしっかりひろっておくと利益を確保できそうな状況で、119円台まで突っ込むことはなさそうですが、一応底を見極めてから買いに入ってもよさそうです。

為替もさることながら株価のほうは日銀のETFによる買い支えがなくなるとかなり状況は変化しそうです。実際問題として日銀は10月19日以降ETFの買い付けを中止しており、5000億弱の費用を温存していますので、それだけ見ても簡単には追加緩和をやらない可能性が高まっているといえます。

果たしてこの結果ドル円がどのあたりまで落ち込むかが年末に戻るレベルを占う試金石となりそうで、注目されるところです。